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エッセイ

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内輪ノリの帝王マリナ油森の、あんまり内輪ノリじゃないエッセイ。
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記事一覧

笑ってよ、プリンセス

「マリナちゃんはピーチ姫だから、そこから動いちゃだめ」 小学校に入る前のこと。近所の男の…

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「夢を諦めた」昔の私へ:未来の私からの手紙

はろー、私だよ。就職活動に失敗したと思ってベッコベコに凹んでる昔の私を慰めようと思って未…

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その5センチに許されたい

これから生理用ナプキンの話をするのだけれど「昨日食べたハンバーグが美味しくて幸せ」ぐらい…

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バイクに乗った話、他

前回うっかり1テーマで1000字行ってしまって、note1本書き上げて終了したのでリベンジ。 バイ…

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春だからぴょんぴょんしてる

これやってみる。 傷病兵は元気になった運動しても寝込まない体に戻った。素晴らしいことだ。…

95

爽やかな自己顕示欲が大好きだぜ! ロケンロー!

山羊メイルさんの記事が爽快だった。 ここしばらく英語の勉強に夢中になっていてnoteを書くの…

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おえっ てなるのと戦ってる

1ヶ月と少し前に奥歯が欠けた。その歯は、次男の出産時、まさに子を腹から外界に送り出す瞬間に襲いかかってきた内臓の痛みに耐えるべくギィィィと食いしばったらバキッとヒビが入ってしまった歯で、年子育児にかかりきりで放置していたのを渡米直前に日本で治療したのだが、あろうことかひっそりと虫歯になっていたようで、ある晴れた日の昼食どきカリッカリにおこげを作ったとっても美味しいチャーハンを食べたらポロンと小さく欠けてしまったのだ。 災難だ。 このご時世で歯医者も予約が取れないだろうと覚悟

生き直せ、主人公

現実世界ではどうしようもできない報われない思い、自分では抱えきれない心の混乱を、物語にし…

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アメリカと大阪の類似性について【テキトーな話】

こちらは文化人類学や言語学の知見に基づいたものではなく、私の肌感覚でテキトーに書かれたも…

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創作者は皆、チェス盤の前に座している:『猫を抱いて象と泳ぐ』感想文

小説、音楽、漫画、映画、アート全般。最初に出会ったときにはただ、あぁいいなぁと思った作品…

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月のないお月見と、塩気のない月餅

月を眺めてぼーっとするのは好きだ。脈絡なく空を見上げるのはいつものことだが「行事としての…

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【対岸にいたあなたと同じ「好き」を見る】

ショパンを弾くのをやめてバッハの楽譜を開く。 十数年ぶりに向き合ったピアノは、十数年前と…

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バッハの真実を知っているか

無理なものは無理である。 十数年ぶりにピアノを弾く人間が、ショパンを弾けるわけがないのだ…

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Daylight Walz

鍵盤の前に立ち尽くしている。 十数年前は踊るようにショパンを奏でていたはずだ。いまはどうだ。まるで歩き始めた一歳児、すぐにつまづく。赤ん坊のように泣き出したくなるほどに、おぼつかない足取り。 十数年前にこよなく愛した楽曲、ワルツ第7番嬰ハ短調 作品64-2。ポーランドの民族舞踊マズルカを主題とするこのピアノ独奏曲は、光と影を纏った旋律で聴く人を幻惑する。哀愁を帯びた情熱の調べ。通っていたピアノ教室の先生は「あなた、ショパンが乗り移ったように弾くのね。」と評した。そう。僕は