【数学・本質】『公理・定義・定理』違いわかる?3つについてわかりやすく解説!
※この記事ははてなブログに書かれたものを転載したものです。
元記事はこちら
こんにちは!mysです!
公理、定義、定理。
なんか難しそうな言葉ですが、
これがわかっているのといないのとでは
かなりの差が出てしまうので、
がんばっていきましょう!
目次
1.予備知識
この記事を読むのに必要な知識があります
知っていたらスルーしてくさい。
それは、「命題」についてです。
めいだいと読みます。
命題というのは数学以外にも哲学等で使われる言葉です。
どういうものかというと、例えば
「△ABCと△DEFは合同である」
みたいな感じの文のことを命題といいます。
さて、この文についてですが、
もし2つの三角形が、本当に合同であれば、
この文は正しいことを言ってますね。
これを「真」といいます。
もし合同ではないのなら、間違っています。
これを「偽」と言います。
このように真か偽かが判定できる文のことを命題と言います。
では少し例題を出します。
次の命題は真か偽か判定してみてください。
①「8×7=52である」
②「私は今、イライラしている」
③「xⁿ+yⁿ=zⁿ において、nが3より大きい整数であるとき、x、y、zがすべて1以上の整数となるx、y、zの組は存在しない」
どうでしょうか、意味不明なやつがあるかもしれませんが、気にしないでください。
①偽
これは私がこの間のテストでやったことです。。。
(1)でやらかしたので、それに続く問題全て間違えました。。。
②場合によって真にも偽にもなる
いや、それありなんかい!と思うかもしれません。
これは命題かどうか怪しいですね。
「今」イライラしているかは、「今」がいつかによりますね
例えば昨日イライラしていて、今日イライラしていなかったら、昨日は真だけど今日は偽ですね。
なのでこれは場合によりますよね。
これは命題としても良いかどうかというのは議論の予知ありですが、
自分が今イライラしているかの真偽は定まるので、そういう意味ではこれは命題としても良いと考えます。
③真
イヤ、シラネーヨって思うと思いますが実はこれは真です。この命題にはフェルマーの最終定理って名前がついています。
これについての証明はまた今度別の記事で書こうと思います。
こんな感じです。
それでは本編に移りましょう!
2.公理とは何?
例えば、「a=bのとき、a+c=b+c」ですよね。
これはつまり=の左右に同じ数を足してもいいということを意味していますね。
何当たり前のこと言ってんだ?と思われるかもしれません。
では問題です。これを証明してください。
といわれたら えっ?ってなりますよね。
これは当たり前すぎて証明できないわけです。
でも、この命題が成り立たないと、方程式が解けませんね。ということは数学という学問自体成り立たなくなってしまうわけです。
つまり、ある程度当たり前のことは証明無しで真だとしないといけないわけです。
数学では当たり前という意味で自明という言葉をよく使います。
このように、
自明であるため
証明無しで真だとして良い命題のことを公理
と言います。
つまり前提としていると考えてもらって良いでしょう。
逆に、ある命題が証明可能であればその命題を公理とは呼びません。つまり公理は証明できません。
例えば「2つの点を結ぶことができる」なんてのも公理です。
似たような言葉で公準って言う言葉もありますが公理と同じ意味だと思ってもらって構いません。
また、場合によって命題が公理になる時とならないときがあります。
は?って思いますよね。
なので例を出します。
「平行線は交わらない」これは証明できません。そして、普通の平面では成り立ちますが、球の表面等の曲面上だと、平行線が交わる場合があります。
つまり平面ではこの命題は公理ですが、曲面だと公理ではなくなるわけです。
このような場合もあるので注意してください。
3.定義とは何?
かくれんぼをします。
10数えてから探してください
「1.2.3.4.5.6.7.8.9.10」
なんでこの順番なんでしょうか?
