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初学者向けのオフショアビッグゲーム-準備編

(2022.12.26加筆)
どうもこんにちわ。ぼくたちを取り巻く数多の問題について、よりよい未来のために研究し、考察してみます。今回はオフショアの釣りについて、その準備について、です。特に大型肉食魚を狙う釣りが該当します。

0.はじめに

本稿は、以下の釣りものに対応するための準備の参考になることを目的とします。
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◆関東近海
相模湾のキハダマグロ、房総のヒラマサ、ブリ類、ちょっと離れたところで鹿島あたりのクロマグロ、カジキマグロ
◆遠征
沖縄、離島、トカラ、海外のGT、その他
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このあたりについて、です。

ぼく自身こうした釣りを始めてから3年目の初心者、というか年に数回しかやらず、そして釣れないので永遠の初心者の気持ちでして、まだ10kg以上の魚を釣ったことはありません!!でもこの前、ようやく釣れました!!

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ロッド曲がりすぎ

激戦中。まぁまぁへっぴりごしな様から必死さが伝わることでしょう。

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ぶっとい

キハダ。63kgありました。

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死闘後のマグロおじさん

相模湾近辺でのキハダフィッシング、10回に1回釣れれば上出来、と言われたりするようですね。ぼくの場合は11回目でした。釣れるまでが長かったです。

前置きは終わりにして、オフショアのビッグゲームですが、まず、やってみたいとして、どう準備すればいいのかさっぱりわからないのがこの世界かと思います。ぼくもそうでした。
幸い、周囲に経験者が何人か居たため、最初の方向性はなんとなく見えてました。
だがしかし、情報収集を重ねるたびに「これがあった方がいいよ」とか「こうしたほうがいいよ」というアドバイスはそこかしこでキャッチできましたけれど、なぜなのだろう、と疑問に思うこともありました。「こうおっしゃいますけど本当にそうですか?」と。みなさん親切心で教えてくださっているのに、穿った調子で質問するのって気が引けて、実際のところがわからないまま来ていたような気がします。
例えばリーダーはフロロがいい、という方とナイロンじゃなければダメという方が混在しています。そのそれぞれに根拠があるのでしょうけど、その根拠は属人的なものであって、時に真実には近いものの、強弁するようなものではないと思います。なぜですか?と聞きたいけれど感じ悪い返事が来ることが多い気がします。
振り返るとそうした「なぜ?」に明確に答えられないアドバイスや情報もあったように思えますので、本稿は、その「なぜ?」が氷解するように、準備の仕方を中心として初学者の方が理解しやすいよう、初心者が語るものだとご理解ください。

1.タックル総論

まずはロッド、リール、についてざっくり見てみます。

1-1ロッド

巨大肉食魚を狙うので、キャスティングであれば、ガチガチの棒みたいでありつつ、きちんとキャッチできるロッドが必要になります。だいたい6-10万円くらいでしょうか。この価格帯が当たり前の世界です。高い、ていうか怖いですよね。ジギングであれば5万円前後でいいのを買えると思います。

メーカーはダイワ、シマノ、カーペンター、MCワークス、マングローブスタジオ、CBONE、リップルフィッシャー、ソウルズ、ヤマガブランクスあたりが著名なところでしょうか。魚種や釣り方(キャスティングorジギング)に応じてチョイスします。ややこしくなるので、最初にキャスティングから説明します。

細かく言うと、キャスティングの場合、マグロ、ヒラマサ、GTの代表的な3魚種でも、誘い方やかけてからの挙動が違うようで、それぞれに専用竿があります。例えば、マグロは基本向こう合わせ、かけてからは先方が疲れるまで放置、勝手に泳いどけ、な戦法が有効だったりするのでロッドにそれほど強さは求められない気がしますけど、50kg超えるようなのがかかると弱い竿だとしんどいです。
加えて「走らせるだけ走らせればいいのでGTやヒラマサに比べて楽」という人もいますが、走らせたらその分回収しないと悪いので、なんにしろ大変です。

一方、ヒラマサやGTは海底の障害物に逃げ込もうとする性質があるようです。さらに、水深20mくらいの比較的浅い場所がポイントになり、海底に岩やサンゴなどの障害物が多い海域では泳ぎを止めねば根ずれで切られてしまうようですね。それを防ぐためにロッドあるいはラインの力で止めないとダメなようです。

