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変化

北海道は短い夏を迎えた。

今年は30度超えの日は数日しかなく、あとは比較的涼しい日が続いている。
25度を超えると暑いなと感じてしまうようになったのは、もう僕も北海道民になったという証なのだろうか。

いやまだ1年足らずのペーペーが何を言っているんだ。

いつか北海道弁の「なまら」を使いこなすことに憧れている。

「めんこい」や「ぼっこ」なども言ってみたいが、なかなか勇気が出ない。

余談だが、北海道弁の「おだつ」という言葉を僕はずっと下ネタだと思っていた。
こいつおだってんなという言葉を聞く度に、え・・・そうなの?と自然と視線を下に下げてしまっていた。

「雄勃つ」と勝手に脳内変換してしまっていたことはここでひっそりと告白しておく。

さて、noteも久しぶりだ。
更新したいなと思った時に更新するようにしているので中々定期的に更新ができない。

もうちょっとペースを上げたいなと思いつつもつい日々に流れされていってしまう。

相変わらず何をしていたというわけでもなく、日々暮らしていた。

今ある仕事をとにかく一生懸命にこなしていた。

4月から個人事業主になった。
働き方が自由になったことで、犬たちとの時間も増え、自分に余裕ができる‥と思ったのは幻想で、実際は仕事を詰めるだけ詰めてしまい、6月後半くらいには精神が一度崩壊した。

北海道に来て初めて気分が落ち込んでしまった。

その頃、北海道はずっと曇りが続いていたせいもあって去年も精神的に落ち込んでいた。

お天道様が与える影響は改めて偉大だなと思う。

太陽が出てくれるだけで、気持ちも晴れやかになっていく。

つくづく自分も自然の一部なのだなと感じる。

7月に入り、少し自分の仕事を制御し、自分の時間を作るようにした。

そうしていく中で、少しずつ自分の気持ちに変化があった。

結論から言うと、今住んでいるところに根を下ろしていきたいと漠然と思い始めたのだ。

正直な話、僕はずっとアラスカに住みたいと思っていた。

大家さんである桑原さんにも、最初からアラスカへ行く可能性が高いことは伝えていた。

北海道をステップにして、アラスカへ引っ越そうと思ったのだ。

しかし、ここで1年余りの時間を過ごし、四季を感じ、ここで暮らす色々な人たちと触れ合っていくことで、本当にここが大好きになっていった。

何よりここは本当に自然に囲まれた豊かな土地だ。

夜はシマフクロウやエゾフクロウの鳴き声が聞こえるし、秋には鹿の繁殖の声も響き渡る。狐が喧嘩をする声やタンチョウもやってくる。

家の窓から狐が歩いているのが見えたり、夜には家のすぐ目の前に鹿の群れがやってくる。

歩いてすぐのところにはヒグマの住む森があり、エゾリス、シマリス、モモンガなど本当に多様な生物が暮らしている。

そんな環境の中で犬たちと日々を過ごしていると、ここがどれだけ豊かな場所か気付かされる。

そんな日々がいつしか僕の気持ちに変化を与えてくれたように思う。

引っ越し魔だった僕が、初めてと言ってもいいくらいここにずっと住みたいと思える土地に出会えた。

改めて人にはそれぞれに合う場所が必ずあるのだと痛感する。

都市に住んでいた時も、千葉の田舎で住んでいた時も、どこか今の場所に不満や違和感があった。

けれど、この土地に来た当初からその気持ちはなかった。

それはきっとこの土地の風土や自然だけでなく、温かい人たちとの出会いも大きかったと思う。

ここで暮らしている人たちが僕はとにかく好きなのだ。

理由はわからない。無意識に自然の中で生きることを受け入れていると感じるからだろうか。

どこか根底の部分で、僕との繋がりがあるようなそんな感覚がある。

日々を生きていると、必ず気持ちや行動に変化が生まれる。

それは至極当たり前のことだと思う。

僕の大好きなエッセイの中にこんな一文がある。

「こんなすごい星空や泣けてくるような夕陽を一人で見ていたとするだろう。もし愛する人がいたら、その美しさやその時の気持ちをどんな風に伝えるかって?」

「写真を撮るか、もし絵がうまかったらキャンバスに描いてみせるか、いややっぱり言葉で伝えたらいいのかな。」

「その人はこう言ったんだ。自分が変わってゆくことだって…その夕陽を見て、感動して、自分が変わってゆくことだと思うって…」

この一節は今でも僕の心の支えとなっている。

日々変化していくこと…毎日同じことをしていてもきっと自分はどこかで少しずつ変わっている。

植物のように、一目では見えないけれど、時間の経過と共に、自然と共に少しずつ変わっている。

僕も同じように変化し続ける人でいたいと思う。

同じところを回っているようでも、きっとどこかで自分は変わっていっている。

そしてその変化が、新たな行動を生んでいく。

僕の大切な人たち、愛する人たちに、僕が変わり続けていくことでその気持ちを伝えていけたら、そんなに幸せなことはないと思う。

僕もこの先どうなるかなんてわからない。
けれど、今自分の気持ちに変化が確かに起きていて、その気持ちはちゃんと受け止めていこうと思っている。

いつも最後まで読んでくださっているあなた。本当にありがとうございます。

僕もあなたも、昨日よりも今日が、今日よりも明日が変わっていく日々であることを願っています。

優しい日々も、厳しい日々も、悲しい日々も、楽しい日々も、ちゃんと記録したい。

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