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勢いで独立をして底辺に落ちた話。

23歳の時に後のことを何も考えずに勢いだけで独立し、早5年が経ちました。

トレーニングジムを開業したわけですが、
集客の方法といえば自分のFacebookのみで、最初は友達に教えていました。
広告も分からなければ、お金のことも分からない、基礎がぐらぐらで何も分からない状態でスタートしました。

一人暮らし1DKの狭いボロアパートに、年末年始のセールで買った安い器具を置き、
ベッドもテレビもフライパンも出してある、生活感丸出しのなかで教えていました。


お金は貯金を切り崩し、身の回りのモノを売って何とか食いつなぐ生活をしていて、
「こんな環境でお金なんて受け取れない!」と、無料でやっていて、
「独立してそれで生活をしている」なんて到底言えない生活をしていました。

“バイトをしたら負けだ”という、
変なプライドがあったため、あれよあれよとお金は底をつき、コンビニでコーラすら買えなくなったときは焦りました。



隠すつもりもないのですが、
実はずっと慶應に通っていました。学生の時はお金には何不自由したことがない生活を送っていました。
欲しいものは買ってもらえて、したいことがあればさせてくれる家庭で育ちました。


そんな環境で育ちましたので、
両親からすると卒業後は企業に就職し、安定した収入を得て、安定した生活を送ってくれると思っていたに違いありません。
それなのに突然パーソナルトレーナーで独立するなんて言ってしまったので、後に引けなくなってしまいました。


「慶應に通わせてくれる家庭だからやってこれたんだよ」と何度も言われたことがありました。
確かにそうだと思うところは多々あります。

時計も、ブランド物のお財布も、お小遣いだって20歳くらいまでもらっていたので、
売るためのモノと、何の苦労もせずに貯金は100万円ほどありました。


金銭感覚もまともじゃなければ、お金が減るなんて思いもせず、
収入もないのに7万円の家賃を借りていましたが、何もお金のことは心配していませんでした。


ですが、みるみるうちにお金が減っていき、
大反対されたのに押し切ってしまった手前、両親には格好が悪くて頼れませんでした。


周りは一流企業に勤めるなか、コーラ1本も買えない自分に腹が立ちましたが、選んだのは自分なので全て自分の責任です。

お金が払えずライフラインが止まれば何かを売って、という生活が長く続き、
パーソナルトレーナーの仕事は週に3回教えるほどしかありませんでしたが、ある日転機が訪れました。




「俺の友人がパーソナルを受けたいって言ってるんだけど、やってくれない?」と、連絡が入り、すぐにOKしました。

その方(Aさん)のトレーニングを3カ月間だけさせて頂くことになり、3カ月後にはガラッと変えることが出来ました。
期間が短いだけに、多少無理のある方法を取るしかありませんでしたが、12kgほどの減量に成功しました。


Aさんにはとても感謝され、
「俺の周りのやつが何人かやりたいって言ってるんだけど、やってくれない?」と、Aさんから色んな方に繋がって、
独立3年目にして何とかギリギリ生活できるレベルになりました。

といっても、家賃光熱費やら支払って毎月1万円余るくらいでしたが。



相変わらずお金がない生活を続けていましたが、「このまま30歳を迎えたくない!」と強く思い、
「最後のチャレンジをさせてほしい」ということで、親に頭を下げてお金を借りて都内へジムを移し、
現在は満員の為ご新規のお客様をお断りするほどになれました。


続けてきて良かったと思うと同時に、
ど底辺の生活を経験出来て良かったと心から思っています。


恐らく経験しなくても良い経験かもしれませんが、
きっとあのまま会社にお勤めしていたら、100円の重みは分からなかったと思います。



いまは生活に余裕が出来たものの、あの生活には戻りたくないので、
身についてしまった貧乏性とともに、相変わらず質素な生活を送っています。



それもこれも全てAさんから始まりました。

たかが一人ですが、されど一人です。
何の仕事でも言えることだとは思いますが、お一人お一人のお客様を「人として」しっかり向き合うことが、何よりも大事だと痛感いたしました。


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