以上を踏まえますと、最初の一本は、まずは釣ってみたい魚を決めて、その魚種専用の入門用のものにしておけばいいと思います。ソルティガかオシアのどれか、がいいのではないでしょうか。
というのが、ハマればどうせ追加で買うし、数回でこりごり、というのであればやめちゃうでしょうから。まずは初心者向けでありつつ、後々まで使えそうなもの、というのがベターかと思います。その場合、ソルティガ、オシアは入手しやすいため広くとっつきやすいと思います。

https://fish.shimano.com/ja-JP/product/rod/offshoresalt/casting/a075f00003e2elbqai.html

この辺、周囲でも使っている人が多いと思います。

実際に買うにあたり、ロッドに関しても、以下で取り上げるギアに関してもですが、全く方向性が決まらない段階ではさっぱりわからないと思います。なので、やってみたくなったら、まずはプロが巣食う店に行ってみることをオススメします。オフショアに関しては、東京近郊では以下のお店が有名です。

・キャスティング品川シーサイド店

・プロショップMOGI(あざみ野)

・小平商店(東久留米)

・長谷川釣具店(小田原)

・バスメイト

例えばGTをジギングで釣りたい、等、ある程度やってみたい釣りが固まった場合、あるいは一通り情報を集めて取捨選択し、それで本当にいいのかをジャッジする必要のあるタイミングごとに行ってみると、色々と気づきがあると思います。
また、キャスティング品川シーサイド店は、詳しい店員さんに聞くようにしましょう。たまにそれほど詳しくない人もいるようです。

1-2リール

・まず、何を選ぶか
ここは基本、二択となります。ダイワかシマノか、です。キリスト教を選ぶか、仏教を選ぶか、という分かれ道です。

所属を選んだ後、具体的に製品をチョイスします。ただし、リールも一般的な工業製品同様、メーカー内にヒエラルキーが存在します。ダイワならソルティガ、シマノならステラがピラミッドの頂点です。その下の汎用品というか、セカンドライン的にダイワならキャタリナ、シマノならツインパワーがあります。でもやるのならソルティガかステラがいいと思います。

多くの人は、勿論ぼくも含めてなのですが、何かを始める際に「買ったはいいもののやらなくなるかもしれないしなぁ」と、そういう気持ちになることってありますよね。そういう気持ちが入ってくると、キャタリナかツインパワーに、場合によってはシマノであればバイオマスターにまで逃げちゃうこともあるかと思います。でも、そんな弱い気持ちだと釣れないっすよ、ビッグゲームでは!!と、いきなり精神論で恐縮ですけれどもw

ぼくはシマノ教ですので、ステラです。ただ、ステラにも、重箱の隅をつつきまくり粗探しをしますと、いくつか欠点があるように思えます。
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◆まず一つ目。一つ手に入れるとどんどん欲しくなること
◆二つ目。ステラ以外のリールを使うとこれはステラじゃないな、と気がついてしまいやる気が出なくなること
◆三つ目。自身の貨幣価値の基準に「ステラ」という新たな単位が出来てしまうこと。例えば何かで50万円の出費が必要となりそうな場合、「ステラ5個分だがそれは適切なのか?」と考えてしまい、合理的な判断にバイアスが発生してしまうこと
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この三つですかね。そこまで致命的な欠点でもありませんが、一度ステラを手にしてしまえば高血圧のように長い付き合いになる欠点でしょうね。モデルチェンジしたらその度に買い替えを自動的に検討せねばならなくなりますし。。。

また、安い買い物ではないと思いますので、購入の際は同じものを数台見ることができる店で複数並べてて触り、触った感じが一番良いものを選ぶのがいいと思います。同じものでも当たり外れがあったりするケースがあります。検品をしっかりしているプロショップでの購入をお勧めします。

・リールの機能について
少しブレイクダウンして、なぜリールが必要なのか、というと、投げる、巻く、この二つの重要な機能を担うことになるからです。

まず投げる、に関してですが、シマノのリールでオフショア向けの製品ではステラとストラディックにロングスプールが採用されております。何がいいのか、というと、キャストごとのワンサイクルで射出されるラインの長さがツインパワー等よりも多いのです。このため飛距離が出しやすくなるようです。ただし、ストラディックは10000番までしか番手がありません。

次に、巻くですが、ラインをどれだけストックできるかと、きちんと巻けるか、この2点がポイントとなります。機械の性能として、機械にエネルギーを100入力した場合に限りなく100に近い出力がなされることが優劣の証だと思います。ビッグゲームでステラ以外を使ったことがないのでわかりませんけれど、ツインパワーではファイト中にハンドルが歪んだとかそういう話も聞きます。
つまり、ステラ以外は100入力しても100に近い出力がなされず、体力のロスが大きくなる、ということかと思います。加えて、巨大魚の場合、ドラグの性能も重要になります。ゆえにステラかソルティガがよろしいかと思います、リールは。異論反論はありえないのではないでしょうか。

