『十二国記』の周辺はこんな感じ?

本屋さんに行くと、どこの本屋さんにも『十二国記』が積んであって、”18年ぶりの新刊発売”と大々的に宣伝されています。

小説が平積みで売っているのは「芥川賞」や「直木賞」などの有名な文学賞が発表されたときのイメージが強く、それ以外であれば村上春樹さんの新刊が出るときくらいかな…。

とにかくシリーズものの新刊が出て盛り上がっているのは久しぶりというか、珍しく感じています(あと、海外作品ですが「ハリー・ポッター」シリーズの時は、やっぱり平積みしてましたね)

さて、私自身について言うと、『十二国記』については初心者でして、物語の存在自体は以前から知ってましたが、特に周りに読んでる人がいなかったせいか読む機会を逸していました。ここに至っていろいろ情報が入ってくるようになり、「そんなに面白いというのだったら…」ということで、このビッグ・ウェーブに乗ってみることにしました!

とはいえ、既刊をすっ飛ばしていきなり最新作から読むのはもったいないし、シリーズ第1作から読み始めるのも新刊に到達するまで1年くらいかかりそうで(他にもいろいろ読んでるので)、イチかバチかで、まずはNetflixにあったアニメ版を見はじめました。
→2週間くらいで39話まで見ました(笑)。まぁ、結局、どハマりしてるわけなんですけど…。

新刊を18年間待っていた方からすると大きく出遅れています。しかしながら、ここ3,4年で中国史に詳しくなったおかげで、いろいろわかること(たぶんこうかな?という推測ですが)もあるので、初心者なりに「十二国記」を見ながら連想したことを書いてみたいと思います。本当は小説読んでから書きたいところですが、とりあえずアニメで見た内容を基に書きます。

<アニメで見たお話>


『月の影 影の海』
女子高生の中嶋陽子が異世界に連れていかれて、その異世界の中の一国の王(景国の王、景王)となるお話。


『風の海 迷宮の岸』
泰国の麒麟、泰麒のエピソード。普通の人間として日本で育った泰麒は本来誕生するはずだった異世界へと連れ戻される。その泰麒が泰国の王を選ぶエピーソードが描かれている。


『風の万里 黎明の空』
景王となった陽子は、即位したものの国の内情がまったくわからない。そのため政治を行うにしても官僚の顔色をうかがうばかりで自分の意思で何も決められず、それがきっかけで家臣の謀反が起こってしまう。陽子は景国の実情を知るため、身分を隠して庶民に紛れ、庶民の暮らしを知ろうとする。そんな中、景王である自分の知らないところで地方官僚による圧政が行われていることを知る。

<いろいろ連想したこと>
・大学で学ぶ楽俊(らくしゅん)
 陽子を助け、後に友人となった半獣の楽俊が景王となった陽子の助力により大学で学びはじめる。同級生がなかなか及第できず、あきらめて学生をやめるくだりは、中国の科挙(官僚登用試験)に翻弄される学生のイメージですね。

・女仙に囲まれて暮らす泰麒(たいき)
 蓬山に連れ戻された泰麒が女仙に囲まれて暮らす感じは、中国四大名著のひとつ「紅楼夢(こうろうむ)」のイメージなのかなという気がします。←「紅楼夢」は井波律子先生の本の中で紹介されていて、あらすじでなんとなく知ってるんですけど、確か、天界にいた仙女達が人間に転生するところから始まって、その転生した12人の美少女と主人公、賈宝玉(かほうぎょく)との物語とのこと。子供の頃に主人公が女の子とばかり遊んでいて…というくだりがあったように思います。

・打倒、昇鉱(しょうこう)
 水郷の郷長、昇紘の圧政に対し、自分の身分を隠した景王、陽子が仲間(反旗を翻し立ち上がった一部の民衆たち)とともに昇紘に立ち向かうくだり。これはやっぱりベースは「水滸伝」ですよね(梁山泊は出てきませんが)。宋の時代の汚職は有名。典型的な勧善懲悪ではありますが、やっぱり面白い。胸がスカッとします。

・官僚による実権の掌握
 あと、『風の万里、黎明の空』で官僚が王をさしおいて実権を牛耳ってる感じ、そして誰の言うことを信じていいかわからない感じ。これは数年前に見た中国歴史ドラマ『武則天 The Empress』(←”ぶそくてん”)で描かれていた宮中の壮絶な実権争いの感じと通じています。

<もうちょっと(ドラマ「武則天」について)>
この『武則天』のドラマ、めちゃくちゃ面白いので、機会があったらぜひ見てもらいたい。

セットも衣装もとんでもなく豪華、脚本がびっくりするくらい素晴らしい。このドラマで武則天(則天武后)を演じるファン・ビンビンさんがとにかくカッコいい。

則天武后というと歴史上は数々の謀略を経て唐の実権を握り、女帝の上りつめた悪女ということになっていますが、ドラマの上ではだいぶ“いい人”として描かれています。あまり既存の歴史認識を知らなかったので、私の中ではドラマを見た印象だけでなんとなく“いい人”になってしまってます。

後宮の実権争いは、ちょとうんざりしてしまう感じもあるんですが(ドラマとしては優れている)、ドラマの中では武術に長けていて活躍する場面がいろいろ用意されていています。馬を見事に乗りこなし、弓矢や剣を操って戦うところなど「十二国記」のファンの人がみてもきっと面白いんじゃないかなと思います。

元々は、たまたま見始めた中国歴史ドラマ「孔子」(←”こうし”、『論語』で有名ですね)の出来がすごく良かったので、その後「武則天」も見始めてハマってしまったのですが、それ以降、いくつか中国歴史ドラマ見てるんですけど、どれもパッとしません。自分が知らないだけかもしれませんが、今のところこの2作品を超えるものは見てないです(「三国志」も少しは見てました。どうも間延びして最後まで見れなかったです)

アニメの方の「十二国記」はあと5話くらい見たら見終わるので、少し休憩してから本の方にとりかかろうかと思います。話がとっちらかってしまいましたが、「十二国記」のアニメを見ていて中国史好きを触発されたので、ちょっと書いてみました。

#十二国記 #中国史 #紅楼夢 #武則天 #科挙 

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主に音楽、写真、アート、本のこと書いてます。週1くらいで更新中。(ギター/アナログシンセ/レコード/フィルムカメラ/モノクロ写真/現代アート/ラジオ/夏目漱石/散歩/etc...)

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