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生産性向上を考えよう <製造業のケース>

 早速今回からケースを例に生産性を高める方法を考えていきましょう。ここでいう「生産性を高める」とは、生産効率を上げ、売上拡大によって利益UPを狙いましょうというものです。生産効率が上がると、在庫の削減や残業費の削減にも繋がって利益改善にもなりますね。財務のどこに注目するかはは計画段階で決めておきましょう。目的を明確にしておかないと途中で迷子になってしまいますから笑 

 今回イメージする対象ケースは中小規模の食品製造工場です(だいたい200人くらいですかね)。この企業は、地産地消型で地元の名産を使ったお菓子等を作っています。最近はOEM・ODM等で他県の素材を使って委託生産している工場も多いみたいですね。

 なぜ対象ケースを食品製造工場にしたかというと、、、改善余地が多くある業種だと思ったからです。ニーズも多いと思っています。
 もともと日本の食品業界は生産性が最も低い業種の一つとも言われております。その為、従業員の給与は他業種と比べても低水準ですし、今後は労働力を確保することが厳しい業種だと感じております。とは言え、日本の食品産業はとても重要な産業です。従業員数は全業種の中でもトップレベルです。だから生産性を上げて企業の収益性を良くすることは日本のモノづくり産業を強くするということイコールなのです。

 では何故これまで食品製造工場は改善や革新が進まなかったのでしょうか?トヨタ等の自動車産業では早くから改善が進み、強いモノづくり体質を作ってきました。一方で食品工場ではあまりそのような類の話を聞くことはなかったと認識しています。
何故か?細かくはわかりませんが、これは食品製造業が抱える特有の問題ではないでしょうか?

その特有の問題とは、
・製品のライフサイクルが早く、柔軟な製造ラインを構築しにくい
・製造品種が多く、自動化しにくい
・材料を投入して、ドカっと生産するいわゆるダンゴ生産が多く、自動車産業等で活躍してきた1ケ流し等のような手法は取り入れにくい

このような問題が顕在していたのだと推測しています。
とにかく前工程で材料を投入したら、あとは人を集めてひたすら同じ作業を行う、この作業が正常作業として今日まで来たのではないでしょうか。

では、これからこのような工場を収益性の良い工場へと変貌させるにはどうしたらよいでしょうか?様々な要素がありますが、私はざっとこのようなことを考えます。
1. 人(ヒト)が育つ工場環境を整える
2. 製造工程を見える化して、ボトルネック工程等を徹底的に改善する
3. 単純な人出作業を自動化する
たったの3つですが、私だったらこの3つを徹底的に実行します。言葉では簡単ですが中々実行に移せないものなのです。
例えば「人が育つ現場環境とは?」「ボトルネック工程を把握するには」「自動化の可否判断は?」等色々な難題があります。中でも人に関係する部分は本当に難しいです。今退職者も増加している工場で、どうやって退職の連鎖を防ぎ、人を育てるか、これは経営者の抱える課題の中でもトップクラスではないでしょうか。

次回はこの3つの要点についてそれぞれ説明していきますね。ではまた。


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