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こころもみエッセイ。

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体をもんでゆるめるように、心ももんでゆるめられたらいいのにな、と思うことがあります。なにげなく読んだ文章で、心がふっとゆるむことってあると思う。
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記事一覧

ママ35才。左車線の左ハシッコを、ノコノコ走る勇気。

ママ35才。左車線の左ハシッコを、ノコノコ走る勇気。

EVトゥクトゥクという3輪の乗り物で、息子を小学校まで送迎している。

その乗り物に乗りはじめて、
もうすぐ1年だ。

小学校への道のりは、171号線という大きな道路をまっすぐまっすぐ走る。最高速度の標識には「50」という数字が表示されている。

その乗り物は、なんとか50キロまではスピードが出るけれど、電池が減っていくにつれて40キロくらいまでしかスピードが出なくなるという、なんだか不安定な乗り

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お花のお墓

お花のお墓

最近、家の中が私によそよそしい。

そんなことを思っていた。

いつも着ているコートも、いつも使っているテーブルも、いつもごはんを炊いている炊飯器も、いつも履いているスリッパも。

いつも歩いているフローリングも、いつも見ているテレビも、いつも用を足しているトイレも、いつもお味噌汁をつくるお鍋も。ぜんぶぜんぶ。

なんだか家の中にある物たちに、そっぽを向かれている感じがする。だから家にいてもなんだ

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7歳息子の寝起きがよくなった「朝の過ごし方」。

7歳息子の寝起きがよくなった「朝の過ごし方」。

小学校1年生の息子は、「朝」が苦手だ。

大キライだった幼稚園を卒業して、今の小学校に通いはじめてしばらくは、びっくりするくらい寝起きがよかった。

あれ?「朝」が苦手なんじゃなくて、幼稚園に行きたくないから「朝」が苦手だったのかも、と思ってホッとしていたのだけれど。

入学してしばらくすると、また寝起きが悪くなった。でも学校は楽しいとのこと。「入学ハイ」になっていて、なぜかスッキリと起きられてい

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自作絵本♪「発達障害って何だろう?」と考えてみた。

自作絵本♪「発達障害って何だろう?」と考えてみた。

小学校1年生の息子が好きなのは、「猫」と「黒色」と「戦い」だ。最近は、猫たちが戦いを繰り広げる物語の絵本を、黒い鉛筆1色で書くのにハマっている。

「母ちゃん、いっしょに絵本かこうよ。」

ある土曜日の朝、そんなお誘いを受けた。真っ白な紙を2枚、黒い鉛筆を2本準備して、2人で肩を並べて座卓の前にペタンと座った。真っ白な紙を目の前にして、なんだか妙にワクワクした。今からこの真っ白な紙に何を書いてもい

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息子のアタマのシラミと戦いながら、感じたこと。

息子のアタマのシラミと戦いながら、感じたこと。

小学校1年生の息子の頭に、シラミがわいた。

なんだか頭がかゆそうだなぁとは思っていた。ある日、ふと息子の頭皮を見てみたら、髪の毛の根元に白いフケのようなものがたくさんあった。手で払おうとしても取れない。

あ、シラミだ。ぜったいシラミだ。

そう思った瞬間、ゾゾゾゾゾ〜ッとして、自分の頭もかゆくなってくる。「アタマジラミが確認されました。」というメールが何度か学校から送られてきたことがあるので、

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子供との「最高の思い出」の作り方。

子供との「最高の思い出」の作り方。

大阪府の箕面市。小野原というところに、「コロッケ・クロケッタ」というコロッケ屋さんがある。

夏休みに友達と遊んだ時、そこのコロッケやお弁当を買って、その友達の家で食べよう、ということになった。

友達は、買ってきたコロッケと、お家で炊いたご飯と、インスタント味噌汁を食べていた。私と息子にも、インスタント味噌汁を分けてくれた。

私はからあげ丼と、チーズクリームコロッケを単品で買った。それらを、も

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「ひま」から生まれる、素敵な何か。

「ひま」から生まれる、素敵な何か。

夏休みがおわった。

私も仕事はポツリポツリしかせず、毎日息子といっしょに過ごした。

週に1〜2回は、友達と遊んだり、どこかに出かけたりはしたけれど、それ以外は近所や家でのんびり過ごした。

息子の学校は、決められた宿題がない。
そして、習い事は1つもしていない。

そんな息子の夏休みは、すべての時間が「自由」だ。

ここまで「自由」な夏休みを過ごしている小学生は、少ないのかもしない。

そう思

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ひとりっ子の夏休み、どう過ごす?

