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【読んだ本】 コンセプトメイキング/高橋 宣行

この本を一言で言うと...

コンセプト(新しい価値観を提案し、人や企業に変化をもたらすもの)の作り方を学べる本。

読むべき人は...

① 世の中にないイノベーティブなサービスや組織をつくりたい人

② 既存のサービスの運用担当の人、リニューアル担当の人

読んで学んだことは...

① なぜコンセプトが必要か?(Why)

時代の変化によってあらゆるモノ・コトが進化している一方で、古い習慣や常識・ルールがはびこっている。このズレを修正する「新しい価値観(コンセプト)」が求められているから。

② コンセプトとは何か?(What)

コンセプトは時代が求める新しい価値観の提案であり、その考えは全ての行動の指針となる。結果的に、企業・人・商品を動かし、変化を促す。
また、コンセプトには、企業コンセプト・事業コンセプト・商品コンセプト・広告コンセプトなどがある。

③ どうやってコンセプトをつくるのか?(How)

STEP1 現状認識… 事実を徹底的に収集する。このとき「誰に何を働きかけるのか」の仮説を持つことで、収集できる情報の質が高くなる。また、鳥の目でなるべく異質な情報を収集するように心がける。
STEP2 時代洞察… 世の中・企業・人などがどう動き変化しているのかを調べる。また、その動きや変化がなぜ起きているのか、意識や深層心理がどうなっているのかを洞察する。
STEP3 発見… STEP1と2の情報をもとに、新しい価値観を見つけ出す。情報を組み合わせ、様々な視点や切り口から見てみる。発想の飛躍は1人の閃きから生まれる。最後は1人で考える。
STEP4 言葉化… 一言で新しい価値観をイメージできるキーワードを作る。

読んで思ったことは...

① 価値観のズレを修正する、という考え方が腑に落ちた

本書では「時代の変化に伴い、モノやコトも進化する。一方で、習慣やルールが変わらずに価値観にズレが生じてしまっている。これを修正するのが新しい価値観(=コンセプト)である」と語られている。

この考え方はとてもユニークだし、すごく腑に落ちた。

この考え方が、この前に読んだ「デザインの次に来るもの」で説明されていた「意味のイノベーション」と全く同じというのも面白い。この本の中では「照明としてのローソクを、ムードを感じるための道具に転換する」という事例が記載されていた。電球に取って代わられたローソクだったが、照明機能としてローソクを見るのではなく、その他の価値に目を向けることが「意味のイノベーション」だと。これはまさに「新しい価値観の提案」そのもの。

となると、身の回りで価値観がズレてきてしまっているものはないか、という観点で物事を観察すると良いのかもしれない。それがイノベーションに繋がるタネになるかも知れない。

② サービスづくりにおける「ユーザーとの距離」と「確実性」について

新しい価値を創り出す際は、ユーザーの声を聞きすぎてはいけない。これは「デザインの次に来るもの」や「デザイン思考を超えるデザイン思考」にも書いてあった。本書にも「発想の飛躍は1人の閃きから生まれる」とあった。その通りだと思いつつ、ユーザーから距離を置いたところで生み出したアイデアが、本当にユーザーに受け入れられるのかの不安は尽きない。ユーザーに受け入れられる確実性をどのように上げていくのかは、1つのテーマのように思う。

「デザインの次に来るもの」では専門家による批判を受けてブラッシュアップしていく方法が取られ、「デザイン思考を超えるデザイン思考」ではユーザー調査を行って不確実性を下げるとあった。この辺りをちゃんとしたフレームワークにしていきたい。

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