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素晴らしい本や記事を読んだだけで、成長したつもりになる自分を何とかしたい

元々は、あまり活字を読まないタイプでした。

特に20代前半のアパレル販売員時代は、ほぼ読んでいません。ファッション誌ばかりですね。

ですが年齢を重ねていけば、それなりに興味や必要性があって、ビジネス本を読んだり、新聞を読んだりする習慣は比較的生まれやすくなると思います。

その習慣が生まれはじめたのが、私の場合は20代後半頃から、という感じです。

今回は、通常記事っぽい質まで上げられるかも?と思いましたが、サクッとショート記事に留めておきます。


有益な情報を得た、で終わること

最近では、本や新聞以外でも、web上で非常に有益な情報が溢れていますし、このnoteというプラットフォームでも素晴らしい記事で満ちています。

「ああ、すごく勉強になったなあ」と感じる力は少しはついてきたものの、直接的に何かに活きた回数は数えるほどしかありません。

実際に、私自身の知識としては蓄積はされているのだとは思うのですが、同時に持て余している感覚もあり、読了の満足感や達成感に過ぎません。


ビジネスの場で使うことはあるものの

私はこれでもコンサルタントなので、何かしらの出来事に対しての見解や所感を求められる場合は、会社員時代よりは多いです。

そこで、三人称な情報を元にして話すこともあるにはあるのですが、なんとなく「相手への刺さり方」が弱いように感じます。

誰もが知る、有名な著者・著書からの引用であれば、普通なら信憑性は高くなるのだと思うのですが、「さすがコジマさん、よく勉強してますね」ということの方が強く伝わり、

実際にクライアントに対しては有益な情報となることもあるのですが、再度記述すると「刺さり方が弱い」のです。


私自身を起点としたストーリーの方が伝わるようで

本などからの情報は、私の持っていない経験がたくさんありますので、仮にクライアントがその本そのものを知らない場合は、そういった本があることをお教え出来たことになりますし、無駄ではないとは確信しています。

ですが、これが刺さりにくい。

もう少し丁寧に書くならば「相手の具体的な実行プランにならないことが多い」ですかね。

また「新聞」だったりは、今度は「事実だったり、ただのデータ」でしかないため、自分の所感のベースであったり、私からの話の確度を高めるためには重要なのですが、これまた刺さりが弱く、腹落ちしない、と感じます。

どちらかというと、過去13年のコンサル経験から感じるのは、その経験が「浅かろうが、私の実体験」が含まれている方が、伝わる。そういう印象です。


失敗談とか、恥をかいた話が土台なのが一番刺さる

本音は、私が経験した内容が浅くて、明らかに世間にある情報の方が深みがある場合は、絶対後者の方が有意義だと思っていますが、

私の仕事は「情報提供ではなく、相手をその気にさせて実行してもらって、成果を出してもらう」ことだと理解しています。

そのための最短距離は、やはり自分が起点となったストーリーであり、より響くのは失敗談からの未来提案なのだと思っています。


血の通った話が聴きたいのかもしれません

どうしても、本などから得た情報は、有益な内容ではあるのですが、流れているのは私の血ではなく著者のものです。

私はずっと自分の浅い経験よりも、そこを専門的に突き詰めた内容の方が求められているのだと思っていました。

(私が、元々広くて浅いコンサルスタイルなので)

実際に、結果としては、その深みのある情報も重視されますし、そこが無いと本当に浅い話になってしまうこともあるのですが、

あくまでも「起点が私」であることが大切なようです。


成功話じゃなくて、失敗話が良いみたい

これまた、成功話、つまりは上手くいった事例というのは、私の話だと「ベストプラクティス」とまでは行かなくても、参考になる話なのだと思っていました。

ですが、実際に参考にしてもらえるのが…しつこくてすみません、やはり起点は「私であり、出来れば失敗談から」でした。

成功話は、間違えると自慢話になってしまう可能性もあるので、聞き手がそう感じてしまったら、もう終わりなのだと思います。


いくつか私の失敗談から、うまく実行に至った例を

良く話す失敗談として、自分がアパレル小売りで初めて店長として着任した時に、

具体性の無い責任感で、部下にプレッシャーを与え続けた結果、全員が退職しそうになった話があります。実際に一人で、店舗を回さざるを得ない日もあって、かなり辛かったです。空回りしていたんでしょうね。

で、今コンサルタントとして冷静にその時のことを考えた結果、もし昔に戻れるならば、

  • 各人に具体的な数値ではかれる、相手と合意した目標を作る

  • ただし、その目標は会社から店舗に求められた目標と合致していなければならない(全員が低い目標だと、店舗全体の目標にそもそも達しない)

  • 達成したら誉める、未達成なら理由と次の課題を決める

という感じにやっていればよかった、とか話すのですが、状況や業態、部署も全部違うけれど、こういうことを上手く出来るようにみなさん(クライアント)になってほしいんです。

と語ると、何だか伝わり方、刺さり方がまったく違うことは経験上感じています。

実際に、私の失敗談に華が咲く時間も長く、「一人で店舗を切り盛りって、トイレとかご飯はどうしてたんですか?」とか、「上司に、めちゃくちゃ怒られたんじゃないですか?」とか、

(ご飯は食べず、トイレは不在時間にだけ警備員さんに見てもらったり、だから水を飲まずに声ガラガラになりました。めちゃくちゃ怒られる代わりに、しばらく一人で店回せ!と言われましたね)

この失敗談で盛り上がれば盛り上がるほど、クライアント現場の実行力が上がり、成果も出ました。

(ちなみに、当時は全員に謝ることで、一週間後にはみんな戻ってきてくれました。みんなの方が大人でした。感謝。でもこの話は美談にはしません)


「自分の失敗談」×「世の中の有益な情報」

この組み合わせが、個人的には最強なのだと思っています。

なので、「ああ当時のあの事件の前に、この情報やスキル、仕組みを持っていれば…」と、今世の中にあふれている情報を普段から自分と連動させる意識を持つのかが大事だと感じます。

そしてこのパターンで得た情報は、本当に自分の武器となるケースも多くありましたので、今でもそう心がけています。

なので、私はたくさん失敗するために、今でも出来る限りミーハーな形でよいので、未経験なことにチャレンジしていこうと思っています。

なるべく自分の語れる失敗を持っておくのは、コンサルだけでなく、部下を持つ全ての方に通ずるのでは、と考えています。

みんなで、たくさん失敗をしましょう!というお話でした。(注 : 取り返しがつくものに限る)


コジマサトシ/トナリコネクト

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