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自分に相応しい仕事とは?

終身雇用制度の崩壊が叫ばれている今日。さらにコロナ禍よって、働き方を見直す機会も増えました。
とはいえ、サラリーマン稼業を続けている人もまだまだ多く、私もそのうちの一人に該当しています。

先日、勤続年数が15年を突破したことで、会社から記念品を頂きました。今の仕事を何気なく始めてみた。ふと気付いてみると10年以上も月日が経っていた、そんな印象を感じています。

 仕事を選ぶ理由は 人それぞれ

現在の仕事を選んだ理由は、家から近くて残業も少なめだからという半ば安易な気持ちからでした。

それでも化学寄りの専門業務や解析業務があったので(いちおう理系出身)、自分なりに最低限の見極めはしていたと思います。

当時は豪州でのワーキングホリデーを終えた直後だったこともあり、同僚からも「この会社ではあまり長続きはしないだろう」と思われていましたし、(直に言われたこともある)自分でもそう思っていました。

ところがどっこい!
15年も同じ会社で働き続けているのだから、人生は分からないもの。

ちなみに自分の職場は、地元小学校の校外学習訪問先にもなっているので、必然的に小学生と対話する機会があります。

その際に必ず受ける質問の一つ
「どうしてこの仕事を選んだのですか?」

もしもストレートに本音を伝えることができるのならば「家から近かったから」とか「給料はそれほど悪くなかったので」という生々しい回答になってしまいます。
流石に小学生や学校教師相手に、身も蓋もない対応はマズイ訳で...。

結局「解析業務に興味があったので」とか「頭脳ばかりでなく、体力も使う仕事が自分には向いているので」という差し支えのない回答(もちろん嘘ではない)で毎回、納得してもらっています。

普段の生活内で、仕事の本質や意義について考えることはほとんどありません。
しかし自分の場合は第三者を介してですが、労働と己自身の相対関係を見詰め直す機会があることは、実は仕事を続ける上でとても大切なことなのかもしれません。

生職と適職と天職

仕事は主に、ライスワーク、ライクワーク、ライフワークの3つに分類分けができると言われています。

ライスワーク(生計を立てる為の仕事・生職)

いわゆる自分の生活を維持していくために行う仕事。その内容が好きや嫌いにはかかわらず、給料を稼ぐことで己の生活基盤を築きあげていく


ライフワーク(自分の性格や能力に適している仕事・適職)

仕事が好きであると感じたり、自分に向いていると感じる、ストレスなく働けるような仕事です。


ライフワーク(人生をかけても良いという仕事・天職)

自分はこの仕事をするために生まれてきた感じる仕事。仕事をすることで充実感や満足感を得られる


私が今携わっている仕事のスタートは、ライスワークでした。実際私は、「仕事とは忍耐、我慢料がお給料」とも考えているからです。

ところが、仕事の経験値が高まるにつれて、少しずつやりがいや心地良さを感じられるようになっていったのです。

ライスワークワークから少しずつライクワークに昇華していったイメージがしっくり来ると思います。

 じゃあ、このまま同じ仕事を続けていけば、最終的にライクワークに繋げれるのかというと、それも違うような気がするのです。

天職とは他者の懇願から

仏文学者であり武道家でも名を馳せている内田 樹氏は、自身の書籍内でこのような仕事論を展開しています。

潜在能力が爆発的に開花するのは、自分のためというよりは、むしろ自分に向かって「この仕事をしてもらいたい」と懇請してくる他者の切迫だということです。

引用:「街場のメディア論」

「自分が何をしたいか」「自分には何ができると思っているか」には副次的な意味しかありません。こと生得的才能に関しては、自己評価ほど当てにならないものはありません。

引用:「街場のメディア論」

街場のメディア論 (光文社新書) | 内田 樹 |本 | 通販 | Amazon

天職は自分で見つけるのではなく、他者が探してくれるものとはなかなか深い真理だと思います。

例えば遠くの画面表示や看板文字が見えない人がいるのならば、視力良い人が変わりに読んであげる。紐結びで悪戦苦闘している人がいれば、手先が器用な人が代わって結んであげる。

私たちの日常生活に置き換えてみると、こんな感じになるのではないでしょうか。

つまり天職とは、全て人助けに直結する世界なんだと思います。
ただし、その能力がいつどうやって判明するのかは誰にも分からない。明日かもしれないし、10年後かもしれない。はたまた、分からないままで人生が終わることもあり得る訳です。

それでも私たちの仕事が、人の為に世の中の為に存在しているのは間違いありません。

まずは自分から率先して動くことで、何かを少しずつ変化させていく。さらに日々精進しながら、小さな変化を積み重ねていくことで、成功に少しずつ近づいていけるのではないでしょうか。

天職とはなかなか難しい哲学なのです。

ここまでご愛読ありがとうございました。


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