ステラでも壊れるけどね。

・ベイトリールについて
また、最近、ベイトリールでのビッグゲーム、というのにスポットがあたりつつあるような話を聞きます。ただ、道具が追いついていないのが現状なようです。まずオフショアビッグゲーム用のベイトロッドがほぼ存在していないのではないでしょうか。ツララの剛竿、フィッシュマンの8.3xxxxhくらいでしょうか、俎上にあがりそうなのは。

リールに関してもジギングリールを使うか、アブのビッグシューター、シマノのカルカッタコンクエストの400番台くらいしか実用に耐えうるものはなさそうです。
ただし、シマノのカルカッタコンクエスト400番はPE3号320mのストック、ドラグは7kgのため(ドラグワッシャーを交換することで12kgくらいまでは強化出来るようです)、限定された用途になるかと思います。
加えて、壮絶なファイトをする魚の場合、かなりドラグを使うことになりますし、その際にレベルワインダーがぶっ壊れてしまったり、ライントラブルが発生して高切れしやすいのじゃないか、という疑惑はあります。ただし、壊れているのをみたことはありません。

がしかし、先日、上記でぼくがキハダを釣った便の船長はアブのビッグシューターで70kg超のキハダをキャッチしてましたので、獲れる、獲れないは条件次第かと思います。

2.釣り方について

次に釣り方です。大きく分けてキャスティングとジギングについて、です。

2-1キャスティング

キャスティングは40-200gくらいのルアーを50m〜程度キャストし、ルアーを引いてくる過程で魚を釣る手法です。使うロッドの長さは7-8ft台です。

2-2ジギング

ジギングは100-500gくらいのメタルジグを落とすか、チョイ投げして、深いところからしゃくりあげてくる過程で魚を釣ります。ロッドは5-7ft台の尺のものが多いようです。

ですので、両方やる場合、理想を言えばタックルはキャスティングとジギングで一つずつあった方がいいです。以下、理由を列挙します。

2-3キャスティングとジギングそれぞれの必要機能の違い

キャスティングの場合、ルアーを投げて飛距離を出す必要があります。一方、ジギングでは、海底から快適にジグを引き上げる必要があります。この二つの手法では、ロッドとリールに求められる機能が異なっております。厳密にそれぞれ最適なものでないと釣れない訳ではないと思いますし、実際釣れると思います。問題はやりやすいかどうか、です。

キャスティングロッドでもジギングを出来ないことはありませんが、使いにくいです。特に早いペースでジグを動かすような場合は操作しづらいです。できれば専用ロッドがあった方が良いと思います。
ここで面倒なのが、マグロを狙ってジギングをする場合のルートと、ジギングをやっていて最終的にマグロを狙うようになる場合のルートがあるようで、前者の場合は概ねビッグゲームのジギングタックル(以下、ビッグゲーム)になりますが、後者の場合、ジギングにオプティマイズされたタックル(以下、ジギング)に辿り着いているように感じます。

ビッグゲームの場合、キャスティングロッドで記載したメーカーから出ているスピニングロッドにステラの8000or10000番、みたいな装備。
一方、ジギングの場合は、シマノやディープライナーのロッドに、ブルーヘブンの120や、マーフィックスN4なんかになっている印象です。こちらはベイトになります。

ファイトの思想の違いなのか、ビッグゲームの場合はロッドを曲げて力でねじ伏せてキャッチするスタイル、ジギングの場合はなるべく魚を暴れさせずキャッチするスタイルになっているように感じます。

よって、本稿としては、スピニングタックルでハイピッチで行うものをビッグゲームのジギングとし、キャスティングロッド同様のメーカーのジギングロッドを購入するのが妥当だと思います。

この辺が最初の一本としても、ずっと使うにしてもベストなチョイスではないでしょうか。

2-4それぞれを用意する必要性

また、オフショアのビッグゲームですが、あからさまに釣れそう、というシチュエーションは少ない釣りだと思います。その中で有効なのが、小魚が大型魚に襲われているなぶらです。
なので、キャスティングで狙う場合は、なぶらを探し、群れを見つけたら全速力で急行します。探す≒待っている、ように思えるかもしれませんが、いつでもキャストできるように準備をしている時間なのです。その際にジギングをしていて「あと30mであがります」とかやってると同船者に迷惑になることもあります。キャスティングで狙うならじっとチャンスを伺う、ジギングで狙うならなぶらは無視する、というように、どちらかに絞った方がいい結果を産めると思います。
極論すれば、同じ競技でもメソッドが違うのです。レスリングのフリースタイルとグレコローマンスタイルの違いのような感じでしょうか。ですので、それぞれで最適な行動を取るためにはそれぞれに最適なタックルがあったほうが良いと思います。

