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(1)「白い少女たち」と「さよならアルルカン」~ママチャリに乗って氷室冴子のコバルト文庫を探しに

torov

といふことで、前段としては大体話がついたので早速初期の
氷室冴子作品からツッコんで行こう、となるわけですが。

「少女小説家は死なない!」は逆にサッサと文庫本が
見つかった。定価は(消費税もないし)300円、とある。
この頃の適正価格とはいえ、本質的にコミックス一冊よりも
安い価格で提供出来ていたことに、この文庫のしぶとさの源が
ある種あったような気はする(次に上下巻で出て来た「ざ・
ちぇんじ!」は一冊260円、とある)。
 すぐに探したところで出て来たのはその3冊くらいか。
ぼっちらぼっちら掘り起こしていく算段ではございますが。

で、前回も出した以前の書き込みをした時の元文章。

『さようならアルルカン』で第10回小説ジュニア青春小説
新人賞佳作を受賞した氷室冴子の、処女単行本。

ひどく生真面目で、陰気、と言っちゃうと言い過ぎだけど
全体的に鬱々としたイメージが漂っている。なんか石田敦子
とかあの辺。

20071228(Fri)
白い少女たち/氷室冴子/集英社コバルト文庫

これに対して(まあ石田敦子もかなりリリカルなコミック
エッセイは書くのですが)、むしろ高橋しん、とコメント
したのは「最終兵器彼女」も意識してのことですが、やはり
そこは広島ではなく北海道出身のリリカルさ、とすれば
高橋しんの描く鈍色に近い雲だし、そんなどんよりとした
雲を幼い頃から観て来た氷室冴子の原風景はやっぱりどう
足掻いても「ひどく生真面目で、陰気」な藤女子大的空気を
多分に内包しているのかなと。

あとはmegyumimegyumi氏も当時気付かれていましたが、
後のコバルトでは有名になったあとがきがこの2冊の掌編集
にはなかったかと(まあ後に現物見てあったなら修正します
けど)。

あ、そういえばあとがきがない。コバルトもまだこの頃は
あとがき必須じゃなかったのか。ソノラマも作品によって
あったりなかったりだし、とすると最初からあとがき必須な
レーベルって、スニーカーかファンタジア、ということに
なるのかしらん。

20071228(Fri)
白い少女たち/氷室冴子/集英社コバルト文庫

これに対して新井素子が普遍的にかつ天然で、対して
氷室冴子は自覚的にかつ戦略的にあとがきを使って自分達
なりの「決意表明」なり「お気持ち表明」をちゃんとやって
いたような気はする(それを外側に押し出すと角川文庫で
やっていた「プレイバックへようこそ」になるし、一方で
集英社の柱の一つにもなる「青春と読書」方面へ向けた
エッセイ本へ展開するような足跡も「氷室冴子のあとがき論」
からは見えてくるのかな、と)。

 ま、今回は軽くここまで。次回はすぐに発掘出来た文庫で、
書いた本人の錯乱と酩酊が楽しめる「少女小説家は死なない!」に
ついて述べた後、少し変化球で(これも所在はわかっている
から再読した上で)「ライジング!」を少し語って、
もう一つ既に発掘できた「ざ・ちぇんじ!(前後編)」に
ついて語るまでを今月中にまずは達成できればいいかなと。
(今回読んでた時期も若いから写経ノートが見つけづらい
のが少々ネックですが、このまま進めて行こうかと)


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