【数学・本質】三角形の面積の公式はなぜああなる?そもそも面積とは?
注・この記事ははてなブログに掲載したものの転載です。よければ元の記事やブログの方もよろしくお願いいたします。
【数学・本質】三角形の面積の公式はなぜああなる?そもそも面積とは?
こんにちは!本記事を担当するmysです!
今回は面積について解説したいと思います!
面積の求め方はわかるけど、何なのかは分からないという人は、高校生や大学生でもいらっしゃるかと思います。できるだけわかりやすく書いていこうと思うので、よろしくお願いします
目次
1.面積とは?
さて、三角形の公式の話をする前にまず、そもそも面積とは何かがわからないといけません。
答えを言ってしまうと、面積とは
1辺の長さが1の正方形を何個敷き詰められるか
です。
いまいちピンとこない方もいると思います。
なので具体例を見てみましょう。
下の図を見てみてください
1マスで長さ1です。
真ん中の正方形は1辺の長さが1です。
当然面積は1となりますね。
これが基準となります。
まず右の正方形を見てみましょう。
基準の正方形が4つ敷き詰められていますね。
つまり面積は4です。
次に左の正方形を見てみましょう。
基準の正方形の1/4個分の大きさなら、
敷き詰められますね。
つまり面積は1/4です。
2.正方形、長方形の面積の公式
面積とは何かということがわかったところでまずは正方形、長方形の面積の公式を導きます。
これがすべての基本となります。
下の図を見てみてください。
まずは辺の長さが整数である正方形、長方形の公式を考えましょう。
基準の正方形が縦に2個
それが3列あるので、
2×3で合計6個ですね。
つまり面積6です。
分け方を変えてみます。
基準の正方形が横に3個
それが2列あるので
3×2で合計6個で
同じく面積6です。
では辺の長さが整数でない場合はどうでしょうか?
上の図の場合、基準の正方形が
縦に2個と0.5個あるので合計2.5個
それが3列あるので
2.5×3で合計7.5個分
つまり面積は7.5となります。
分け方を変えてみます
基準の正方形が横に3個
それが2列と0.5列で合計2.5列分
3×2.5で合計7.5個分
やっぱり面積は7.5となります。
これらのことから分かるのは
長方形は縦の長さと横の長さをかけると面積が求められます。
正方形はどうでしょうか?
正方形は縦と横の長さが等しい長方形と考えることができます。
したがって次のことが言えます。
長方形の面積は
縦×横または横×縦
で求められる。
正方形の場合は
1辺×1辺
中学生以上の方はこっちです。
縦、横の長さがそれぞれa、b
である長方形の面積Sについて
次の等式が成り立つ。
S=ab=ba
正方形の時、特に
a=bより
S=a²=b²
これで正方形、長方形の面積の公式が証明できました。
3.平行四辺形の面積の公式
次に平行四辺形について考えて行きましょう。
平行四辺形の場合、必ず角が直角であるというわけではないので、正方形を敷き詰めてみて何個分か数えるというやり方では厳しそうです。
そこで、平行四辺形を変形して長方形の形にできたら長方形の面積の公式使えるなぁと思うわけです。
こんな感じにすると、長方形になりますね。
元の平行四辺形の高さにあたる部分が縦、
底辺にあたる部分が横となっているので、
この面積は底辺×高さですね。
また、こんなパターンもあり得ますね。
細長いパターンのやつですね。これは
こんな感じにするとぴったりいきます。これも同じ公式が得られますね。
補足として、中学生以上の方向けに証明の方針だけ、下のほうに書いておくので、よければご覧になってください。
したがって次のことが言えます。
平行四辺形の面積は
底辺×高さ
で求められる。
中学生以上の方はこっちです。
平行四辺形の任意の(どれでもいいという意味)1辺の長さをaとし、その辺の延長線上と、その辺と向かい合う辺上の任意の点Pからひいた垂線との交点をQとしたときの線分PQの長さをhとすると、平行四辺形の面積Sについて
次の等式が成り立つ。
S=ah
中学生以上向けの方は少しややこしい書き方をしてしまいましたが、頑張って自分で解読することによって、数学力が伸びますのでがんばりましょう!