また、キャスティングでも表層を狙う場合と少し沈める場合もあります。キャスティングもジギングも両方やる釣行であれば、タックルはキャスティングx2、ジギングx1の3セットくらいあった方がベターとなります。より欲張って、例えば相模湾でのキハダゲームで言えば、理想的なタックル構成は以下かと思います。

1)キャスティング
→ペンシル等フローティングプラグ用
2)キャスティング
→ポッパー用
3)キャスティング
→CBONEのオズマとかベベルスイマーとかのシンキングプラグ用
4)ジギング

とはいえ、ルアーを交換すればいい話でもありますので、メインとサブの2本があればいいかなとも思います。ただ、キャスティングとジギングは別々なので、キャスティングメインで行くなら、キャスティングx2、ジギングx1くらいでしょうか。

ちなみに、1-4まで全部揃えると60万円くらいかかると思います。
ただ、エサでマグロを狙う場合、ミヤエポックの電動リールとかアリゲーター技研のミステリアスなロッドを買わされることになり、こちらも120万円くらいかかるようです。
そして、エサではひどい時は@100円くらいのイワシを巻きながら行進する地獄の黙示録のワンシーンみたいになる、とか聞きました。立ち入りたくない世界ですね。

3.タックル各論

次に、ロッドやリールについて、もう少し詳しく見ていこうと思います。

3-1キャスティングタックル

3-1-1キャストの自由度が高い場合
振りかぶってキャストできる場合であれば、8ft台のロッドが良いと思います。長尺のロッドの方が飛距離を出しやすいためです。ロッドの強さは使いたいルアーの重量に合わせて選びます。

ロッドごとにルアーの適正重量、PEラインの適正ダイアメーター、適正ドラグ値がありますので、釣りものに合わせて選びます。ロッドに関しては、汎用性があるというか、ルアーの適正重量のレンジが広いものを選べば、キハダもGTもキャストするという点では専用でなくても対応はできると思います。ただ、かかってからは知りません。

で、かけてみて知りました。比較的ライトなロッド、例えば「20kg程度のマグロに最適」みたいな説明のロッドを使ってそれ以上の大きさの魚も釣れるには釣れますが、わかりきった話ですが、ロッドパワーがなくてしんどいです。勝負どころは力任せなことが多いためです。
ですので、ロッドをチョイスする際は、かけるまでを重視するか(要はキャスタビリティ、飛距離と正確さの問題)、あるいはかけてからのパワーを重視するか、で選べばいいと思います。
特に、かかってから根に潜るような魚をターゲットとするのであれば、走らせない対応が必要となるため、疾走を止めることのできるパワーがタックルに必要となります。なので、後者に力点を置いて選ぶべきかと思います。調子や強さは、メーカー、モデルによって様々ありますので、お店の人と相談し、自身の体力に応じて決めるのがよろしいかと思います。

3-1-2乗合でキャストに制限がある場合
アンダーハンドで投げないといけない場合ですね。この場合は7ft前半の短いものの方が取り回しが良いと思います。オーバーヘッド、アンダー関わらずに、キャスティングロッドは一本で行きたい、というのであれば、7ft前半で、ルアーのキャストキャパが200gくらいまでの剛竿を選んでおくといいのかもしれません。

リールはいずれの場合も、ステラであれば14000を基準にして、場合によっては18000や20000あるいは8000を使い分けるような感じかと思います。

3-2ジギングタックル

重複してしまいますが、5-6ft台の短めのロッドに、(関東近辺では)ステラの8000PGあるいはソルティガの8000Pというのが基本になるようです。ハイギアではなくローギアが優先されるのは、軽い力で巻ける、巻き上げ量がハイギア、エクストラハイギアに比べて少なく場合によっては細かく動かす必要のあるジグの操作に適しているから、この2点が理由のようです。「ようです」と曖昧に言うのは、大原あたりでやってる上手い人のタックルにステラ8000PGが多いからです。ぼくは持っていません。そしてハイギアでも良いかと思いますが、どうなのでしょうね。