それはそういう順番ですよと
人間が決めたからです。
このように何かを決めることを定義する
と言います。
そして、その決めた内容を定義と言います。
これは私たちが勝手に決めたことなので定義は証明できません。
今回の場合だと、人間が数をあの順番で定義したわけですね。
他の例を挙げましょう
例えば中学生の定義は
中学校に入学している人
ですね。
定義というのは、その言葉を辞書で調べたときに書いてある言葉 みたいなイメージです。
また、言葉ではなく文字や数式を定義することもできます。
例えば
「x=3」と定義すれば「x+2=5」です
「x とyはどちらも整数」と定義すれば「(x+y)は整数」ですね
こんなこともできるわけです。
そして、定義をすると発生する公理というものがあります。
例えば
「等式」を「2つの式が同じ値で、それらを=でむすんだ式」と定義すると
「a=bのとき、a+c=b+cである」という公理が得られるわけです。
つまり等式の左辺と右辺に同じ数を足しても等式は成り立つということですね。
そもそも等式が何なのかということを定義しなければ公理は発生しないわけです。
ちゃんとイメージできるまで何回も読んでみましょう。そうすることによって数学の問題がときやすくなります。がんばりましょう!
4.定理とは何?
さて、突然ですが三角形の定義とは何でしょうか?予想してみてください。
三角形とはどんな図形か考えてみます。
辺が3つ、角が3つ、内角の和が180度・・・
たくさん出てきましたね、
この中に定義はありません。
三角形の定義は
「同一直線上にない3点と、それらを結んだ3つ線分によってできる多角形」
です。
そして、この定義と「平行線の同位角は等しい」という公理から
三角形の内角の和は180度ということが証明できます。
このように
定義や公理から証明できるものを定理
と言います。
定理から定理を証明することもできます。
なので、どんなに当たり前じゃんと思っても、何らかの形で証明できてしまえばそれは公理ではなく定理となるわけです。
例として、三角形の面積の公式について紹介したいと思います。
TORMの別の記事に書いてあるので、それを読んでいただけるとわかりやすいです。
リンクを貼っておきますね。
【数学・本質】三角形の面積の公式はなぜああなる?そもそも面積とは? - TORM
面積を1辺が1の正方形を何個詰められるかと定義したときに、長方形の面積の公式が定理として導けますね。
そしてその長方形の面積の定理から、平行四辺形の面積の公式が定理として導けて、その平行四辺形の定理から三角形の面積の公式が定理として導かれるわけです。
こんな感じです。
イメージは掴めたでしょうか?
大学の数学だと、
同じ言葉に定義が2つあったり、
矛盾する2つの定義があったりします。
それについては補足で下の方で少し触れておきますね。
今回やった、公理、定義、定理というのが理解できていないと、高校や大学の数学で詰みますのでわかるまで読んでみてください。
それでは、
ご精読ありがとうございました。*ᴗ ᴗ)⁾⁾♡
5.補足
本編は終わりましたが、矛盾する2つの定義について少し話しましょう。
平行線の定義は
「交わらない2直線の位置関係」
です。
また、無限遠点の定義は
「限りなく遠いところにある点」
です。
そして、平行線は無限遠点で交わります。
つまり無限遠点を定義してしまうと、平行線が存在しないわけで、平行線を定義してしまうと、無限遠点か存在しません。
しかし、どちらも存在します。
もはや意味不明です。
この矛盾を無くすためには拡張という考え方が必要です。
それについてはまたTORMの別記事で書こうと思います。
また、同じ言葉に2つ以上の定義がある時があります。
「0^0」なんか可愛いですね。
^は累乗を表しますので、この数式は「ゼロのゼロ乗」のことです。
まあ控えめにいって意味不明ですね。
実はこれ、場合によって0^0=1とするときと、
0^0=0とする時があります。
なぜそんなことをするのかと言うと、都合よくするためです。
1になってくれたら嬉しい時もあれば、0になってくれたら嬉しい時もあるのです。
なので時と場合によって使い分けます。
今回の記事だけの考え方だと、大学の数学になったときに通用しなくなります。
あくまで私は浅い領域で記事を書いているため、深いところまでいくと正直よくわからないです。
なのでもし、この記事を読んでくださって、数学に興味がわいてくださったら、ちゃんとした本で勉強してください。
そこには、あなたの知らない奥深く美しい数学の世界が広がっていることでしょう。
もし、フィールズ賞(数学界のノーベル賞的なやつ)をとったら、TORMのブログが私が数学に興味を持ったきっかけですって言ってくれると嬉しいです。
それでは
ありがとうございました*ᴗ ᴗ)
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