納税資金とは

第3弾は、通常の運転資金から離れて、「納税資金」の資金調達の話です。

3月決算の企業の場合、5月、11月(延納を申請すると6月、12月)に納税を行います。本来、納税は事業により得られた資金を蓄積して半年に1回、支払を行うのが理想です。このため、6か月に1回、大きな出費が起こるので、ちょっとずつ資金を蓄積しなければなりません。資金にゆとりのある会社の場合は、ちょっとずつ溜めておけばいいんですが、資金効率の観点では、非効率な運用になります。そうは言っても、税金は毎月少しずつ納めるわけにもいきません。

そこで、金融機関に「納税資金」として融資を申し込むという資金調達が一般的に広く行われています。税務署の都合で毎月少しずつ支払うことができないのなら、金融機関から納税相当額の融資を受けて、6か月の均等返済で返済をしていけば、6か月に1度の大きなキャッシュアウトを各月に分散することができ、資金繰りを平準化し、資金効率を改善することができます。

事業計画などを立てるときには、ざっくり(細かい税金の計算は割愛します)税引前当期利益の30〜40%程度を税金と考えますので、300の税引前利益利益が出る会社の場合、年間で90〜120の納税が発生します。年間120の納税が必要な場合、1回の納税で必要な税金は60なので、60の納税資金を金融機関から調達し、毎月10ずつ返済していけば、毎月のキャッシュアウトは10へ平準化されますね。

同じように6か月に一度のキャッシュアウトを要するものとして賞与があります。賞与資金も同じ理屈で6か月の均等返済で金融機関から調達をすることが慣例化している調達方法です。納税や賞与は決算の状況によって決算後に発生することから、「決算賞与資金」(略して決賞資金)と言われています。

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