3-2-1ベイトリールについて
また、通常ジギングと言えばベイトリールのケースが多いかもしれませんが、ことビッグゲームのジギングに関して言えばスピニングが優位性を持っていると考えます。理由は二つです。

一つ目は力の伝え方の問題です。ベイトリールとスピニングリールではロッドの掴み方が変わります。ベイトリールではリールをパーミングしてロッドを握り、肘を支点にして持ち上げるような釣り方になりますが、スピニングリールであれば腕全体でロッドを持ち上げることが出来ます。重いものを掌に乗せて持ち上げる場合と、取っ手が付いている重いものを持ち上げる場合、どちらが効率的に持ち上げることができるか、の違いだと思います。ただ、ここのやりやすいやりにくいは個人差があると思います。

二つ目はドラグ性能です。スピニングリールのドラグの方が構造上、性能が優れているようです。しかしながらここも厄介で、細かいドラグ調整をスピーディーに行うのはベイトのレバードラグ式のリールがベストです。

ベイトリールの優位性としては、それぞれリール本体の重量が同じであれば糸巻き量がスピニングに比して多いケースがある、フォール時のバイトを取りやすい、片手で操作できるので手返しが良い、の三つだと思いますが、ビッグゲームのジギングに関しては、この優位性は特に影響はないと思います。なので、まずは必要ないと思います。

4.ルアー、フック

4-1キャスティングルアー

著名なメーカーとしては、シマノ、ダイワ、カーペンター、DCLAW、マリア、CBONE、メロン屋工房、マングローブスタジオ、ソウルズ、タックルハウスあたりでしょうか。ほぼ個人経営でやってられるようなメーカーさんも結構あります。

シマノ、ダイワの汎用品であれば、一個あたり数千円の前半から5,000円くらいで買うことが出来ます。ただ、汎用品でも5,000円、ってのがキツいですねw

そしてルアーは、魚種、時期、どんな捕食をしているかというその時点でのパターンにより、バリエーションが必要になります。基本はダイビングペンシル、というタイプで、これにポッパーを組み合わせるのがセオリーな気がします。

こうしたプラグについてですが、好みの問題が多分にあると思います。最低限でスタートするのであれば、マリア、シマノあたりのダイビングペンシルで、140mm〜240mmくらいまで揃えておくと対応可能かと思います。シマノの別注平政というルアーであれば、145、160、190、といったあたりです。

ルアーですが、オフショアのビッグゲーム自体が、近海でアジとかを釣るのに比べると、そもそも釣れない釣りであり、また、やっている人も少なく、そして、やっている人の中でも技術・経験に著しい偏りがあると思います。そうした中で何を参考にすべきか、というと当然「釣っている」経験が多い人のツールとなるかと思います。

そうなってくるとですね、そういう人がよく使っているルアーは非常に人気が高く、入手困難になるのですね。買われる際には、まず広範に情報収集をされて、やり方としては有名な船宿のサイトを閲覧する、そこで実績のあるルアーをチョイスする、しかも安価で安定的に入手できるもの、というのが最初の一歩かと思います。

4-2メタルジグ

メジャーどころはシマノ、スミス、CBONE、シーフロアコントロール、MCワークスあたりでしょうか。以下、房総のヒラマサについてですが、おすすめ、と言われたものを列挙してみます。

◆潮緩時にヒラヒラさせる系
・2wayスパイキーセミロング(ラウンドとタフリボーン)
・ネイチャーボーイズ 鉄ジグショート

◆ショート〜標準セミロング
・CB ONE c1セミロング
・シマノオシアキングスラッシャー(アルミ)
・パッションズ おにぎりジグ
・エデュース アレッタ
・ネイチャーボーイズ鉄ジグウイグルライダー、スイムライダー
・シーフロア アロー、メサイアセミロング
・メロン屋 ウィークベイト
・スミス マサムネ
・セカンドステージ セカンドジグメッサ

◆棒、長め、飛ばす系
・mcワークスキラージグ
・シーフロア メサイア
・シマノオシア スピードスラッシャー
・CB ONE D3

一番釣りのうまい友人から教えてもらったものです。なので、この辺を中心に130-240gくらいまでの重量を揃えておくのがよろしいかと思います。何を使うか、これは水深やカレントの強さによって重さと形状を変える、という考え方が基本だと思います。また、現場に出れば、大抵の船では「180gくらいを使ってね」等、アナウンスしてくれますし、聞けば教えてくれます。

