食べログ

「食べログ」開設当初の戦略/マーケティングトレース note100本ノック 1/100本目


■はじめに

食べログは「失敗しないお店選び」をコンセプトにした、株式会社カカクコムのサービス。
ネットでお店探しをする際に起こりがちな「想像とは違うお店だった」というような失敗をなくすため、ユーザーの口コミと共に全国のレストラン情報を掲載する日本最大級のグルメサイトです。


そして今回は、約360万pv/日(2019年9月)を超えるサイトにまで成長した食べログについて、立ち上げから、マーケティング戦略までをご紹介します。

■食べログ開設経緯

-きっかけは身近な課題-

村上さん(食べログ発案者)自身も食べ歩きが趣味で、様々なサイトを利用していたが、なかなかいい店が見つけることができなかった。主に村上さんが感じた課題は3つある。
①隠れた名店の情報がないこと
だいたいのサイトは店がお金を出す広告型のサービスで、大規模なチェーン店や有名な店は載っていても、身近にありながらも知られていないお店が載っていなかった。

②情報の信頼感が持てなかったこと
サイトを見て実際にお店に行ってみると、店側の提供している情報とこちらの期待していたことが違っていたりしてがっかりすることが度々あった。

③地方の情報がない
グルメ本も『ミシュラン』や『ザガット』を始めとして数々出ていたが、ほとんどが大都市中心の情報。
地方の情報が乏しいだけでなく、書籍では掲載数にも限界があって、本当に行きたいと思える店が網羅されていなかった。身近なグルメ情報というと、無料誌の「ホットペッパー」やタウン誌、「タウンページ」のような地域の電話帳しかない状況だった。

-身近な課題をビジネスに-

そんな中、株式会社カカクコムは2005年に東証1部に上場を控え、勢いがあると同時に最初のパソコン関連でヒットした「価格.com」などのノウハウを他分野に応用していこうという流れで、新規事業を考えようという機運が高まっていた。

新規事業の候補には不動産や映画のサイトもあったが、上記で述べたグルメへの問題意識もあり、グルメガイドをぜひやりたいと応募したところ、幸いなことに新事業を任せてもらえたそう。

<参考⤵︎>




■ビジネスモデル

簡単に口コミレビューサイトのビジネスモデルの説明
-サービススタイル-
【リボン型】

2019-12-26 0.33のイメージ


ユーザーには「意思決定を助ける情報」を提供
飲食店などの多くは非常に細かいプレーヤーに細分化されている。整理されていない状態だと、選択肢が分からない上、意思決定の参考にならない。

店舗には「集客力」を提供
店舗のニーズ、ユーザのマーケティング、簡単に言うと「集客」。何もしなければ来ないであろう新規のユーザを来店へ繋げること。それが対店舗への価値提供。

食べログなどの口コミレビューサイトは両者の中間に位置し、両者の架け橋となる役割を担っている。


-マネタイズ-
①店舗への有料サービスからの売上
②広告(コンテンツ連動型広告と地域連動型広告)
地域連動型広告はサイト内の広告枠の位置がコンテンツ連動型広告よりも下だが、クリック率は1.5倍もあった。

■競合に打ち勝つための戦略

初期の店舗の集め方はグルメ本
グルメ本を買ってきて調べてはデータを手で打ち込んでデータベースを作成するという地道な作業から始めた。
サービス開始時は、6000店を掲載。
店側情報も無料で掲載し、全国に70万店以上ある飲食店をほぼ網羅したいという目標で増やしていった。



口コミの量へのこだわり
食べログ開設当初の2005年、口コミグルメサイトは、livedoorグルメやアスクユーなどのサイトが人気を集めていた。
中でもlivedoorグルメは、当時,数十万PV/日。
しかし、頻繁にレビューの書き込みをするユーザー数(以下レビュアー)は、500人だったそう。
食べログの村上さんは「たった500人でこんな大きなサイトが成り立つのか」と驚き、同時に「500人なら自分でも集められる」と考えた。
実施したレビュアーの集客方法はシンプルで、友人に声をかけたり、めぼしいブログのコメント欄に書き込んだり、先行サイト(livedoor グルメやアスクユーなど)のメッセージ機能を使って勧誘を行ったことである。
そして、有名なレビューアーが食べログを利用し、そのうわさが広がってユーザーが集まってきた。(いわゆるインフルエンサー的な)

村上氏曰く、口コミサイト成功の秘訣はサイトの雰囲気を決めるユーザーを最初にリアルでどれだけ集められるか

村上さん

<画像元 https://webronza.asahi.com/culture/articles/2012122000005.html  >

◎口コミの質へのこだわり
ユーザーから投稿された情報の質を担保するために行った2つの施策

①投稿文字数は200文字以上という制限付け

200文字以上という制限により、中身のある口コミが増加。さらに投稿された口コミはすべて目視チェックし、内容が具体的でないものや掲載にふさわしくないものはユーザーに修正を依頼していた。
(現在は100文字以内でも掲載されます。)

②優先度付け
優れた内容の口コミ投稿は、上位に表示されるようにし、お店探しの際にユーザーが良質な口コミを見ることができるようにした。

2019-12-26 14.06のイメージ

<画像元  https://tabelog.com/editorial/owner/tabelog_mediadata_1807.pdf >

◎プロフィール機能の充実化
口コミ数を増やすために「マイページ」機能を強化した。
具体的には、ユーザーが投稿するほど自分のページが育つようにしたことである。要するにサイトを乗り換えるインセンティブとして、自分のレストラン情報をデータベースとして作成できるようにしたのだ。


◎機能改善要望を集める掲示板の設置
食べログそのものの機能の充実を図るために、機能改善要望を集める掲示板を設置。
掲示板に書かれたユーザーの要望に対して、簡単なものは即日、遅くとも1週間で対応した。
さらには、2007年に開発環境をウェブアプリのプラットフォームとして定評がある「Ruby on Rails」に置き換えた結果、開発スピードがさらに加速した。

■おわりに

これらの戦略もあって、今では食べログはMAU(月間アクティブユーザー)が1億810万にも及ぶ日本最大級のグルメサイトにまで成長した。
ここまで成長した要因は多くあるが、その中でも村上さんが述べた「口コミサイト成功の秘訣はサイトの雰囲気を決めるユーザーを最初にリアルでどれだけ集められるか」という初期段階の壁をクリアしたことなのではないだろうか。

■感想

食べログについて調べるまで私は大胆で画期的なアイデアこそ大切な施策であると思っていました。(例えば有名インフルエンサーの起用や、有名サービスとのコラボなど)
しかし、食べログを調べていく中で6000店舗のデータをコツコツ手打ちで入力すること、レビューアー集客で他社サイトのレビュアーに連絡するなどという泥臭い作業がとても大切であると認識しました。
現在3.8点問題が話題になっていますが今回はそれについては触れませんでした!



この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
今日の運勢は大吉!!
2021年 4月から個人でC向けサービスを開発しています!更新止まっていますが、残り9本はアプリができ次第そのアプリのお話(施策やこだわりetc.)をメインに更新していこうと思っています。フォローしてくださった皆さんに少しでも有益な情報をお届けできるように努めます✨