アシストのアシストのアシスト:書店員が選ぶ本の賞は沢山ある:プレスリリースのネタにぴったり

 芥川賞・直木賞だけでなく、本に与えられる様々な賞は全容を把握しきれないほど増えてきました。出版社主催の新人賞なども本当にたくさん開催されています。その中には書店や書店員が選ぶ賞もあります。最大の影響力を持つのは皆さんご存知の本屋大賞ですが、本好きの書店員が集まってだけでなく、書店チェーンでの選考や個人での選考などなど、思った以上に多彩な賞が生まれています。以下、書店員による本の賞を、見つけられたものだけですが、一覧にいたしました(見逃しがあればご教示ください)。

キノベス!(2003年~)
本屋大賞(2004年~)
酒飲み書店員大賞(2005年~)
フタバベストセレクション(フタベス)(2005年?~)
全国書店員が選んだおすすめコミック(2006年~)
リブロ絵本大賞(2010年~)
紀伊國屋じんぶん大賞(2010年~)
広島本大賞(2011年~)
うつのみや大賞(2012年~)
啓文堂大賞(2012年~)
静岡書店大賞(2012年~)
ラノベ好き書店員大賞(2012年~2014年、2019年)
エキナカ書店大賞(2013年~)
京都本大賞(2013年~)
大阪ほんま本大賞(2013年~)
新井賞(2014年~)
京都ガイド本大賞(2014年~)
沖縄書店大賞(2015年~)
北海道ゆかりの本大賞(2016年~)
八重洲本大賞(2018年~)
京都水無月大賞(2008年~2015年)
名古屋文庫大賞(2009年~2013年)
神奈川本大賞(2014年~2018年)
日本ど真ん中書店大賞(2017年~2018年)

 先日、第二回八重洲本大賞の受賞に際してKADOKAWAがプレスリリースを出していました。素晴らしいです。賞の受賞には、プレスリリースをメディアに採用してもらうために不可欠の「ニュースバリュー」が確実にあります。そして、メディアに掲載されることで、受賞した本の宣伝になるのはもちろんですが、賞そのものの告知(と、店舗への集客の誘導)にもなります。KADOKAWAはプレスリリースの使い方がとてもうまく、プレスリリースを出すような機会があれば参考にしたいと思っていますが、書く内容だけでなく取り上げるテーマとしても今回は納得です。出版業界はなかなか厳しい話題が多いのですが、「受賞作(および賞の概要)を出版社がプレスリリースで流す」が一般的になれば、色々な意味での活性化が期待できそうです。

 と、ここで、少し話を戻します。

 今回、この記事を書くために「書店員が選ぶ本の賞」をネットで探したんですが、「公式=賞の趣旨・意図やこれまでの受賞作、問い合わせ先等がまとまったサイト(ページ)」が無いところが多いことに気づきました。公式サイト(ページ)があればプレスリリースにURLを載せるだけでもある程度の用が足りるのですが、それが無いと「参考URL」や「問い合わせ先」を載せるのが大変です。メディアが「賞そのものについてもう少し調べたい」と思った時に、公式サイト(ページ)があるとないとでは問い合わせ(追加取材)の可能性は随分と違うのではないかと思います。

 受賞作などをネットに載せるとお店に足を運ばずにネット書店で買われてしまうのではないかといった懸念もあるのかもしれません。ですが、やはり、せっかく手間暇かけて賞を立ち上げたのであれば告知宣伝にもうひと手間かけたほうがよいのではないでしょうか。まったくもって余計なお世話かもしれませんが、そんなことを今回強く感じました。

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