区児相始動~取り組みと課題を追う(1)/設置状況/人材不足で開設延期も

 2区の児相が4月1日にオープンしたが、今後開設する区には、人材の確保・育成の課題が大きくのしかかっている。また、ケースの引き継ぎや広域調整など課題は山積する。各区の取り組みや課題を追う。

 「これまで都児相が行ってきたのと同様に、各職員が業務を実施できている」─。区立児童相談所の開設初日となった4月1日、世田谷区児童相談支援課の長谷川哲夫課長は、現場の様子をこう話した。都の児相の時と同じく、各職員が担当の家庭を訪問したり、面談などをスムーズに行っているという。
 23区の現場では初となる児童相談業務だが、同区が開設直後から問題なく業務を開始できた背景には、入念な引き継ぎ作業がある。都の世田谷児相に昨年11月から児童福祉士ら30人を派遣し、家庭との面談などで都の職員に同席するところから開始。2月からは区の職員が主体となって家族や関係機関への対応を始めた。
 長谷川課長は「23区の児相設置については、10年以上にわたり議論や検討が行われてきた」と振り返り、「これからが本番。緊張感を持って業務を行っていく」と気を引き締める。

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