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先端品開発秘話

半導体プロセスエンジニアとしてのキャリア

右も左も分からずにインテグレーション部隊に配属された。憐れ。。
「インテグって普通、プロセスとかデバイス経験してから行くとこだからね。できるの?」とデバイスの係長から言われたことは忘れない。

でも、仕事だからやるしかない。

毎日23時帰るのは定常状態。だって、わかんないんだもん。
 技術も分からない。
  CMPって何?ダマシンって何?
 仕事の進め方も分からない。
  ファシリテーションできない。議事録うまく取れない。
 こんな状態でスタートしたプロセスエンジニアのキャリア。
 ほかの人より出来が悪いことは分かっていたよ。
 だから、土日も勉強した。スタバで半導体の本開いて、こつこつ・・・

こんな状態から、いまを振り返ってそこそこやれるようになった。
新人の「分かんないです」には、ほぼすべて回答できるようになった。
同じように困っている人がいれば、と思いnote書いてみる。
最初に携わった製品の体験記形式で記載する。
その中で得た仕事のやり方と技術や知見についても記していきたい。

 出来れば、このnoteを終生更新していければいいなぁ。8/9 追記


仕事は倒すべき敵

 「まずは、このデータの取得とまとめをお願いね。」頼まれた最初の仕事は、簡単なものになるはずだった。

 試作品を流して、データをまとめる。まとめ方がイマイチなのは反省している。が、それよりも、困ったことが発生していた。

「先輩が言ってた通りのデータになってないです。どうしたらいいですか?」

 これが、本開発品の初のトラブルになった。この製品は、いまでは、「すべてのセンサーを駆逐する史上最強のフラグシップモデル」として販売されているが、販売スタートまで泥まみれの苦労があった。

そもそも何で困ったのか

 簡単な内容になるはずだったのは、事前試作でwarpageの挙動を確認できていたからだ。Globalなメタル配線があると、どうしてもwaferは想定通りの動きをしない。これは、おそらく全てのデバイスメーカーが悩むところであろう。我々もこれにぶち当たっただけではある。


 

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