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【ドラッカーの“ユーモアの効いた笑える名言”に学ぶ。】 社内会議は大胆に無くしなさい

ドラッカーは強めのジョーク混じりに、本質的課題をわかりやすく提示してくれる。

ドラッカーの著作の中から “ユーモアがあってクスリと笑えて、役にもたつ言葉” をピックアップして紹介する。

今日のドラッカー“笑える名言”

小学一年の算数の教科書は「溝を掘るのに2人で2日かかりました。4人だったら幾日かかりますか」と聞いている。
一年生にとっての正解は1日である。
現実の世界ではおそらく正解は4日である。


ドラッカーを読んでいると、もう半世紀以上前の著作なのに、人類の課題感はなーんにも変わっていないんだなとつくづく思う。

この言葉はドラッカーが『時間の使い方』について整理した文章からのピックアップだ。
ドラッカーは「時間は何より大切だ」と伝えている。他のものは買えたり交換できたりするが、時間にはそれができない、と。

それにしても「こんな皮肉な言い方」はないよなと思う。
「人を2倍あてたら、時間が2倍かかってしまう」というのは極端ではあるかもしれないが、注意すべきこととしては耳が痛い。

ドラッカーは特に“社内会議の多さ”を繰り返し非難している。
「理想的に設計された組織とは会議のない組織である」とも説いている。
まさか、マーケティングの神様ドラッカーが著作のあちこちでこんなにも『社内会議問題』に憂いているとは思わなかった。

この今日の言葉も、
2人に穴を掘らせていたら、最低限の事だけ打ち合わせて役割分担し黙々と作業を進めるが、
これを4人で穴を掘らせると、「まず会議を開いて、そのための資料を誰かがまとめてきて意識共有という名の読み合わせ会をして、資料に対する指摘をしたり、毎日朝と夜に中間進捗会議を開きはじめたりする」という皮肉だ。

ドラッカーは著作で「社内会議の無くし方」まで丁寧にページを割いてアドバイスしてくれている。社内会議の時間を無くせたら、そのぶん何に時間を使うべきかまで。「そんな細かいことまで…」と内心思ってしまうが、実は経営の根本に関わる問題だからこそわざわざ整理しているのであって、これを“細かいこと”と思う神経こそが社内会議運用を甘く見ているあらわれなのだろう。

ドラッカーはいう、
「その会議がなくなったとしたら、何を失う?」と毎回胸に手を当てて自問しろ、と。
そして、失うものが大きくない限りは大胆に社内会議は削り、必要なことへ時間を回せ、と。

その重要性と危機感をわかりやすく伝えるために、ドラッカーはユーモアたっぷりに、冒頭の言葉で導いてみせるのである。

しかしそれにしても、50年以上も前からこれほどドラッカーに注意されているのに、現代日本でもまだ“ムダな社内会議に埋め尽くされている会社がたくさん残っている”のは、悲しき事実である。

(おわり)
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