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【高校情報Ⅰ】構成要素と論理演算(コンピュータの仕組み)動画解説

引用文献

文部科学省提供 高等学校情報Ⅰ
教員研修用教材の第3章コンピュータとプログラミング
学習11 コンピュータの仕組み(構成要素・論理演算)に完全対応

基本的には教員研修用教材に忠実に動画解説する予定でしたが、
論理演算部分が、初学者にはかなり敷居が高い内容となっていたので、
基本情報技術者試験の入門書レベルの内容を独自に追加したうえで、
教員研修用教材の内容と紐づけています。


学習11の計算誤差についてはPythonプログラミング知識が必要になるため、次回動画で切り出して説明する予定です。

■■動画解説■■


■文字おこし■

今日は、コンピュータの仕組みの内、構成要素と論理演算について学んでいこう。
まずは、コンピュータの構成要素について説明するね。


たとえば、何か分からないことを検索したいときどんな装置が使われるか考えてみよう。

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そうだね。まずはキーボードやタブレットを使って調べたいキーワードを検索欄に入れるよね。そうして、検索ボタンをマウスでクリックするかな。

そうだね、その後その入力した情報はパソコン本体に送られて、パソコンの画面つまりディスプレイに検索結果が表示されるよね。

このキーボードやタブレット、マウスのような、入力する装置を、「入力装置」という

そしてパソコンを通して、情報を出力して自分たちに見せてくれる装置を出力装置という。

ディスプレイだけじゃなくて、プリンターも紙に印刷してくれるから出力装置の一つだね。

じゃあ、今度は入力したデータがどのような流れで出力装置に表示されるかのパソコン内部の流れを詳しく見ていこう。

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入力装置で入力されたデータは、記憶装置に送られる。
記憶装置は動作に必要な情報を保持したりファイルとして保存したりするものなんだ。

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 記憶装置は主記憶装置と補助記憶装置に分けられる。主記憶装置は動作するために必要なプログラムやデータを一時的に記憶する装置でコンピュータの電源を切ると、その内容は消えてしまうんだ。例としてメモリってのが主記憶装置にあたる。

補助記憶装置はプログラムやデータを長期にわたって保存できるけど、主記憶装置に比べて処理が遅い。代表的な例としてハードディスクがある。

主記憶装置のデータは制御装置や演算装置に送られる。
制御装置は入力装置や出力装置を含め,すべてを制御する指揮者みたいな役割をするんだ。演算装置は、命令に従って演算を行って結果を記憶装置に返す。

この制御装置と演算装置を合わせてCPUっていうんだ。CPUは人の頭脳に例えられることが多く、複数のCPUを持つ装置も多い
パソコンにこんなシール貼られているの見たことない?

あっ!インテルっていうやつだね。
CMでインテルが入ってるってダジャレ聞いたことあるよ。

世界的に有名なCPUメーカなんだけど、年を追うごとにどんどん性能がアップしている。

CPU の動作速度が速いほど,1動作あたりに実行する命令や処理するデータが多くなって、性能の良いCPU となるんだ。

さっき、主記憶装置のメモリについて説明したけど、CPUにとっての作業場所がメモリなんだ。
メモリの単位はなんとがギガバイトって使われるけど、この数値が大きいほど作業場所が広いイメージなんだ。
特に複数の仕事を同時に進行する場合は広くする必要がある。
 ここがせまいと,コンピュータ全体の処理速度が落ちる

そして、もしメモリが足りない場合は,あふれたデータを補助記憶装置のハードディスクに保存するため,ハードディスクとのデータのやり取りにほとんどの時間がとられ,いくらCPUが高速でも実行速度は上がらない。

最近では,ハードディスクのかわりにデータの読み書きの速度が速いSSDというのが
(Solid State Drive)普及し始めていて、コンピュータの実質的な動作速度を上げることも可能なんだ。

――


じゃあ今度は演算装置について詳しく見ていこう。
その前に、ミライのクラスってスマホ持っている人どれくらいいる?

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う~ん、クラス30人中25人くらいかな・・

じゃあ、こんな図覚えている。

あっ!中学の数学で習ったやつ。なんだっけ?

