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「来る」の次に来るおすすめホラー映画

まわりで「来る」の評判がめちゃくちゃ良い。
アマプラ配信されたと同時にみんなが観始めた。
本当に、言いたい。
「来る」は、良い。
中島哲也監督の超濃密な2時間14分。体感4時間。人間の嫌なところとお化けの嫌なところを描ききっている。そのうえで柴田理恵が超かっこいい。柴田理恵のプロモーションムービー。もう観るしか無い。
そんな訳で、最近の邦画ホラー、頑張ってるのである。面白いのである。ということを今日は主張したい。日記代わりにここ5年位の邦画ホラーを何作か紹介させてくれ。


「来る」のむちゃくちゃ感を楽しめた人は、イコール「貞子vs伽椰子(2016)」を楽しめる人である。
これ、タイトルがB級臭いのだが、その匂いに騙されてはいけない。
第一級のホラーエンターテイメントである。監督は「コワすぎ!」の白石晃士監督であるが、この人のホラーはホラー苦手な人ほど楽しめるのではあるまいか。だって、金属バットでお化け殴りに行くような作品を作る人である。痛快すぎる。
そんな「予定調和なんぞ知るか!」という気概しかない人が「リングの貞子」と「呪怨の伽椰子with俊夫」を戦わせるのである。
マジで全国民が観たかった最高のプロレスに仕上がっている。あと登場人物のダメ方向でのアクの強さ。断言しよう。あなたは、絶対に、好き。

殴る蹴る、殺しまくるの痛快さが欲しいという人であれば「アイアムアヒーロー(2015)」だわね。
原作好きでも納得のZQN映画!ゾンビ映画では日本一のクオリティだろう。監督は佐藤信介氏。この人の絵作りはキングダムでもGANTZでもそうなんだが日本人離れしている。そう、ゾンビ映画に必要なのは「壮大さ」なだ。監督選びで完全に勝っちゃった映画だ。脚本も、当時完結してなかった原作に対し無理がない。絵作りは壮大だが、物語は風呂敷を広げ切らずに面白いところだけをコンパクトにまとめてる。正解。大正解。
また物語の核となるゾンビが美しい。VFXを信用できる制作会社、デジタル・フロンティアが担当してるのだが、一目ですごい。なにがすごいって「欠けてる」のである。特殊メイクは普通、足すしかできない。当たり前だけど。がこの映画は、ゾンビのいろんな部分が欠けているのである。これが意外なほど生理的にゾッとする。これは観る価値あり!
そして園子温さんかなと思うぐらい血がぶち撒けられる。壮大さと爽快さのある大作である。
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「来る」のジメッとした怖さ部分が気になった人には「残穢-住んではいけない部屋(2015)」をオススメせねばなるまい。
これぞ良質な大人のホラーである。派手さはない。最後のCGも予算もなかったのかもしれない。ただ、ジメッとしたホラーを描くという一点で完璧な仕事をした。
監督は中村義洋氏。超売れっ子監督だが、元々は「ほんとうにあった!呪いのビデオ」の名物演出家である。
この人の描く淡々とした怖さには誰も勝てる人はいない。
この映画には「湿り気」があるんだよなぁ。畳の間とか、マンションの暗い部屋とか。会話の間にまで。映画全体から部屋干しのような湿り気を感じる。分かりやすい幽霊像ではなく、ジメっとした空気を描き、そこに漂う怖さを作り出す。そして、その謎と対峙するミステリーとしての怖さ、この辺りも大人のホラーである。
私が億万長者になったら映画の最後のCGだけ予算を詰むので差し替えてほしい。

