第3話「組織の定義づけ」
2.0 定義づけをするために
ドラッカーのマネジメントでは、組織についてこのように書かれています。
あらゆる組織において、共通のものの見方、理解、方向付け、努力を実現するには、「われわれの事業は何か、何であるべきか」を定義することが不可欠である。
さらに、定義づけする際には、
「われわれの事業は何か」との問いは、ほとんどの場合、答えることが難しい問題である。わかり切った答えが正しい事はほとんどない。
と、書かれています。そして、事業は「何か」答えるときに次のように書かれています。
企業の目的と使命を定義するとき、出発点は一つしかない。顧客である。顧客によって事業は定義される。
これらを受け、顧客→事業→組織の順で定義し、私たちの「学校」という組織の定義を考えていきます。
2.1 顧客は誰か?
一般的に考えれば顧客は「子ども」でしょう。しかし、「わかりきった答えが正しい事はほとんどない」そうなので、深掘りします。
次に思い浮かぶのが「保護者」
もっと深掘りします。その学校がある「地域」
だんだん広がりますね。
給与がどこから支払われているか考えると、「県」です。なので、所属校の「県」まで顧客が広がります。
更に、「学習指導要領」なんてものもあります。学習指導要領は、全国で同じものを使っています。すると、「日本全体」まで広がってしまいました。
私達の仕事に対するお金の目的について考えてみると、「子ども」への教育について支払われています。これを私は、「未来への投資」として考えます。
これらの事から考えると、顧客について私は
「日本の未来」
として、定義する事にしました。
ここでいう「日本」とは、ナショナリズム的なものでなく、日本全体と捉えていただきたいと思います。
2.2 事業は何か?
こちらも一般的に考えれば「勉強を教える事」でしょう。しかし、「わかりきった答えが正しい事はほとんどない」ので、深掘りします。
そもそも勉強は何のためにするのでしょう?「いい大学にいくため」「就職するため」「自分のため」というような言葉をよく聞きますが、私はしっくりきません。
私は、
「自分の力を人の役に立てるため」
と、考えます。そして、
「人の役に立つ事を喜べる事」
も大切な学びだと考えます。
ここでいう「役に立つ」とは、「搾取される対象になれ」と言っている訳でなく、「他人も自分も幸せになる方法を考えて行動できる」事としています。
そして子ども達は将来、仕事に就きます。自分の仕事が他人の幸せにつながり、誇りを持てるよう成長させたいものです。
これらをまとめると、私達の事業は
「人の役に立ち、幸せになる方法を身に付けさせる」
と、私は定義します。
2.3 組織について
それでは、これらをもとに我々はどんな組織なのか定義づけます。私たちの組織は、日本の未来(顧客)から
「幸せになる方法」
を求められていると考えます?したがって、
「日本の未来(顧客)を幸せにするための組織」
と、定義できるのではないでしょうか。幸せは前述しましたが、「人の役に立つ事への喜び」です。
つまり私たち教師は、目の前の子どもだけでなく、日本全体を幸せにする事ができる組織だと考えられます。そう考えるとなんともすごい仕事についたと感じます。
私は、これらの定義づけを通して、「これは幸せにつながっているのだろうか?」と、実践や一つ一つの言動についても色々と考え直す事ができるようになりました。
(すぐには成果にはつながりませんが前には確実に進んでいます。)
みなさんはいかがでしょうか?自分たちの組織をどのように定義づけますか?
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