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やっぱり私は中高一貫校推し

 2019年になった今も、東日本大震災の
被災地に夏休み等を使って、ボランティア
活動を続けている中高一貫校が結構な数ある。

「忘れない」ってことと「復興途中」って
ことで「ずっと続けていこう」って精神は
素晴らしいなって、その報告文などを
目にするにつけ、感嘆している。

その出来事の一例を紹介してみたい。

この夏も大阪女学院では、宿泊させて頂いた
施設を出発する際に、当然、掃除をして
帰るのだが、その時の全員の共通目標が
「来る前より綺麗に」って事だったそうだ。

多分、毎年、そうで、どこに出向いても
その気持ちでいるんだと思う。

「相手の身になって考える」ってことを
実践したら、どう行動することが正しい
のかということを骨の髄に叩き込んでいる
学校だと思うが、こういう学校は女子校に
多いなぁって思っている。

これって、家庭内の「躾」であることは
当然だが、更に集団で「善なる行動」を
自然に身に着けさせることは、本当に
教育的意義があることだと考える。

家庭力がなく、且つ、学校も気にしない
方針であると、こうなりやすい。

先日、ある学校さんで生徒さんの
インタビューをさせて頂いた時のことだ。

当然、その生徒さんの時間を奪っている
私が礼を言うべき場面なのだが、別れ際
生徒さんの中で、対応が2派に分れた。

きちんと「ありがとうございました」と
言って去る生徒さんと
特に何も言わずに立ち去る子である。

お礼を言ってくれる生徒さんたちは
椅子をきちんと戻すこともしていた。
何も言わない派は、そのままだ。

お礼を言って欲しいわけではないが
やはり、きちんとした対応を取られる方が
気持ちが良いのは確かだ。

先生に聞いたところ、「家庭力の差」と
いうことだった。

もしかしたら、私が学校に望むことは
こういうことなんじゃないだろうか?と
学校を取材させて頂くたびに思いを深く
しているのだ。

「品格」というものは一朝一夕には身に
つかないものであるが、元を正せば教えて
くれる存在がいなければ、「品格」の意味
するところも分からないまま成長してしまう。

例えば、誰かのお宅に泊まらせて頂く場合や
温泉での入浴マナー。
簡単なことで言えば「ホチキスを取って」と
言われた時に、どう渡すの?ってことだ。

どう振舞うのかを学ぶ機会がなければ
そのまま、恥ずかしい大人になってしまい
その時は、もう誰も注意してはくれない。

ただ「非常識」というレッテルが貼られる
だけだ。

最近は女子校でも「ナプキンの捨て方」を
教えないと、とんでもない生徒が出てくる
と聞くことが増えたので、色んな意味で
家庭力が落ちているんだなぁって思う。

まあ、こんなことは本来「家庭で」って
ことなんだろうが、現実問題、ご近所さん
への、朝の挨拶ひとつとっても、
どれだけの家庭が躾できているのかは
甚だ疑問だ。

特に思春期の子育ては難しいので
勉強、部活、躾、品性、あらゆる意味で
「集団力」に勝るものはないと思っている。

このNoteで紹介したが、実践女子(下記参照)
で私が偶然、目にした光景も「らしさ全開」で
本当に感じ入ってしまった。
(↓ この部分)

私はある班に話を聞こうとして
近寄ったんだな。
それで、シンクの所に立ったわけ。
そしたらね、一番、流し寄りにいた子が、
本当に自然な動作で、さり気なく、私のいる
流し周りをサッと台布巾で拭いたのよ。
私が万が一にも濡れないようにしてくれたん
だけど、そのほんの数秒の出来事がね、
すごく心に沁みた。

多様性だの国際力だの、グローバルエリート
だの、ICT教育だのという言葉が咲き乱れる
中高一貫校の流行であるが、私はもっと

私学は私学として、己の「原点」に立ち
戻った方が良いのでは?と思っている。

時流に流され過ぎて、自校の良さを
見失っている学校が多過ぎるのだ。

特に女子校が共学人気の煽りを受け
四苦八苦しているということは承知だ。

しかし、どんなに世の中がジェンダーレス
になったとしても、男性と女性は違う生命体
であるということと

男性・女性の区別なく、教育というものが
何を意味しているのかということの
根源的なものに触れていけば、それは
「どう生きる?」に繋がっていくことだ。

多分、すべての宗教の教えが「生きている
のではなく、生かされている」ということに
帰結されるのではないか?と思っている。

色んな学校の学校長の話を直接伺う好機に
恵まれている私が、各校長先生の共通した
お考えを反芻するに「多分、こうなのでは?」
と思っている答えがある。

それは、あらゆることへの「感謝」。

理念ありきの上に、この「感謝」という
恵みを6年間に渡って、考えさせ、行動
させ、各自に植え付けさせようと
種を蒔いているんだなぁと
生徒さん達を羨ましく思うことが多い。

これを得られた人は、多分、生涯、幸せ
だと思う。

こういう観点でも、中高一貫校選びが
広がるといいなぁって願っている。

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