見出し画像

小紅書(Xiaohongshu) Little RED Bookマーケティング戦略/マーケティングトレースnote100本ノック88/100本目

こんにちは!今日は小红书(Xiaohongshu;Little RED Book)という中国のECサービスです。このnoteでは省略してREDという名前で書いています!

■概要

【企業名・サービス名】
小红书(Xiaohongshu)
【リリース】
2013年
【本社】
上海
【ユーザー数】
約1~1.5億人(中国ユーザー)
【説明】
AmazonとInstagramを掛け合わせたようなサービス。Homeボタンを押せば動画と画像のコンテンツが出てくる。(UIはPinterestに近いイメージ。)

画像2

コンテンツ内容はファッション系や化粧品系が多い。

一方で下のタブのStoreボタンを押したら、

画像3

中国のKOLがLive配信をしながら商品を販売していたり、Amazonのようにシンプルに商品を検索して購入することができる。

REDのユーザー層は比較的若く、2017年に発表されたデータによると同年にREDをインストールした新規ユーザーの7割が1995年以降に生まれた22歳以下のユーザーであった。

またREDは購入率も高く、CVRは8%であり競合の中国ECサービスTmallのCVRが2.6%であるのに比べるとかなり高い数値を出している。さらに、REDの多くのユーザーは、月に平均3回REDを利用して商品を購入している。

■REDリリースまでの経緯

REDの始まりは香港だった。
香港には海外の様々なブランドの服や化粧品を取り扱う店が立ち並んでおり、ショッピングをお目当てに香港に訪れる中国人が多くいた。
だが当時の旅行者は海外のブランドに興味はあるものの知識があまりなく「どのバッグを最初に買ったらいい?」「税金の払い戻し方法を教えて!」など定員さんに多くの質問をしていた。その様子をみたCharlwin Maoさん(後のRED創業者)はブランド知識にニーズがあると実感し、中国国民へ海外ブランドの十分な情報を提供するLittle Red Book Hongkong Shopping Guideというガイドブックを作成することに決めた。
これは香港に旅行に行く際に知っておくべきことのような内容で書籍のような形式で販売した。購入数が尋常でなかったため、アメリカ版もPDFで作成。これも1ヶ月に50万ダウンロードされた。

その後、2013年に中国でスマートフォンユーザーが増加したため、PDFではなくアプリで海外旅行ガイドブックを出そうと決めた。

そこで作成したアプリの内容は、旅行をし終えたユーザーが買い物体験についてのコンテンツを作成・共有し、これから旅行する予定のユーザーがそのコンテンツを参考にファッションと美容の買い物リストを作成するというものである。

そして情報共有アプリとして旅行と買い物が好きの女性ユーザーを獲得した後、彼女たちから絶大な人気のある海外のブランドと提携を組み購買機能を付けて今のREDへと至った。

■STP分析

Segmentation

人口動態:18~35歳の女性
地域性:中国のTier1,Tier2都市が中心
嗜好性
■Home(Instagram機能の方)
[閲覧者側]
レビューや推しのKOLが紹介する商品情報を購入の検討材料にしたいユーザー。
[情報提供者側]
自分が買った商品の良さを他の人にも共有したいユーザー。
■Store(Amazon機能の方)
[販売者側]
ブランド系の企業もしくはブランドに自社商品の販売をお願いされたKOL。
[購入者・閲覧者側]
Home画面で見た商品を実際に買いたいユーザー。
推しのKOLに憧れていて、彼ら彼女らがLIVEで紹介する商品を購入したいユーザー。

