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ラストワンマイル最適化プレイヤーから見たラスワンモビリティ

こんにちは、とがりです。私はラストワンマイル物流事業者向けサービスを提供しているオプティマインドという会社で働いています。そんな私がラストワンマイルモビリティについて感じる変化を書きました。

ラストワンマイルとは

物流におけるラストワンマイルとは、最終拠点からエンドユーザーへの物流サービスのことをいいます。
「最後の1マイル」という距離的な意味ではなく、お客様へ商品を届ける物流の最後の区間のことを意味します。

物流の文脈では、ラストワンマイルと言っても本当に「最後の1マイル」ではなく実際には1~数十マイル程度を意味します。実際、弊社もラストワンマイル配送を最適化するためのサービスを提供していますが、〜数十マイル程度を対象にしております。

人流、移動の文脈では本当に「最後の1マイル」が重要になってきています。今までは、地下鉄や市内バス、タクシーなどでラスト1マイル〜数マイルまで移動してそこからは頑張るという方法が一般的でした。

トレンド

最近は真の意味での最後の1マイルをよく見かけるようになりました。去年は福岡でBird(米)やLime(米)が電動キックボードの実証実験を開始したと話題になっていたり、少し前はLUUPが電動アシスト自転車をローソンに設置することが話題になりました。

このスペースにこれだけの台数置けたらすごく便利ですね。例えばマンションやアパートにスペースを設けたり、コンビニや駅に置くこともできます。コンビニ側としてはスペースを少し提供することで場所代+寄ってもらえる機会になるので導入する強いインセンティブがあり拡大しそうだと思いました。

世界のトレンド

では他の国ではどうなっているのかという話をしたいのですが、私はアメリカしか体験したことないのでアメリカの話だけします(すみません)。
下の写真は一年半前にアメリカのサンタモニカビーチに行った時に撮ったものです。電動アシスト自転車と電動キックボードを体験しました。

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両方便利だったのですが、いくつか違いがありました。
自転車の方はLUUPと同じように所定のラックがある場所に返す必要がありました(ポートモデル)。現在のLUUPのラック場所はこんな感じです。数百メートルくらいは歩く必要がまだありそうですね。

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それに対して、キックボードはその辺に乗り捨て可能でした(放置モデル)。2枚目のところで降りて乗り捨ててビーチで遊べます。そして、乗り捨てられたキックボードは他の人が使うことができます。つまり利用者としてはわざわざラックに行かなくても、その辺にあるキックボードを使うことができるので便利です。
料金的にもキックボードにメリットがありました。私は自転車を、友達がキックボードをレンタルしていました。ビーチ沿いのレストランで食事をしたとき、自転車は所定のラックに返却できないので課金が続くのですが、キックボードは課金が止まります。

ここまでだとキックボードの方が良いじゃんと思うかもしれませんが、キックボードはデメリットがあります。それは社会インフラが整備されていないことです。電動自転車は自転車と同じような使い方ができるのですが、キックボードは走る道がありません。法律上は車道を走るべきです。30キロしかでないので車と同じ道を走るのはすごく危ないです。さらにキックボードで30キロは怖いです。これはアメリカだけでなく日本でも同じ問題があります。

日本の現行法上、電動キックボードは原付自転車として扱われるからだ。公道で走行するにはウィンカーなど国土交通省が定める保安部品を取り付け、原動機付自転車登録をし、免許証を携帯する必要がある。そのため、現状のままでは気軽に利用できるシェアリングサービスを展開することは難しい。そして、原付自転車としての扱いの場合、車道のみ走行可であり路側帯には入れず、さらに車と比較すると速度が遅いため、安全性が懸念される。

このようにハードルは高いですが、ヒトの経済活動に大きなプラスの影響があり、さらに自動車での移動と比べて圧倒的に環境に優しいので個人的には社会インフラが整備されて普及して欲しいと思っています。

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LUUPから引用

今後の予想

今まで真の意味でのラストワンマイルの移動サービスはありませんでした(使いにくいバスや高いタクシー)。このイノベーションは鉄道が誕生した時や自動車が誕生した時くらいの人類にとって大きなインパクトになるポテンシャルを秘めていると私は思います。Bird社が設立から9ヶ月でユニコーンになったことからも大きな期待があることが分かります。
しかもそのイノベーションが鉄道や自動車のような時代のハイテクノロジーから生まれるのではなく、枯れた技術とスマートフォンとサービスから生まれるのが今っぽくてエモいですね。
このようなシェアリングサービスは人が多いと価値が高まるので、さらに都市部でスマートシティ化が進むでしょう。早く名古屋でも提供開始しないかな!

ありがとうございました!

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