[モダン]ネオブランドの免許を取ろう(後編)

ご挨拶

どうも、トリニキです。
この記事は【ネオブランド】のデッキ紹介、後編です。
前編では【ネオブランド】を知らない方向けに、デッキストや動きについてご紹介しました。

今回はより具体的に、【ネオブランド】を使おうとする方々に向けて、使う際に注意しないといけない点と、私が実際に使っているトリ式に改良した【ネオブランド】について紹介していこうと思います。

(2022.05.25) 最後の部分に、サイドアウト候補の話を追加しました。
お試しに有料化したので、もし「ネオブランドの記事、面白かったからこいつにならお布施でも出してやるか」という方がいたら、ちょっと内容増えたな程度にご覧ください。

ネオブランドを使う際の注意点

【ネオブランド】はアクセルベタ踏みの高速コンボデッキです。
そのため一つでも動きを間違えると致命傷になることが多々あります。
ここでは使う際の注意点として、それぞれの場合で私が気にしていることを挙げていきます。

<絡み森の大長>を公開するか否か
<絡み森の大長>は、<神聖の力線>や<宝石の洞窟>と同じ、ゲーム開始時に手札から公開することでその能力を発揮します。
そんな初手の<絡み森の大長>は必ず公開するのか、というとNOです。
デッキが相手にバレていない1ゲーム目に<絡み森の大長>を公開すると、「私はネオブランドです」と自己紹介することになります。
そうすると相手は打ち消しを構えたり、ハンデスから入るため、想定した動きができない可能性があります。
「手札にコンボカードがすべて揃っている」場合以外では、1ゲーム目での公開はおすすめできません。
ただし「後手で、デッキトップが土地(or緑のカード)ならコンボに入れる」場合や、こちらのデッキが知られている2ゲーム以降は、ガンガン公開して相手にプレッシャーを与えていきます。

<アロサウルス乗り>で追放するカードの優先順位
主に余った<新生化>や<異界の進化>を追放します。
<絡み森の大長>や余った<アロサウルス乗り>は、<土着のワーム>が引けず<滋養の群れ>のみを引いた際に7点回復=<グリセルブランド>起動1回分に充てることができるので、残せるなら1枚残します。

<マナの合流点>と<真鍮の都>
どちらも同じく「1点払って好きな色1マナを出す」土地ですが、挙動は大きく異なります。
<マナの合流点>はマナを出すコストに1点支払うのに対し、<真鍮の都>はマナを出すためにタップした際に1点ダメージを受けるスタックが乗ります。
つまり、1点ダメージのスタックを解決するまでソーサリーである<新生化>を唱えることができず、その間に<稲妻>で<アロサウルス乗り>を除去される可能性があります。
<真鍮の都>を使う場合は、<アロサウルス乗り>を唱える前にマナを出しておきましょう。
MOではスタックが発生するため分かりやすいですが、リアルでやると忘れがちなのでご注意を。
(2022.05.22) 指摘いただいたので訂正します。
<新生化>のキャストに際し<真鍮の都>を寝かせてマナを支払うことを宣言すると、<アロサウルス乗り>が生贄にされ、<新生化>がスタックに乗った後で<真鍮の都>の誘発がスタックに乗ります。
<新生化>を唱える前に<真鍮の都>を寝かせると、その時点で誘発が発生するため前述のように除去を当てる隙が生まれます。
そのため<新生化>を唱える際は、土地を寝かせる前にキャストの宣言をするように意識しましょう。
マジックムズカシイネ

ドローするか、止めるか
「ライフがギリギリになるけど<滋養の群れ>を求めて7点支払うのか」に悩むことがあります。
特に<召喚士の契約>を使っていない場合、【バーン】や【エルドラージトロン】のような、<グリセルブランド>が除去されずにターンが返ってくる可能性の高い相手にはドローをせずに済ますことも多いです。
起動のスタックに本体火力を打たれて負け、といった裏目がある場合も、生き残るためにドローしないことを選択します。
忘れてはいけないのは、<グリセルブランド>は相手によって十分に脅威になることと、絆魂を持つため戦闘するとドロー枚数が増やせることです。

