大学入学共通テスト「情報」のサンプル問題(第1問)を解いたら全問正解だったので、思考プロセスを解説します。
はじめに
2021年3月24日に大学入試センターが2025年から行われる大学入学共通テストで、「情報」を新設すると発表しています。
Yahooトップニュースでも取り扱われています。
同時にサンプル問題も公開されているので、前回の試作問題同様に「動画」で解説していきます。
大学入試センター 情報試作問題ダウンロード
https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/shiken_jouhou/r7ikou.html
取り急ぎ第1問解いてみたところ、満点でしたのでどのように解けばいいのかの思考プロセスもあわせて解説できればと思っています。
現時点で教科書はありませんが、情報科の先生が事前に勉強している、教員研修用教材の内容も紐づけながら解説したいと思います。
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■■動画解説■■
■■解説文字おこし■■
まずは、以下の長文を軽く読んでいきましょう。
これは大規模震災時の緊急事態における通信確保の在り方についての報告内容の抜粋版でそこからその文書をもとに、会話形式で問題が出題されています。
ここで空欄が出てきましたので、ア イの部分を確認していきましょう。
ここで重要になってくる用語は、問題本文にある、回線交換方式になります。
「回線交換 (Circuit switching) 」とは、通信開始から終了まで、物理的または仮想的な伝送路を設定し、回線を占有して行う通信の交換方式になります。(wikiより)
それに対比してデータ通信のインターネットはどうか ということが問われています。
選択肢があるので一つ一つ確認していきましょう。
→使いたいときに リアルタイムで使えることのメリットが話題なので、機器の予約は少し観点が違うので不正解となります。(消去法)
パケットは大きなデータも小分けにして送れるというメリットがあるので、上記の様に一気に送ると他の通信が阻害される可能性があるので、不正解となります。
通信は、TCPという 送りたいデータが欠落した場合、再度データを送る仕組み(プロトコル)が用意されています。ですので正解
ちなみにTCPと一緒によく使われることばにUDPというものがあり、これは相手側の到着確認せずにデータが欠落しても良いときに使うプロトコルもあります。到着確認しない分だけ、通信負荷が軽減されます。
回線交換方式が「占有」だったのに対し、インターネットは「共有」なので上記の通り、送信元や宛先の異なるパケットを混在させて送出できます。なので正解
③と食い違う内容ですが、共用することが文脈から合うので不正解。VPN(バーチャルプライベートネットワーク)という技術を利用して、通信事業者と契約をして、回線を占有して使うことも可能です。
では次の ウ について見ていきましょう。
情報格差については、教員研修用教材(第一章 P41)では以下の内容で取り上げられています。
キーワードは年齢ですが、おじいちゃんおばあちゃんでスマホを使いこなしている人って少ないですよね。
ということで、 ③の世代の違い ということが 一般常識から解答可能です。
クラウドサービスが各自治体で導入されてきた理由が問われいます。
クラウドが普及する前は、自社内でサーバを持って各社でメンテする、オンプレミスというのが主流でした。
地震などで、その自社ビルが倒壊したらデータが無くなってしまう可能性があります。
クラウドは雲という意味ですが、実際にお空の上にあるわけではなく、データセンタというところにデータが集約されています。
震災に強い建物であることはもちろんですが、リージョンと呼ばれる複数地域でデータの複製をもったり、震災時に処理を別リージョンに切り替えたりして震災時も使えるというのに優れています。
参考としてOracle社のOracleクラウドは以下の様に世界中にリージョンが用意されています。
ということで選択肢を順番に見ていきましょう。
→オンプレミスの話なのでクラウドではない。
→クラウドはその業者が機器のメンテを行いますので不正解
→クラウド上のデータに行き着くまでのインターネット接続サービス(通信経路)の話で観点が違うので不正解
→クラウド業者がデータセンタ等に機器を用意してくれるので、利用者としては機器設置は不要なので正解
クラス全員の母集団があって、バス、電車、自転車のグループ分けするということですが、どれも使っていない、バスと電車など併用する人もいると考えると、ベン図が適しています。
よって正解は以下
これは、頭文字をとってPDCAサイクルと言います。
1 計画(Plan) 動画の作りの計画をする
2 行動(Do) 実際に作ってみる
3 評価(Check) 作ったものを評価してみる
4 改善(Action) さらによくするためにはどうするか で1に戻る と
グルグル回るプロセスなので ⑤が正解となります。
重さ×価格の2次元マトリクスでそれぞれについて比較検討していきます。マトリクス分析で用いる図です。
※情報のテキストでは「座標軸」という名前で紹介されています。
よって、以下が正解
コンピュータで画像を処理するには、最終的に0と1の二進数に変換する必要がある。
2枚目の図は 16画素(4X4)でそれぞれに8種類(階調)の色に分類している。
3枚目の写真は、その8種類の色を0から7までの10進数に置き換えている。
4枚目は、コンピュータに読み込める2進数に変換している。
ということを前提にして、ク の選択肢を見ていきます。
→手順2のアウトプットで整数値になっているのでこれが正解
→手順1の説明
→手順3の説明
→二値化の話 グレーが入っているのでどこにも当てはまらない
これは知らないと解けない問題です。
色を段階調の整数値に置き換える処理 →①の量子化 になります。
符号化→整数値を2進数にする 手順3
標本化→サンプリングとも言い アナログ情報をデジタル情報に変換するときに 一定間隔で区切ること。(その後に量子化を行う)
二値化→明度のしきい値を決めて黒と白2つのみにする。
コ の部分を見ていきましょう。
デジタル化のメリットです。
→複製が容易であり、デジタル信号なので劣化しない ので正解
→拡大したらギザギザがでます
→たとえば 音楽保存形式のMP3は 人間の耳に聞こえない音をカットして容量を小さくしているので、元に戻せないものもある。
→デジタル媒体も著作権法で保護されているので、著作権は気にする必要があります。
本文はいる前に、IPアドレスのネットワーク部とホスト部について簡単に説明します。
※説明で「XX進数」と「XX進法」という言葉が入り混じっていますが、
一旦同じものとして解釈してください。(今後統一していきます)
ホスト部として1~254までの254台 というところがキーワード
ホスト部の話をしているから、ホスト部は全部で8ビット(2進数で8桁)なのでサは8となる。
シス で ネットワーク部の桁数を聞かれている。
ヒントは65,534台 ネットワーク内に接続可能ということ
256×256ー2 なので 10進数の256は 2進数で8ビット
8ビットで256種類表すことができるので さらに8ビット 桁をぷらすすれば、65536通りあらわされる。
つまり ホスト部は16桁必要となる。
IPアドレス(2進数)で全部で 8×4=32桁だから
ネットワーク部の桁数=32桁ーホスト部の桁数(16桁) =16 が答えとなる。
どこまで一致するかを確認するために10進数を2進数に直す必要がある。
172.16までは共通なのでわざわざ直す必要はない。二進数に変換すると8ビットずつ計16ビットを後からプラスすることを忘れなければよい。
ちなみに汚くて申し訳ないですが、こんな風に地道に2で割って計算しています。(受験はスピード勝負なので間違えない程度に汚いです)
上図の赤い部分 上二桁まで一致しているので、16+2で18ビットということになる。
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