次は、まちにまった三角形の面積の公式です。
ここまで来れればかなり簡単だと思います。
4.三角形の面積の公式
三角形の面積についてですが今までやってきたことを思い出してみれば瞬殺です。
まず考えてみるのは基準の正方形を敷き詰める方式ですが難しそうです。
では、変形して私達が知っている公式に当てはめられるか考えてみましょう。
はい。これだけです。
同じ三角形を反対にして、
くっつけただけです。
この平行四辺形は三角形2枚分の面積なのですから、三角形の面積はこの平行四辺形の面積の半分ですね。なので、ただ平行四辺形の面積の公式を÷2すれば三角形の面積の公式です。
したがって次のことが言えます。
三角形の面積は
底辺×高さ÷2
中学生以上の方はこっちです。
三角形の任意の辺の長さをaとし、その辺の延長線と、その辺と平行な直線のうちその辺と向かい合う点を通る直線上の任意の点Pからひいた垂線との交点をQとし、線分PQの長さをhとすると三角形の面積Sについて、次の等式が成り立つ。
S=1/2ah
と言うことで、無事導けました。
理解できなかった方はもう一回じっくり読んでみてください。理解できた方は、これを自分の力だけで導けるかためしてみてください。
今回やった、自分の知っている公式の形に変形して、新しい公式を作るということは、かなり大事ですし、この世に存在する公式の多くがこのようなやり方で証明されています。
そこで、ぜひ、台形やひし形の面積の公式を導いてみてください。(円はこの考え方で導くのは不可能です。それについてはまた他の記事で触れたいと思います。)
また体積についても、同じような感じでできるのでやってみてください。
これからも、本質的に物事を考えられるような記事を書いていこうと思うので、目を通していただけたら幸いです。
ご精読ありがとうございましたm(_ _)m
5.補足
さて、本筋の記事は終わりましたが、厳密に考えると、本当にすべての場合に当てはまるのか?と思ってしまうことがあるかもしれません。そこについて、少し話して行きたいと思います。
①
まず、これはユークリッド幾何学で、話を進めているため、非ユークリッド幾何学では説明不足や、そもそもこの等式が成り立たないということも起こり得ます。
非ユークリッド幾何学とか、なんか難しそうなこと言っていますのでそれについて、軽く解説します。
まず幾何学についてですが「きかがく」と読みます。主に図形を扱う学問です。
次にユークリッドについて、説明します。
これは人名です。エウクレイデスと呼ばれることもあるみたいですね。古代エジプトの数学者で、『原論』という本を書きました。「幾何学の父」と呼ばれるほどに、幾何学を発展させた人です。
では、ユークリッド幾何学とか、非ユークリッド幾何学というのは何者でしょうか?
今、私達は平面の図形について考えていますが
面と言ってもいろんな種類があります。
真っ先に思いつくのは、真っ直ぐな平面ですが、例えば、球の表面だとか円錐の側面だとかはたまたドーナツの表面だとかそういうものも面の1種と考えることができます。
このような曲面の上での図形を考える学問を非ユークリッド幾何学といい、逆に、平面の上での図形を考える学問をユークリッド幾何学といいます。(じゃあ平面とは何なんだ?ということを考え始めるときりがなくなってしまいますので、ここでは扱いません。ベクトル等を用いると、定義できます。大学に行けば専攻によってはやると思いますのでそれを楽しみに待っていて下さい。)
これはイメージであって、厳密に言うとこれもまた少し違うわけですが、今回はここまでで勘弁してください。
これらが分かれば先ほどの文の意味がわかりますね。
「ユークリッド幾何学上で、話を進めているため、非ユークリッド幾何学上では説明不足や、そもそもこの等式が成り立たないということも起こり得ます。」
このほかにも厳密にいうともっと細かく定義しないとだめだということがおこるかもしれないですが、それをやっていると私の人生を丸々使っても終らないので、追及は避けます。
②
次に、上の平行四辺形の公式の導きかたですがちゃんとぴったりくっつくことは、合同証明を用いれば示せます。やってみてください。
長くなってしまいましたが、
ありがとうございましたm(_ _)m
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