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マーケット・メーカーって誰ぞ?

マーケットメーカーとは、市場参加者の中でも市場に流動性を提供し、金融市場がスムーズに機能することを目的に、特定の資産を大量に売買する市場参加者のことです。一般的には投資銀行などの機関投資家がマーケットメーカーになります。

ほとんどの外国為替取引会社はマーケットメーカーであり、多くの銀行もそうです。マーケットメーカーは、顧客(我々トレーダー)からの買い注文に対し売りを提供し(供給)、我々の売りに対して買いを提供(需要)します。これにより、市場に流動性を提供し、取引コストを削減し、取引を促進させることができます。
我々が好きな時に好きなだけ売買ができるのは、マーケットメーカが常に取引の仲介をしているからです。FXは相対(あいたい)取引と言われていますが、実際はマーケットメーカが間に入って足りない流動性を提供することで成り立っています。

マーケットメーカの考えを理解することは、FX市場を理解する上で非常に大事です。なぜなら、我々個人トレーダーからしたら「対戦相手」そのものだからです。

個人トレーダーvsマーケットメーカ

マーケットメーカーを打ち負かすには(実際は負かすことはできませんが)、彼らの活動の目的を理解する必要があります。マーケットメーカーもトレーダーであり、彼らの目的も我々と同じようにお金を稼ぐことです。

マーケットメーカーと個人トレーダーの主な違いは、大量の資金にアクセスできるかどうかです。先ほども言ったように、マーケットメーカは市場に流動性を提供しています。つまり、相場に流れる注文数を増やしたり減らしたりすることで、彼らはある程度価格を動かすことができます。

マーケットメーカーは以下のことをし、相場から利益を生み出します。

1. トレーダーにポジションを取るように誘導する。
これは、さまざまな価格変動を使用して、トレーダーを「だまして」特定の方向にポジションを取り、その後再びそれを逆転させることによって達成されます。以前からFXとゼロサムゲームの重要性についての記事を書いてきましたが、相場で利益を生むためには、まず卓上(市場)にお金がなければいけません。ポーカーで稼ぐためには、強い役を作る事ではなく、強い役ができたときに、自分より弱そうなプレーヤーにレイズさせ、賭け金を増やすことで勝つことができるのです。個人投資家のポジションが丸見えで、かつ大量の資金を持っているマーケットメーカからしたら、値動きの予想なんてほとんど意味がなく、それ以上に負けてくれるカモを見つけることの方が重要です。特定の方向にエントリーさせたくなる状況を作り、それを利用するのです。

2. パニックと恐怖を生み出して、トレーダーが感情的なトレードをするように誘導する。
これには多くの場合、以下が含まれます。
⋅急騰急落
⋅スパイクキャンドル
⋅指標発表
⋅「説明できない」値動き

3.ストップを約定させ、板をクリアする。
ストップを約定させられ、強制的にトレードから外されます。多くのトレーダーがストップを置く価格帯は、その逆指値を利用して反対方向の注文を大量に約定させたいマーケットメーカーからしてら、これ以上にない美味しいスポットになります。ストップを置く位置や、損切り方法を工夫することでストップ狩りの被害を軽減しましょう。

まとめ

FXトレーダーとしての目標は、つまるところマーケットメーカーと一緒に取引し、彼らの作り出す波に乗ることです。そのためには負け組大衆トレーダーがどのように考えるのか、なぜ負けるのかについて深く考察をしていく必要があります。トレードの手法は本来、他のカモトレーダーが負けるポイント(つまり彼らの分析が間違えるポイント)に基づいたものでなければなりません。一般的なテクニカル分析が多くの場合失敗する理由がここにあります。

まずは、値動きに一喜一憂するのをやめ、需要と供給の視点を用いながらマーケットメーカーのように考えながらチャートを見るように意識をすると、今までなかった気づきが得られるはずです。

値動きを完全に予知することはできなくても、他のトレーダーのエントリーポイントや損切りポイントであればある程度予測することは可能です。チャートを読む際も、他のトレーダー(カモトレーダー)の視点を考えることで、そいつらに流動性を供給するマーケットメーカーの考えも理解できるようになります。

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