<召喚士の契約>の使いどころ
「7点払って7枚ドローしたけど、<滋養の群れ>がないから<召喚士の契約>でデッキを1枚でも減らして確率をあげよう」という話。
この発想は正しく私も良く行いますが、<滋養の群れ>を引けなくても負けない場面では唱えません。
・始動に<召喚士の契約>を使っていない
・<召喚士の契約>始動だけど、土地が4枚あるため契約コストは払える
このような場合、<召喚士の契約>を唱えると確実に<滋養の群れ>を引かなければいけなくなり、かえって自分の首を絞めることになります。
もちろん、そもそも<滋養の群れ>を引けないと次のターンには負ける、という場合には全力で<召喚士の契約>を唱えて減らしていきましょう。

トリ式・ネオブランド(LO型)

ここまでは一般的な【ネオブランド】の話をしてきました。
そんな私はどうかというと、一般的とは言いづらい構成を使用しています。
ここからはそんな禍々しさ溢れる、トリ式のネオブランドについて紹介します。

チームモダンで使用して下振れしまくった結果、2-3したものです。
負け犬の遠吠えですね。

メインボード

LO型ネオブランド

・勝ち方は<タッサの神託者>
<研究室の偏執狂>と異なり2マナで勝つことができるため<タッサの神託者>になりました。
・<モックス・アンバー> 1枚のみ、<バネ葉の太鼓>不採用
勝つには青青が必要ですが、<夏の帳>や<否定の契約>を入れたかったので勝ち手段となるマナソースを削りました。
そのため、このデッキは1ターン目に勝つことが不可能な構成になっています。
青青の生成手段は、土地+<モックス・アンバー>+<魔力変>です。
<モックス・アンバー>1枚は、2t目に3マナ(<天使の嗜み>+<タッサの神託者>)を捻出するために採用しています。
・<天使の嗜み>の採用
1ターン目の<召喚士の契約>始動を可能にするために採用しています。
契約支払い誘発にスタックして唱えることで、契約を踏み倒します。
また<グリセルブランド>でデッキを引き切る前に唱えることで、0枚以下になっても負けず安心して<タッサの神託者>に繋げられます。
・<野生の朗詠者>の採用
メインでは<変わり樹の共生>2枚から<新生化>を唱えるためのマナフィルターや2t目<異界の進化>のためのマナ生物として、サイド後は<召喚士の契約>から取ってこれる1マナ生物として採用しています。
・メインに<夏の帳> 4枚、<否定の契約> 4枚
「メインに入れたかった」というよりは「サイドの枠が足りないからメインに捻じ込んだ」が正しいです。
実際<夏の帳>はメインに入れていても強いことが少ないため、サイドにしたいですね。

サイドボード

トリ式の禍々しさの象徴

【タイタン独創力】で触れました、サイドボードには
・相手の行動を”対策する”
・相手の対策を”打ち砕く”
・相手の対策を”無力化する”
の3つの役割があると考えています。
アクセルベタ踏みの【ネオブランド】では、相手の対策の上から押しつぶす必要があるため、後ろ2つに特化したものになっています。

【ネオブランド】への主な対策は
・ハンデス:<思考囲い><コジレックの審問>
・マナがかからない打ち消し:<否定の力><呪文貫き><狼狽の嵐>
・戦場に出すことを防ぐ:<墓堀りの檻>
になっています、そのうえで以下ご覧ください。

・<神聖の力線> 4枚:相手の対策を”打ち砕く”
定番のハンデス対策です。
黒相手にはパーツが揃っていても<神聖の力線>が無いならマリガンします。

・<自然の要求> 2枚:相手の対策を”打ち砕く”
<墓堀りの檻>や<真髄の針>に対処するために入れます。
ごく稀に自分の<神聖の力線>を割って4点ゲインに使います。

