クラシル

クラシル 初期ユーザー獲得戦略/マーケティングトレースnote100本ノック50/100本目

今回はクラシルです!

【企業名・サービス名】
dely株式会社・クラシル
【CEO】
堀江裕介さん
【リリース】
2016年
【説明】
料理レシピ動画アプリ『クラシル』 32,000件を超えるレシピを掲載。
国内最大級の動画レシピサービス。
【ユーザー数】
1500万DL(2018年12月)

■ビジネスモデル

クラシル ビジネスモデル

<画像元 https://ddnavi.com/serial/551318/a/ >

【後発ながら、他者にアプリで先行した理由】

2016年2月
料理レシピ動画に特化したメディアとして事業転換を図る

2016年5月
クラシルをスタート
それまでのキュレーションメディアの事業を全て捨てた

2016年の夏ごろ
Facebookの動画配信推奨などで、レシピ動画の人気に日本で火が付き始める当時スマートフォンの浸透率は日本の人口の5割を超えており、マス媒体よりも個々人に合わせた広告が始まろうとしていた。

当初、クラシルはSNS上のみでコンテンツを完結させる「分散型メディア」として展開を開始。
しかし、「アルゴリズムを握るFacebookの決定に左右される広告事業モデルは危うい」といち早く気づき、SNSに投稿したレシピを集約し、データベース化するために、「分散型」「アプリ」両方でユーザーを伸ばす戦略を実行。

料理動画はBuzzFeed が運営する「Tasty」や「DELISH KITCHEN」などが先行していたが、後発のクラシルはアプリで先行した。

クラシルが先行できた理由として、堀江さんは以下のように述べている。

他社は分散型を標榜して、FacebookなどのSNSにファースト・プライオリティを置いた。そこで見られるためには、話題になればいいので、実用的なものではなく、派手な料理を掲載する。
さらに、Facebookのアルゴリズムの仕組みによって、多くの動画を投稿するとユーザーに届きにくい表示になるため、1日に3、4件しか投稿できない。その為、他者は1日に3、4件しか動画を作らなくなった。
一方で、クラシルはアプリに主眼を置いたので、そんなこと関係なく1日に50件程度の動画をつくり続けた。つまり、クラシルは広辞苑を作っていたが、他者は週刊誌を作っていた。


【ターゲット】

20〜40代女性
料理をする頻度が比較的高い人
レシピを検索する人

【マネタイズ】

①タイアップ広告
料理動画の場合は広告を自然に表示することができる。例えば、料理の調味料、ヤマサの醤油や、キリンビールなどの広告だ。
広告を表示することは、利用者にとっていいことばかりではない。そのため、ユーザービリティを阻害しない範囲で収益化を行っている。

②ディスプレイ広告による収益

③有料会員
クラシルの有料会員は月額480円
無料と有料の違いとして、大きく6つの違いがある。
・お気に入り登録数
無料会員だとお気に入りに登録登録数は30である一方、
プレミアム会員は、10,000件のお気に入りに登録することができる。
・プレミアム会員限定レシピ

有料会員のみ閲覧することを許されたレシピがある
・プレミアム会員限定で閲覧できるランキング
有料会員のみ閲覧できる人気ランキングがある。
・カロリー表示
・広告非表示
・コメントの返信は有料会員が優先
クラシルにはコメント機能があり、運営の方がユーザーのコメントに返信する。無料会員よりも有料会員を優先して返信。


■自社サービスがS字カーブのどこにいるか分かる4つの数値

ちなみにS字カーブとは、
どのようなサービスでも初期は指数関数的な伸びを見せ、後期は成長率が下がって寝てくるS字カーブを描く。
また、どのようなサービスも、大きな変化がない限り長期的には必ずこのS字カーブで推移する。

S字

https://note.com/mkt66gs/n/n3b562f9d5beb >

以下の4つの数値を計測することで、今自社のサービスがS字カーブのどの位置にいるか理解することができるという。

【数値1】リテンションカーブ

リテンションカーブとは、獲得したユーザーが経過日数ごとに、どれだけ継続しているかを可視化した曲線のことを指す。

リテンションカーブ

https://review.foundx.jp/entry/retention_sequoia >

【数値2】リテンションコホート

リテンションコホートとは、獲得したユーザーが経過日数ごとにどれだけ継続しているかを、獲得日付ごとに分けて表にしたもの。
横軸に経過日数、縦軸に獲得日付、値に継続率を書く。リテンションカーブが平均値としての継続率であるのに対して、リテンションコホートは獲得日付ごとで分析できるので情報量が多くなっている。