こういったザ・Jホラー方向に興味があるのであれば「シライサン(2020)」もぜひ観てほしい。
監督は安達寛高氏である。誰だと思うかもしれないが、小説家の乙一さんである。長編初監督と聞いてどうかなと思ったが、往年のJホラーが完全に再現されているのである。「来る」はJホラーを否定し、過去のものにしたが、シライサンではJホラーが今でも面白いことを証明してくれた。Jホラーの一ファンとして喝采を送りたい。
そして乙一さんが脚本も兼ねているだけあり、ホンが良い。呪われ方もさることながら、その解決方法が素晴らしい。こういうミステリー要素のあるホラー大好き!ホラーが苦手な人でも良質のミステリーとしては楽しめるハズ。またスタッフロールにまで遊び心がある。最後まで楽しめる一本だ。気づかなければ巻き戻して何回か観てくれ。
登場人物も、妙に暗くてその辺が好きなんだよなー、騒ぎすぎの人より落ち着いてる人のほうが怖い。脇の役者がそういう人が多くて安心して観れる。
地味? うるさい。シライサンの造形がめっちゃ恐いからいいんだよ。好きすぎてシライサンTシャツ買ったわ。シャツの絵が怖すぎて子供逃げたわ。

子供の話題が出たので、一応触れておくか。「こどもつかい(2016)」。
触れるか迷ったが、ねぇ、どうでしょうねぇ。
いや、私はむちゃくちゃ面白かったんですよ。ただ、前半の面白さと後半の面白さの質が変わってしまっていて。ある種ホラー好きには踏み絵となる作品かもしれない。
タネを明かそう。黒幕となるお化け役の「タッキー」が前人未到のキャラクターで、観客がポカーンとなってしまうのだ。もう私は映画館で膝叩いて笑ってたんですが、周りの人はどうもあんぐり口が空いてたような。呪怨に急にジャックスパロウが出たらビビるよね。そういう映画だ。
でもホラーってこういう冒険が受け入れられる素地があるし、冒険しちゃいたくなる気持ちも痛いほど分かる。っていうか監督は呪怨の清水崇氏なんだけど呪怨のときですらコンセプトは「笑っちゃうくらい霊を見せる」だったので、当時からマインドは変わってないと思われる訳で。今回はたまたま、私の感性では笑えただけだ。
というぐらい攻めた作品なんで、ロックな、前のめりなホラーが観たくなればコレを!
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いやいや、ちゃんとした清水崇監督を観たいというのであれば「犬鳴村(2020)」で間違いない。
なんたって3月の時点で興行収入12億円越え!邦画ホラーでこの数字は快挙中の快挙!
清水監督のサービス精神が溢れてるのがこの作品であり、カメラの振り数フレームにお化けがそこかしこに描かれてる。一瞬見える謎の影、こんなのみんな大好物、だよね? 
実際にある場所、実際に出回ってる都市伝説を題材に、実に大胆に物語が作られている。個人的には謎を理解した後、2回目観た時の方が楽しめたかな。「来る」のような派手さや美しさはないが、ホラーに対する責任感を強く感じる。この監督は決してエンディングでうっちゃらない。
謎を解き明かす楽しみ、呪いの強さ、恐怖演出、童歌と、清水節ここに健在!な作品である。
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どうせなら映画館でホラーが観たい!と言う人にはこれから上映の「事故物件 怖い間取り(2020)」がオススメ。
試写会で観せてもらったが、オイオイ何これ? スッゲー面白いんですけど!感想とか言って良いのか? まだか? 
一言だけ言うなら、亀梨くん、「どうせアイドル起用なのでは」と思った私を思う存分殴ってください。あなたの演技力は底抜けに素晴らしかったです。
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※一部の作品で株式会社闇も製作やプロモーションに関わらせてもらってるが、個人の日記という形で好き勝手に書かせてもらっている。辺境noteなので大丈夫であろう。
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という感じで最近の大作系邦画ホラーを軽く紹介してみた。そんな訳で盛り上がってるぞ邦画ホラー!それゆけ邦画ホラー!ぜひ皆さんも楽しんでみてくださいな。
はい、今日の日記代わりの主張おわり。

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あ、番外編というか、日記の本流というか、「ドロステのはてで僕ら」観た。ホラーじゃないけど。皆が『カメ止め再び」って言ってる理由がよく分かった。最高なんですけど。映画にまさかこんな発明の余地が残されていたとは。鬼低予算でこんなに楽しませてもらってよいの?!映画。超オススメ。

来世、救われます。