・ドルイドコンボギミック 9枚:相手の対策を”無力化する”
トリ式の殻、所謂アグレッシブサイドボーディングです。
【ネオブランド】への対策となる打ち消しは「クリーチャーではない呪文」を対象にするものが多いため、生物コンボであるドルイドコンボはすり抜けます。
また<グリセルブランド>に対して無力な<致命的な一押し>や<邪悪な熱気>はすべてサイドアウトされているため、<献身のドルイド>が生き残りやすいです。
<療治の侍臣>は素キャストの他、<破滅の終焉>X=2、<野生の朗詠者>を対象にした<新生化>で出すことができます。
無限マナ後は<療治の侍臣>を<新生化>して<背教の主導者、エズーリ>を出し、起動型能力で<献身のドルイド>を無限パンプしてワンパンします。
<絡み森の大長>や<土着のワーム>を素キャストして殴り勝ったり、<変わり樹の共生>から<グリセルブランド>を出したり滅茶苦茶できます。
また、<滋養の群れ>をX=無限で唱えて無限ライフにすることで、相手を投了に追い込むことや<グリセルブランド>でデッキ全ドローに繋げることもできます。

トリ式・ネオブランド(ドレイン型)

思ったより書くことが少なかったのと、執筆中にtop8に残ってリスト載せることができたので、ついでにドレイン型もご紹介。
(サイドボードの思想はほぼ変わらないため、メインボードのみ)

中間振れくらいで、3-1-1の6位抜けから1没しました。
なかなか上振れないな…。

メインボード

ドレイン型ネオブランド、またの名を魂型ネオブランド

・勝ち方は<魂の撃ち込み> + <投げ飛ばし>
<魂の撃ち込み>は4点ドレインのため、<忍耐>でデッキに戻して5回唱えるか、4回と<グリセルブランド>を生贄に<投げ飛ばし>を唱えて勝利します。
他と違いマナを使わない都合、相手がアクションを起こすまでは<グリセルブランド>の起動型能力を使わずにおくこともできます。
その場合は殴り切ることや、<魂の撃ち込み>を3回以下唱えて勝つこともできます。
・黒いカードは13枚
従来の<魂の撃ち込み>型は、ライフゲインを考慮して6回唱えられるように黒いカードを15枚採用しますが、枠を空けるため、5回+<投げ飛ばし>による13枚+<投げ飛ばし>の14枚採用に減らしています。
相手によっては4回+<投げ飛ばし>で良い場合もあり、サイド後に2枚ほど減らすこともあります。
黒いカードの内訳はテキトーですが、なるべく盤面に触りやすいものを採用しています。黒のみのカードは、<魂の撃ち込み>以外は緑の枚数が減るため2枚(<否定の契約>と合わせて非緑のカードを合計4枚)が目安だと思います。
・<忍耐> 1枚
本当はサイドと合わせて2枚取りたいですが、サイドに<野生の朗詠者>の枠を作りたいためメインのみ。
普通に3マナで唱えて<ドラゴンの怒りの媒介者>を止め、<異界の進化>のコストになり、想起コストで唱えて<投げ飛ばし>たりもできる便利屋さん。

終わりに

如何でしたでしょうか。

トリ式・ネオブランドということで、【ネオブランド】を使う際の注意点と私の使っているデッキの紹介でした。
もともとLO型のみ紹介するつもりでしたが、記事執筆にあたりドレイン型も使ってみようと思い組んで見た結果、デッキを載せることができたためこちらも紹介してみました。
本当は戦闘型も組んでいましたが、試合前の一人回しで微妙と感じたので見送っています。もう少し良い形にできたら大会に持っていきたいです。

同じアーキタイプでも中身は様々であり、それぞれに長所と短所、できることとできないことがあるのは回していて非常に面白いです。
これだからマジックは楽しいですね。

それでは、また別の記事でお会いできればと思います。
長い文章、読んでいただきありがとうございました。

それでは。

追記:サイドアウト候補の話

(2022.05.25) この記事を挙げた後、「サイドアウト候補について書くのはどうか?」という指摘をいただいたので、よく使うLO型のサイドアウト候補について追記しておこうと思います。
といってもそこまで情報はなく、合わせて「有料化してみてもいいのでは?」という意見もいただいたので、以下は有料の設定でおいておきます。
「ネオブランドの記事、面白かったからこいつにならお布施でも出してやるか」という方は、ちょっと内容増えたな程度にご覧ください。

ここから先は

2,008字

¥ 100

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?