Targeting

嗜好性を軸にターゲットを具体化すると、
■Home
[閲覧者側]
・美容などのトレンドを知りたい比較的若い女性
・好きなKOLに憧れを抱き、さらに美容やファッションが好きな女性
・旅行前・旅行中に買い物リストを作成する手段の1つとして使用したいユーザー
など
[情報提供者側]
・様々な化粧品などを試すことができる比較的裕福なユーザー。
・自分が好きな美容やファッションの分野で有益な情報提供を行うことでフォロワーを増やし、RED内で有名になりたいユーザー。
など
・若者から人気のあるモデル
■Store
[販売者側]
・若者から人気のあるモデル
・Weiboなど他のプラットフォームで有名なKOL
・REDでコツコツフォロワーを増やしたKOC(Key Opinion Customer)
[閲覧者・購入者側] 
・美容などのトレンドを知りたい比較的若い女性
・KOLに憧れを抱き、美容やファッションが好きな女性

Positioning

ECサービスのポジショニングマップを作成した。

スクリーンショット 2020-07-20 0.41.51

横軸:ユーザーが商品を買うときの判断基準
・人やレビューを見てから紹介されている商品を見るか
・商品を見てからレビューを見るか

縦軸:販売敷居が高いか低いか
Douyin(中国のTikTok本家)(右下):1,000フォロワー以上獲得すれば商品を販売しても良いと言われている。
RED(右上):10,000人以上のフォロワーを集めたユーザーがREDのKOLとして認定される。企業からの案件依頼を待たないといけない。
TmallやTaobao(左上):これらは基本的に店舗しか出店できない。
转转(左下):中国のメルカリのようなサービス。個人での販売の敷居は低い。

■ユーザー体験向上機能

【施策1】コンテンツの質の評価

REDはTikTokに近しいアルゴリズムを採用している。フォロワー数に関係なく良質なコンテンツがタイムラインに流れやすくなっているのだ。仕組みはビッグデータを活用したコンテンツのランク付けである。ランクが高いほど多くのユーザーのタイムラインに流れやすくなる。

【施策2】パーソナライズ

インストール後起動時の趣味選択、年齢、閲覧履歴の3つのデータを統計してタイムラインに興味がありそうなジャンルのコンテンツを流している。

ただ購入履歴はアルゴリズムに反映していないため、例えばユーザーが赤色の口紅を閲覧して購入した場合、タイムラインには別の色の口紅が流れてくることもある。

【施策3】Board機能

InstagramのSave機能と同じようにREDにも保存機能がついている。これによってユーザーはお気に入りのコンテンツを何度も見ることができ、商品の見比べなどをすることもできる。

【施策3】独自の在庫を保有

REDは商品を独自の在庫倉庫で保管しており、品質の良い状態で素早くユーザーに商品を届けている。
在庫倉庫を持つまでの道のりは長く、アプリにEC機能を実装した一番最初は、必ず売れそうな商品を1日1個のペースで仕入れて販売していたそう。そこから10個仕入れて販売、20個仕入れて販売と徐々に販売数を増やしていった。

【施策4】実店舗の開店

上海、寧波、蘇州、常州にREDの実店舗を開店し、オフラインでも商品の購入ができるようにした。またRED独自の商品も販売している。

【施策4】虚偽レビューの削除

REDには一時期商品レビューに虚偽の情報が蔓延するトラブルが起きた。その際にアプリストアから約3ヶ月REDは姿を消し、悪質なレビューの一斉削除に取り組んだ。(これは中国政府からのお願いもあって行った施策だったそう。)この3ヶ月の間に虚偽情報のレビュー120万件と100万件のアカウントの削除を行った。

現在も虚偽のレビューが出ているが、機械学習ツールと人力で虚偽レビューの削除に取り組んでいる。


■ユーザー獲得施策

【施策1】インフルエンサーマーケティング

REDはEC機能を実装した当初、アリババなど他のECサイトと価格面での競争を余儀なくされた。価格ではなかなか太刀打ちできないため、REDはKOLを活用した販売に着手することにした。
方法としては、KOLに独自のアカウントを開設・商品紹介をしてもらいユーザーからの購入を促進するという方法であった。具体的な事例でいうと、ファンビンビンさんという女優はご存知だろうか。ファンビンビンさんはハリウッド映画にも出演する大物女優で、彼女はREDで自分のアカウントを開設し、1ヶ月で約60万人のフォロワーを集めた。そしてREDでフェイスマスクを紹介したところ瞬時に売り切れた。結果ファンビンビンさんがユーザーに「もっとマスク発売しろよ!」となぜか怒られてしまったそう。
REDはKOLを活用した販売方法でEC機能を盛り上げたのである。