これに加え、風と潮、ベイトサイズを考える必要があります。まず風と潮ですが、場所によって、風向きと潮の流れが滅茶苦茶な場合もあり、水深30mなのに130gのジグでも底を取れないような場合もあります。

また、小さいルアーの方が食いがいいような場合や、水深は浅いものの、ルアーの表面積が大きい方が食いがいい場合もあります。好意的にいえば研究の余地が多いですが、深い深い、一度ハマると結構キツいドロ沼の入り口でもあると思います。

4-3フック

4-3-1キャスティング

フックはルアーのサイズによって装着するサイズが異なってきます。キャスティングのルアーでポピュラーなものはカルティバのSTシリーズです。使用が想定されるのはST46、ST56、ST66でしょうか。数字が大きくなるほど、軸が太くなり、それぞれの数字の中で#10から#2/0といったようにサイズがあります。ルアーごとに推奨フックがありますので、その推奨フックの重さを基準に選択します。

例えばヒラマサ狙いで行く場合で、シマノの別注ヒラマサの160mmを使うとします。推奨のフックはST66#2/0ですので4.56gです。釣れる魚が小さそうであれば、軸を細くして刺さりをよくしたり、逆に大物狙いであれば軸を太くしたり、あるいはシングルフックにしたりもしますが、その際、4.56gがルアーの基本の動きを引き出す重量となるため、4.56gと誤差が少ないフックを装着することになります。ただ、トリプルフック間で、軸の太い細いでの互換性は、重量の問題があり、それほどないと思います。

4−3−2ジギング

ジギングの場合はシングルかダブルのアシストフックを使います。銘柄はこちらもカルティバがポピュラーです。青物であればフロントだけで大丈夫だと思います。彼らは魚を頭から食べるケースが多いように感じます。根魚や他の魚は尻から食ってくる時もありますので、フロント、リアの両方あるいはリアのみの場合もあります。

アシストフックの長さですが、フロントはジグの目の下にあたりに針先がくるようなセッティングが良いようです。リアにも装着する際は、フロントのフックと相互に干渉しないような長さのセッティングが必要になります。

最近はヒラマサ狙いの場合、6/0とか9/0あたりのめちゃデカいフックを使うのが流行りと聞いたことがあります。

5.ラインシステム

5-1メインライン

釣りもの、地形、釣り方によって使う太さが変わります。例えば相模湾でルアーの飛距離が重要、狙うのはキハダ、根に潜る魚ではなく、しかもチャーターなんかでおまつりの心配がないような場合であれば、PE3.0とか2.5でもトラブルなく釣れるかと思います。

と、冒頭でのキハダをキャッチするまではそう思っていました。完全に変節したわけではないですが、念のためにもし、万が一、想定を超える大きさの魚がかかった場合のために100lb程度、号数で言うと5-7号くらいのメインラインにしておいた方が安全だと思います。

ぼくはこれまで4号(60lb=27.2kg)を中心にやっていました。釣れなかったけども。。。
冒頭のものは5号(74lb=33.5kg)でした。そして感じたのが、ラインが心もとないと、勝負所で思い切ったアクションが取れなくなる、ということです。水面まで浮かせて空気を吸わせれば勝ち、という場面でノロノロしてるとまた潜られたりします。そんな刹那にドラグを締込み一気にカタをつけるにはタックルが強くないと話になりませんし、切れるかも。。という不安のあるラインシステムは論外です。

かかる魚の大きさを選べないのが難しいところであり悲しいところでもありますが、不測の事態に備えてラインは強めのものを用意するのがいいと思います。

一方、房総の浅いところで15kg超のヒラマサを狙うような場合は、PE8とか10号でドラグを使わずラインの強さで引き上げるような形になるようです。綱引きみたいな感じですね。

特徴ですが、当たり前ではありますが、号数が上がる、つまり太くなればなるほど強くなります。また4本編み、8本編み、12本編みとバリエーションがあります。多数編みの方がしなやかですが、高価になります。また、号数が上がるほど対摩耗性能は上がるものの、キャストの際に飛距離を出しにくくなります。
飛距離重視の細糸か、パワー重視の太糸か、その時点で最適なチョイスが必要となります。

5-2リーダー

次にリーダーですが、なぜ必要なのか。
PEラインの特性として、じんわりと引っ張る力には抜群に強いのですが、瞬間的に力がかかるような場合、例えば魚がかかり急にテンションが上がったり、張った状態で垂直方向に何かがぶつかったりするとあっさり切れます。そのため、魚をかけた状態で、魚周辺で予期せぬ障害物に、例えば岩とか、そうしたものにぶつかることを考えるとリーダーは必要になります。

