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カメラ雑誌『CAPA (キャパ)』に「世界の今を撮る写真家たち」の一人としてご紹介いただきました。📷🌸

どうも、晴れ男☀️フリーランスフォトグラファーの花井亨(@toruhanai)です。東スポ-ロイター通信と報道業界の対角線をあゆんで25年。2019年フリーランス独立1年目でナショジオ表紙撮りました。

 本日(5/20)発売のカメラ雑誌『CAPA (キャパ)』6月号に「世界の今を撮る写真家たち」の一人としてご紹介いただきました。世界報道写真コンテスト大賞の尊敬する千葉康由さんと、以前同誌でインタビューしていただいた安田菜津紀さんに挟まれた一等地!です。

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 世界報道写真コンテストで日本人として41年ぶりの大賞(グランプリ)を受賞された、AFP通信の千葉康由さんの次に登場させていただきました。
 千葉さんの受賞の話はこちら(この快挙を改めて噛み締めたい)

気がついたら、マスコミがあまり人気の無い仕事になってました

 私が新聞社に入社した25年前はメディア(当時はマスコミと言っていた)が人気の就職先でした。新聞社や出版社、テレビ局への就職を目指す学生が多く、マスコミへの就職の強い大学が人気でした。ところが入社後、我武者羅に頑張ってきて、ふと気がついたら、フォトグラファーどころか、メディアの仕事があまり人気の無い仕事になっていました。

フォトグラファーにしか見ることの出来ない世界がある

 特にフォトグラファーの仕事は、古い言葉で言えば3K(キツイ、汚ない、キケン)の見本みたいな仕事です。でもそこにはフォトグラファーにしか見ることの出来ない世界があるのです。
 当たり前ですが、フォトグラファーが撮った写真はそのフォトグラファー自身の目でカメラを通して見た現実の世界です。すなわち大げさにいうと、その写真の実際の現実はその撮影者の肉眼だけが見ているということです。そこに、まさにその場所にいた人、それが撮影者なのです。
 ジャーナリストにはいろいろいますが、ペン記者、フォトグラファー、ビデオグラファー、今はそれを全て同時に行う人もいます。私の経験で言うと一番、その現場(被写体)のもっとも近くまで接近するのは、間違いなくフォトジャーナリストです。

ホワイトハウスプール取材

 ロイター通信時代の仕事で、アメリカ大統領来日すると、当然ロイターのワシントンにいるフォトグラファーが大統領同行で来るんですけど、彼らがカバーしきれない取材(ホワイトハウスプールポジションの取材)をさせてもらうことがあります。記憶に残っているところだと、2016年オバマ大統領がアメリカ現職大統領として初めて被爆地・広島を訪れました。

 この日の広島は本当に特別な雰囲気でした。街全体がとても緊張していました。もちろん現職大統領の訪問は歓迎すべきことで、歓迎ムードではあるのですが、当然、誰しもが複雑な心境を抱えており、特に広島に行かれたことのある人はわかると思いますが(ほとんどの日本人は修学旅行等で行ったことはあると思いますが)広島の原爆体験の継承は本当に徹底しており、核兵器廃絶のまさに中心地なのです。
 それは私が撮影した写真のオバマ大統領の後ろに写っている、(大統領に花輪を渡した)2人の表情に良く表れていると思います。その広島が長年待ち望んでいた日、その日の雰囲気、空気感を間近でかんじられた経験は本当に貴重でした。
 この時の取材はホワイトハウスプールポジションでの撮影でした。ホワイトハウスプールと言うと、つまりアメリカ大統領側の代表取材ということになります。
 ホワイトハウスプールの取材ではホワイトハウスの報道官が先づ一番最初にフォトグラファーを案内します。ペンの同行記者はどんなに逸る気持ちがあっても、フォトグラファーより前に出ることはありません。彼らはいつも一番先に案内されるのは誰かを知っているからです。
 そして、ホワイトハウスプールの撮影ポジションはいつも一番いい場所です。そして、私たちが、ポジションにつくと必ず、報道官がこの場所で満足か?というようなことを聞きます。最高の場所で、最高の者写真を撮らせる。これが彼ら、ホワイトハウス報道官の仕事であり、それはとても徹底しているとその時感じました。いい写真を撮らせることは国益にもなるんだと、それも感じました。

”写真を撮る”行為そのものが、すでにジャーナリズムである

 フォトジャーナリストを目指す若者は減ってきているのかもしれません。しかしながら、その一方で、カメラを持って写真を撮る、写真が好きな若者はとても増えていると思います。スマホの普及やカメラの進化でいい写真を撮ることが以前よりもずっと身近になり、その写真の発表の場も、無数の昨今。写真を撮ることに魅了され、写真でもっともっと表現したいと思う人はたくさんいます。
 写真を撮ることにジャンルの境界線はありません。記録性のあるメディアである”写真を撮る”行為そのものが、すでにジャーナリズムであるからです。だとすれば、フォトグラファーを目指す若者が必然的にフォトジャーナリスト目指してもいいはずです。
 千葉康由さんがWPPグランプリを受賞された事によって、フォトジャーナリストという職業に注目が集まったのは大変喜ぶべき事です。次世代にこの仕事の魅力をもっと感じてもらうことは、その喜びを知る、我々の大いなるミッションであると思います。​ (了)


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