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認知症の理解〜③レビー小体型認知症〜

 今回は、レビー小体型認知症について整理をしていきます。レビー小体ってなんぞや?と何だかイメージしづらい名称ですが、見出し画像にあるような神経細胞を見つけたのがレビー博士という方なので、レビー小体と名付けられたようです。

レビー小体型認知症

1.レビー小体型認知症とは

 レビー小体型認知症とは、認知機能障害だけでなく運動機能や自律神経症状といった、パーキンソン症状を呈することが特徴。αシヌクレインというたんぱく質が大脳だけではなく、脳幹部や末梢自律神経にまで広く異常沈着することが原因とされている。

2.症状

 ①パーキンソン症状、②自律神経症状、③幻視、④うつ症状、⑤レム睡眠行動障害の大きく5つの症状が見られる。
 ①パーキンソン症状
 パーキンソン病を持つ方を見たことがないとイメージしづらいかもしれないが、ざっくり言うとアクセルとブレーキの調整が効かないような、動きに固さがみられるような、そんな状態。そのためパーキンソン症状として「動作が小さく、歩幅も狭くてちょこちょこ歩く」「手足の震えがある」「バランスが取れなくて、一度歩き出すとなかなか止まれない」なんて症状がみられる。そのため、ものすぐ転倒しやすくて、例えば大腿骨頚部骨折腰椎圧迫骨折を引き起こしてしまうこともある。
 ②自律神経症状
 生活習慣への支障としては、便秘やめまい、失神などが生じることがある。
 ③幻視
 「あそこに誰か立っている」とか、壁の傷を見て「虫が這っている」などと訴えることがある。現実にないものが見えるという症状は、他の認知症の特徴とは異なるため、幻視はレビー小体型認知症に特徴的な症状と言える。
 ④うつ症状
  比較的早期から、うつ症状を発症しやすい。アルツハイマー型認知症ほどではないが、記憶障害も併発することがある。
 ⑤レム睡眠行動障害
 レム睡眠とは、「夢見ている」状態。その夢を見ながら行動を起こしてしまうため、寝ているのに手足をバタバタと動かしたり、奇声を発したりする。

3.治療

 パーキンソン症状に対してはパーキンソン病の治療薬が用いられるが、レビー小体型認知症は薬剤に対する反応が過敏であるため、医療機関との連携が大切である。

4.次回

 これまで三大認知症である、アルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症について紹介してきましたが、まだ前頭側頭型認知症というものがあります。これらを理解すると、認知症の方に対して冷静そして的確な判断ができるようになるかと思いますので、次回は前頭側頭型認知症について整理をしていきます。
 最後まで、ご覧いただきありがとうございました。

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