そしてリーダーに使う素材としては、ナイロンとフロロカーボンがあります。使われるのはフロロカーボンが一般的な気がします。ナイロンとフロロの違いですが、ナイロンは多少伸びてしなやかなものの対摩耗性能はフロロに比べて落ちます。そして比重が軽いです。

フロロは伸びないため感度がよく、対摩耗性能が高いです。ただ、硬いため、キャスティングで使う場合、慣れないとガイド絡みの原因になったりします。

ジギングに関してはフロロ一択、キャスティングではナイロンとフロロを使い分けます。

強さに関して言うと、本線との兼ね合いもありますが、魚の重さがおおよそ〜10kgくらいまでは50lb程度、〜20kgくらいまでは80lb程度、〜50kgくらいまでは100lb程度、それ以上は100-200lbくらいで調整するのがよさそうです。

6.接続、ルアーとの接続、金具

これは本線とリーダーを結ぶノットと、リーダーとルアーを繋ぐ金具、ルアーとフックを繋ぐ金具の三つの話です。

6-1ノットの必要性

上記でリーダーの必要性について記しました。そのリーダーと本線を結ぶ手段がノットです。なので絶対に必要です。
ノットに関してはベーシックなのがFGノットです。基本中の基本ですので、手編みでもノッターを使うのでもどちらでもいいと思いますが、ちゃんとやらないとトラブルが続出することになります。

ノットが大きいとキャストする際にガイドとぶつかりガイド絡みが起きたり、スムースにラインが放出されなかったりしてエアノット(キンクともいいます。要は糸が絡まってコブになったりしている状態です)の原因になりえます。エアノットができたまま魚をかけてしまうと、その部分が破断の原因になります。

6-2リーダーとルアーの接続について

次にリーダーとルアーを繋ぐ金具ですが、リーダー側には通常のスプリットリングではなく、溶接リングを用います。どんなに太いリーダーであっても、スプリットリングだと合わせ目でリーダーにダメージが発生することがある為です。ですので、リーダーとルアーの接続にはいくつか方法があります

0)ルアーにリーダー直結
1)リーダー側に溶接リング、溶接リングとスプリットリングでルアーを接続
2)リーダー側に溶接リング付きスイベル、スプリットリングでルアーと接続

まぁ、2でしょうね。ジギングの場合はルアー側にフック用の溶接リング追加されているスイベルを使うのが良いと思います。
なぜスイベルがあった方がいいかと言うと、ルアーをキャストあるいはジグを投下後、ルアーなりジグが回転して糸よれが発生することがあります。糸よれがひどくなるとラインにダメージが発生して、トラブルの原因となります。これを回避するためにスイベルを使うケースが多いです。特にスピニングタックルでのキャスティングではスイベルを使った方がいいと思います。

こういうやつ

代表的なのがNTスイベルです。1個100円くらいです。餌釣りをやる方だと「サルカンでいいよね?」と思われるかもしれませんが、サルカンだと負荷がかかると回転しなくなるようなので、ボールベアリング入りのスイベルをご利用ください。

また、リーダーとルアー、ルアーとフックを接続するスプリットリングは強度を揃えないと弱いところが破断しますので、強度は統一しましょう。概ね150lb、200lbあたりで、サイズ違いをいくつか揃えておくと良いかと思います。ルアーのアイやフックのサイズにリングのサイズを合わせる必要があるためです。

しつこいですが、もう一点。リーダーとルアーの接続は要注意です。
ベーシックなのがこちら。

一番の注意点はこの部分です。

スクリーンショット 2021-02-28 9.59.01

リング側にラインが2本巻きついています。これが交差していると切れます。また、この後、締め込んで行きますが、このスクリーンショットにある最初の輪の部分の締込みが甘いとやはり切れます。この点、かなり要注意です。

6-3このタームの結論とタックルバランス

要はバランスです。

例えばロッドの強さに対してラインが弱ければラインが切れる可能性が高まりますし、フックが弱ければ曲がったり折れたりして、どこかが不適切だとそこから破断あるいは崩壊します。