リテンションコホート


【数値3】チャーンユーザー

前日から当日にかけてサービスの利用をやめて離脱したユーザー。
継続ユーザー数から逆算。

チャーンユーザー

【数値4】DAU成長率

DAUの前日比での変化率。
新規獲得数とチャーンユーザー数が釣り合うことで成長率は0に近づいていく。

DAU成長率

■新規ユーザー獲得 施策

S字カーブの位置がわかった次は、DAUが横ばいになる前に対策を打っておくことが重要になってくる。
そして、成長率を高く維持するには新規ユーザーの獲得数リテンションレートのどちらかを改善するしかない。

そこでクラシルが行なったことは新規ユーザー獲得に向けた取り組みであった。

【施策】CPAを下げる施策

CPA(顧客獲得単価)=広告費用 ÷ 新規ユーザー獲得数

新規ユーザーを獲得するペースを早くするには
①予算を増やす
②CPAを下げる


の2択となっており、前者は、資金調達などのグロースチーム以外のアクションが必要。後者は、グロースチームのみで行われる施策なので、リソースを割かない。よって、クラシルは後者の戦略を選んだ

行なった具体的な施策は、オーガニックで獲得できるチャネルを育てること。
また、オーガニックで獲得できるチャネルの例として、SEOによる検索流入、SNS流入、ASO流入、口コミ経由の流入などが挙げられる。

クラシルはInstagramでの流入施策を行った。

インスタクラシル

■Instagram運用

【クラシルのInstagram運用事例について】(2016年10月〜12月)

この期間にクラシルのInstagramアカウントは急激なフォロワー数の増加があった。

【フォロワー数】
 23万9210人 → 46万5204人
【期間内増加数】
 22万5994人 (94%増)
【増加平均 (日)】
 約2,456人

■投稿の特徴

【合計投稿数】
398投稿(約3ヵ月)
【平均投稿数 (日)】
4.33投稿(11月以降は5投稿必達)
【ハッシュタグ数】
18~21個
【ハッシュタグ内容】
#japanesefood #簡単レシピ#今日のご飯  #手作りごはん #クラシル #料理名(どんなにニッチなものでも)など
【投稿内容】
・動画での投稿
・コメント欄:料理の作り方
・コメント欄:「おいしくできたら #クラシルレシピ で投稿お待ちしてます」のメッセージ

2020-01-15 23.15のイメージ

【最近、効果のあった投稿方法】

2020-01-16 12.53のイメージ

「もやしを使ったレシピ3選」など
レシピ動画を1本だけ紹介するのではなく、カルーセルにしてまとめ動画にして出す施策は保存数を上げる効果があったと述べられている。

レシピ1つの動画を出すことより、日常的に使える「もやし」や「キャベツを使ったレシピ3選」という投稿の方がニーズが高いのかもしれない。

保存数が増加することで、エンゲージメントが高くなり「発見」タグにも出やすくなる。それにより、ユーザーの目に触れる機会が増えるのだ。

【競合との違い】
・投稿本数
競合は1日2本の投稿に対し、クラシルは5本と投稿数で上回る
・UGCの生成
「おいしくできたら #クラシルレシピ で投稿お待ちしてます」のようにUGCを作って、アカウントの認知度を拡大している。

■ストーリーの活用

クラシルストーリーズ

クラシルのストーリーは、Instagramが提供しているテキストやイラストを使うのではなく、自社で作成したデザインで投稿している。

またフォロワー1万人以上のアカウントのストーリーには、リンクを貼れるInstagram独自の機能を活用してYoutubeアカウントへの誘導も行っている。

■その他

クラシルはInstagramのアカウントを複数運用している。例えば、スイーツに特化したアカウントやヘルシーな食だけを投稿するアカウントなどである。

■感想

今回は、Instagram運用とS字カーブのいちを知るための4つの数値が特に勉強になりました。

クラシルのように、Instagramの運用によって、質の高いフォロワーを獲得すれば、アプリのCPAを下げることができます。改めて、SNS運用の大切さを認識できました。

【自分がマーケターだったら】

1点だけ疑問に感じたことがありました。
クラシルをDLした後に、自分のアカウントを作成する際に

クラシル ログイン

このように、連携先がFacebookとGoogleの2つになっています。
ここにInstagramのアカウント連携がないことに疑問を感じました。

Instagramの連携ができると、何がどうなるのか?
アイデアベースですが、


クラシルのアプリには、"たべれぽ"というユーザーが作った料理を投稿できる機能があります。

そこに、投稿するついでにInstagramにも投稿できるという機能をつけることで、Instagramで料理アカウントなどを持っているユーザーの獲得に繋がるのではないかと感じました。

また、今よりも多くのUGCがインスタ上で生まれる導線にもなります。

ご愛読ありがとうございました!!

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ありがとうございます!100本目指して頑張ります!
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