【施策2】KOLとのブランドパートナープラットフォーム

REDは施策1とは別で、2018年にブランドパートナープラットフォームという機能を実装した。これはブランド企業の商品広告に中国のKOLを連携させるものである。具体的には、ブランド企業がREDで商品の広告を出す際に、KOLを起用して動画や画像で宣伝できる仕組みだ。

2018年には約8,000のブランド企業(日本からも資生堂など)がブランドパートナープラットフォームに登録しており、KOLも4,800人が登録している。(現在はもっといる。)
また企業側は、登録しているKOLのコンテンツの高評価数、投稿ごとの平均エンゲージメント数とコメント数、ファン数などの主要な指標を見比べて自社の広告モデルを選択することができる。

これはYouTubeでよくあるスポンサーシップ動画と形式的に似ており、企業がKOLに商品を紹介してもらう際には報酬を支払う必要がある。

また、ユーザーが広告なのかを判別できるようにするためにスポンサーコンテンツであれば必ず明示しなければならない決まりがある。もしルールを破った場合はKOL側に賠償金が請求される。

■感想

【自分がマーケターだったら】

REDのマネタイズは大きく3つあり、
①ブランド企業の出店料金
②広告
③自社ブランド商品の売り上げである。
ブランド企業の製品が購入される際の手数料は取っていない。

今回はブランド企業からの出店数を増やすための施策を考えてみた。

【施策】海外ブランド(特に日本)からの出店数を上げる

前提として既にREDは日本を初め海外の多数の海外企業と代理店契約をしており、出店したいブランド企業は代理店を通して(or直接出店も可能??)審査に通るとREDに出店することができる。
過去にREDで一般ユーザーに紹介された日本の商品が店頭で速攻売り切れになるなどの出来事もあった。ここから中国の市場に自社商品を売りたい日本の企業がまだまだ多くいるであろうと推測した。

今回、海外(主に日本)からの出店企業を増やすにあたって考えた施策は2つある。

①海外の代理店企業との連携強化
日本のブランド企業の多くは、REDへの出店の仕方やその後のモール運営の方法などについての知識があまりないと考えている。そのためREDに代理出店事業を行う2B企業が日本国内に存在している。
どのような契約か不明だが、今回は代理店事業を行う2B企業はブランド企業がREDへ出店するときに、手数料を数%もらうビジネスモデルであると仮定した。
そのパーセンテージを現在よりも高くすることで既存の代理店が現状よりもREDへ出店したいブランド企業を探すことへの優先度を多少あげてくれるのではと考えた。もしくは新規でREDへの代理出店事業を行う企業も増加するのではないかと推測している。

②海外企業は初月出店料金無料
若干出店のハードルが下がるのでは。売れなかったら契約を切れば良いため。

これら2つの施策はどちらも出店数を上げることをゴールとして考えたため、出店するブランド企業側はREDで商品が売れなければ契約を切ってしまう。

そのためREDは長く契約し続けてもらうために、KOLと協力して海外のブランド企業を支援するプログラムなどがあればその後も継続して海外のブランド企業が出店し続けてくれるのではないだろうか。

ご愛読ありがとうございました!

最後に!!
「この海外サービスについてのトレースが読みたい!」ってリクエストがあればTwitterのDM送ってもらえたら嬉しいです!C向けサービスだったらもっと嬉しいです!

会社のブログも面白いですよ!



この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
ありがとうございます!100本目指して頑張ります!
7
ここで海外マーケしてます。https://majisuke.com/