これはベン図というやつなんだ。集合(グループ)同士の関係を図として視覚的に表したものなんだ。

たとえばスマホを持っている人の集合A  パソコンを持っている人の集合B
そしてAとBが重なるところはスマホもパソコンも両方持っている人
AにもBにも属さないものはスマホもパソコンも持っていないの集合

ベン図を使うと、視覚的にグループが分かりやすくなるね。

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コンピュータの演算は0か1だけで表現される2進数を扱う。
今から説明する、論理演算は1を真(True)、0を偽(False)とみなして1と0の二つだけで行う演算のことなんだ。
真は その条件が成立していることをしめす 

偽は その条件が成立しないことをしめす

この真偽値を用いた演算はAND、OR、NOTの3種類あるんだ。

それぞれについて説明するね

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まず、ANDは論理積といってどちらの条件も満たすってことなんだ。
これをベン図であらわすと、AとBとが重なっている部分になる。
このベン図に対応する表として、真理値表ってのがある。
ただ、この対応づけにつまづく人が多いから、情報と数学の試験の例で説明するね。

集合Aを情報の試験に合格した人の集合、集合Bを数学の試験に合格した人の集合とする。

ANDのベン図で表現すると、情報も数学も両方合格した人の集合はこの二つの円が重なり合っている部分になる。

これを合格を〇 不合格を×の表に表してみよう
情報も数学も両方不合格は不合格
情報は合格だけど、数学は不合格なので不合格
情報は不合格、数学は合格のパターンは不合格
情報も合格、数学も合格のパターンは合格
 これをまるを1、ばつを0とすると、論理積の真理値表が出来上がる。11の時だけ1であとは全部ゼロ。

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ORは論理和といって、どちらかを含むの条件に当てはまれば真となる。
これをベン図であらわすと、AまたはBどちらかに属していればよい。

さっきの情報と数学の試験の場合は
情報か数学どちらかの試験に合格していれば合格となる。

これも合格を〇 不合格を×の表に表してみよう
情報も数学も両方不合格は不合格
情報は合格、数学は不合格 の場合はどちらか合格でいいので合格となる 
情報は不合格、数学は合格のパターンもどちらか合格でいいので合格となる。
情報も合格、数学も合格のパターンは合格
 これをまるを1、ばつを0とすると、論理和の真理値表が出来上がる。00の時だけ0であとは全部1となる。

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次にNOTは否定をあらわす。
たとえばAの集合があって NOT A とすると
Aではない部分が真となる。

真理値表は簡単で
1だったら0、0だったら1と1と0がひっくり返る

 

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これはまずは AandBのベン図を描く
そして、色の部分も反転してあげる これはANDの否定系でNOT AND を略して
NAND(ナンド)というんだ。

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これは A or B のベン図を書く
そして、色の部分を反転してあげる これは ORの否定形で NOT OR を略して
NOR(ノア)というんだ

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これは、いきなりベン図は難しいから
真理値表から書いていこう

1 0 → 1
0 1 → 1
1 1 → 0
0 0 → 0
これは OR の真理値表の差分は 1 1 の部分つまり二つを満たす場合のバターンが0になっている。
なので ORのベン図から AとBを満たすもの色を取ってあげよう
これを排他的論理和っていって A XOR B と表現されるんだ。

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論理演算を行う回路のことを論理回路というだけど、
このAND、OR、NOTで基本的にどんな計算でも表すことができるんだ。

論理回路の回路図に使用する記号にMIL記号っていうのがある。
たとえば
論理積 ANDの場合はこんな形
例えば入力Aに1 Bに0を渡すとさっきのANDの真理値表より0が出力される

論理和 ORの場合はこんな形
例えば入力Aに1 Bに0を渡すとさっきのORの真理値表より1が出力される


否定 NOTは入力と出力は一対一
1を渡すと反転した0が返却される。

ちなみに、論理演算は論理式という式で表すこともできるんだ。
入力をA、B 出力をYとすると
論理積は A・B = Y   ・(ナカグロ)
論理和は A+B = Y
否定は値の上に マクロンと言われる上ハイフンをつける
Aの否定は Yとなる

じゃあ、これを使って、二進数の足し算を考えてみよう
0+0 =0
0 +1 =1
1 +0 =1
ここまではさっきのORであらわされるよね。
ただ、1 + 1 は二進数の場合は 10 と1繰り上がる
これはORだけであらわすのはできないよね。

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 A + B = CF というふうにCは繰り上がりFは1桁目の数として論理回路であらわすとこんな図になる

これは、半加算器という名前で、二進数1けたの足し算をする論理回路なんだ。

じゃあさっきの二進数の1+1を計算するために Aに1 Bに1をいれて確認してみようまず上の論理積は、1と1が入力になるから出力は1となる。よって値Cは1ということになるそのまま次のNOTを見ていこう。入力はCの1だから否定で出力のE
は0になる次の Fを求めるためには、左下にある論理回路ORの演算が必要になる。 Aは1、Bは1だから、論理和をとって出力Dは1となるDとEの論理積をとって出力は0となる。なので 答えはCFだから10となる。

論理演算は、初めはややこしく感じると思うけど、ベースはAND、OR、NOTの3つだから今回の基礎をしっかり押さえておこう。



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