ひとりっ子の夏休み、どう過ごす?

夏休みがはじまって。

小学校1年生の息子と、べったりと過ごしている。まるで幼稚園に入る前の生活に戻ったみたいだ。

ふと幼稚園に入る前の生活を思い出してみる。

オムツだったよなぁ。
ごはんを全然食べてくれなかったよなぁ。
買い物に行くのも一苦労だったよなぁ。
外食なんて絶対したくなかったよなぁ。

母ちゃん、母ちゃんって毎日数えきれないくらい呼ばれて、なんだか抱っこばかりしていたなぁ。

うん

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お父さんの「愛し方」って、こんな感じ?

お父さんの「愛し方」って、こんな感じ?

どこの家庭でもあるあるかもしれないけれど、父ちゃんは息子と一緒にいる時間がすごく短い。平日の朝と夜に、ちょっとずつ会えるか会えないか。土日は仕事がなければ1日一緒にいるけれど、仕事の日もわりとある。

私が息子と一緒にいる時間と比べたら、きっと半分以下だろう。だからこそ余計に、一緒に過ごすときの「密度」が大切だよね、と思うのだけれど。

仕事で疲れているのはわかるけれど、土日は隙あらばソファに寝転

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もうすぐ夏休み。学童の申込みをしなかった理由。

もうすぐ夏休み。学童の申込みをしなかった理由。

「では梅川さん、こちらで靴をぬいでください。」

彼女がそう言ったので、キョロキョロ動かしていた目線を彼女の方に向けた。でもおかしい。彼女は私の方を見ていない。彼女の目線の先には、息子がいた。私にではなく、息子に向かって投げかけていた言葉だったのだ。

梅川さん。

私たち家族の苗字は「梅川」だから、もちろん息子だって「梅川さん」なのだけれど。息子はおそらく自分のことだと気づいていないのだろう。振

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家族の絆を深める「会話のタネ」の育て方。

家族の絆を深める「会話のタネ」の育て方。

小学校1年生の息子は、家では1人でトイレに行けないことが多い。

廊下が薄暗くて怖いらしい。理由は一応そう言っているけれど、きっと「なんか妙に怖い」というのが本音なんだろうと思う。どうしてそう思うのかというと、私もそうだったからだ。大人になって、さすがに昼間に怖いと思うことはなくなったけれど、夜にトイレに行くのは今だに怖いときがある。家を選ぶときに1番大切にしたことは「廊下が短いかどうか」だったか

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「お母さんを辞めたい」とググッてしまったら。

「お母さんを辞めたい」とググッてしまったら。

幼稚園が嫌いだった息子が、小学生になって。オルタナティブスクールに通うことになった。

毎日楽しそうに学校に通う息子を見ていると「ここに通っていれば、息子は大丈夫だ。」という根拠のない安心感に包まれる。

「息子に合っているだろう学校を選ぶ」という大仕事を終えて、ホッとしていたのはほんのつかの間。

幼稚園のときは預かり保育があったので、6時頃に迎えに行っていたけれど、今は4時に迎えに行っている。

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子供から「毒」を遠ざけるよりも大切なこと。

子供から「毒」を遠ざけるよりも大切なこと。

息子が通うオルタナティブスクールには、「給食」がない。つまり、毎日お昼ごはんを何かしら準備しないといけない。

大変だ。そりゃ大変だ・・・

入学する前は、毎日お弁当を作らないといけないなんてどうしよう、しんどすぎる、と思っていたけれど。

「うちは、おにぎりだけ持たせているよ!」

「この間は、ランチパックだけ持たせた!」

「毎日カップラーメンのお兄ちゃんもいるらしいよ。」

などなど、周りの

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息子を変えるのではなくて、私が変わろうと決めた。

息子を変えるのではなくて、私が変わろうと決めた。

3月の終わりのまだまだ肌寒い季節に、息子のためにグレーのパーカーを買った。

その何気ない購入が、私をあんなに悩ませるきっかけになるなんて、そのときはこれっぽっちも想像していなかった。

肌寒いときに、息子が気楽にはおれそうな上着を求めて、ユニクロの店内をウロウロしていた。

パーカー、いいかも。

そう思って、目についたパーカーを手に取った瞬間、うわぁ・・・と思った。最高の肌触りだったのだ。私も

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