この7つの要素を組み合わせた最適解の近似値を見つける必要があり、それがタックルバランスと考えるとわかりやすいと思います。

7.その他装備

ここまで読むのに一苦労ですが、実際に準備を初めて苦労するのが、ノットとルアーの接続だと思います。他、困りそうな点、カバーしてみます。

7-1ノット

ノットに関しては練習あるのみ、です。当初はノッターがあった方がいいかと思います。第一精工のノットアシストなんかがポピュラーですね。

難点は号数が大きい場合操作にコツが要ります。

他にもスタジオオーシャンマークのノッターなど、FGノット用のノッターはいくつかあります。

手編みにこだわる人もいますが、破断しなければノッター使ってもなんでもいいと思います。

また、PRノット等、他のメソッドもありますが、ポイントは、簡単に自分でできるノットでトラブルが少ないこと、です。このポイントを充足出来ればなんでもいいと思います。

7-2プライヤー

ルアーの接続に関してですが、スプリットリングのサイズが上がると小さなプライヤーでは対応できなくなります。大物用のプライヤーはシマノのパワープライヤーの一択になると思います。が、逆にデカすぎて、小さいリングを開けれなかったりしますので、パワープライヤーとミニリングプライヤーという二つがあるとやりやすいです。ミニリングプライヤーはその辺のハサミよりPEラインを切りやすいです。

7-3ドラグ

ラインごとに破断強度があります。例えばPE4号であればおおよその強さは80lb、36.24kgくらいです。ラインに破断しそうな力がかかった場合に、ラインを滑り出させること破断を防いでくれるのがドラグです。

一般的には強度の15%-30%くらいのドラグ設定を行います。上記PE4号であれば5-10kgくらい。ただし、リールの構造上、巻かれているラインが少なくなるほどドラグ力が強くなるので、フルにラインを巻いている状態であれば、15%程度のドラグ設定にするのが良いようです。また、設定する際に、ドラグレバーをどれだけ回せばドラグが強く効くようになる、あるいは緩むようになる、というのをざっくりで結構ですので認識しておくと、かけてからの対応に余裕が出ると思います。

具体的に言うと、PE5号でドラグは5kg設定で釣りを始めかけた場合、10kgまでなら切れる心配なくドラグを強くできる、そのためにはどのくらいドラグレバーを回せばいいのか、という感覚を掴んでおくと、いざそうなった場合にデジタルな感じでの対応が可能になります。
ステラの14000であれば一回転で1kg上がると思います。やり取りの最中で、今何キロドラグをかけているかを覚えておくとやりやすくなります。

ドラグの設定方法は原始的に行くのであれば重りをぶら下げて測りますw

例えば5kgに設定したいのであれば、2lのペットボトル2本と500mlのペットボトル2本をエコバッグとかにいれ、それとラインを繋いで調整する方法です。

より手軽に行くのであればドラグチェッカーを利用します。結構高いですが。。。たぶん、この機械はこのメーカーが寡占してるんでしょうね。

7-4小物

また釣行を重ねるごとに小物が増えていくでしょうから、早い段階で整理整頓できるようにしておくのがよいです。特にスイベルやスプリットリングはサイズごとにきっちり管理しておくのが良いと思います。下記リンクの商品、使っている人多数です。

釣りってギャンブル性が高く、どれだけ念入りに準備してもダメなケースもあれば、テキトーにやっても釣れるケースもあります。でも、ギャンブル性の高いビッグゲームはテキトーにやってるとそこからダメになると思います。タックル、ライン、リグ、全体バランスのチューニング、どこかに隙があるとそこでクラッシュしてしまうと思います。

他の魚、例えばブラックバスなんかであればいくらでもごまかしが効きますが、ビッグゲームはそうは行きません。ぼくもここ数年で何回か大きそうなのをかけました。

1)多分、10kgあるなしのキハダあるいはつむぶり
→船べりまで寄せてきてラインブレイク。ラインの状態の確認不足
2)多分10kg超のキメジ
→バイトはあったもののフックアップせず。慌ててワタワタしてたらフックアウト。
3)多分、10kg程度のキメジ
→ドラグ設定ミスでフックアップできず。しかも2回
4)多分、30-40kgくらいのサメ
→ラインブレイク。ラインの状態確認ミス
5)キハダ63kg
→キャッチ。上記1)-4)のパッチ処理が完了していたのが勝因
6)クロ50kg超
→ファーストランが終わり、ファイト開始時点でフックアウト。バーブレスフック使用
7)クロ30-40kg
→キャッチ。

ドラグとラインでしょうかね、問題は。自分のミスは各論中の各論ですね。

ライントラブルはキャスティングの技術向上で減少するのでしょうけども、投げる前には状態を確認しておくのがよろしいかと思います。こうした、微に入り細にわたった点に気を使うのが、オフショアのビッグゲームの難しさであり、魅力でもあると思います。

今後、さらなる大物を目指しつつ、確実にうまくなりたいと思っています。


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