インサイドセールスでBDRが注目される理由
近年、BtoB企業において、インサイドセールスの中でも特にBDR(Business Development Representative)の役割が注目されています。これは、様々な要因から社会が変化し、それにあった新しい営業手法が求められているからです。
この記事では、その理由を3つの視点から解説していきます。
エンタープライズ開拓需要の拡大
近年、BtoBセールスにおいて取引金額の大きなエンタープライズ企業の開拓が重要視されています。大企業や官公庁などの大口顧客は、ひとつの契約で小規模取引の数十倍もの売上につながる可能性を秘めており、企業の成長に大きく貢献できるからです。
しかし、大企業の決裁者に対して、反響営業の手法だけで到達することは困難です。また、意思決定者が複数存在し、組織が複雑であるため、短期間で成約に至らないケースも少なくありません。
このような背景から、BDRによるプッシュ型でのキーマンアプローチの手法が注目されるようになったのです。BDRでは、ABMに基づきターゲットを抽出し、適切なアプローチを実行することで、効率的なエンタープライズ開拓を実現できます。
インサイドセールス業務の標準化
近年は、テクノロジーの普及とともにインサイドセールス業務の標準化が進んでいます。メールテンプレートやトークスクリプトの共有、通話録音やビデオ会議録画、SFAでのログ管理、オンボーディング資料の整備など、営業活動を効率化し、生産性を向上させる様々なツールが利用されています。
自動化やテンプレートを効果的に活用することで、SDRの業務を軽減でき、より高度な活動の余地が生まれます。例えば、キーパーソンを調べ、手紙を郵送したうえで電話をして商談を獲得するなども可能です。
また、BDRは、単に電話やメールでアプローチするだけでなく、ソーシャルメディアや人づての紹介など、多様なチャネルを活用したアプローチを行うことも可能です。
インバウンド営業の限界
インバウンド営業は、Webサイトや展示会、ウェビナー、広告出稿などから獲得したリードに対して、インサイドセールス(SDR)がアプローチして営業活動を開始するという手法です。
営業対象が中小企業、ベンチャー・スタートアップなどのSMB向けビジネスや低単価商材において非常に有効な手法ですが、この手法には、以下のような限界があります。
顧客からの問い合わせを待つため、自社のターゲットから問い合わせが来るとは限らない。
インバウンドマーケティングを開始した当初は、順調にリードを獲得できるが、数年すると頭打ちになりやすい。
自社のサイトに訪れる顧客や広告宣伝で集まる見込み顧客は、潜在的な利用者全体のごく一部でしかない。
BDRは、このようなインバウンド営業の限界を克服し、より積極的な営業活動を実現できます。製品やサービスを利用する可能性のある顧客を能動的に探し出し、アプローチするからです。