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人事×ブランディング戦略でシナジーを生み出す組織、その名も「ピープル&ブランド本部」

私は、普段奥さんに買ってもらった服を着せられています。
服を自分で選べません。
めちゃくちゃ「ファッション」や「ブランド」という言葉に苦手意識があります。

最近、昔の同僚の前で、macを使っていたら「西尾さんがmacを使っているなんて、違和感しかない」という言葉を頂きました。

でも、そんな私は、会社ではブランディング戦略を進めている部署の管掌役員をやってます。

その名もピープル&ブランド本部。

この「ブランド」っていう言葉がなかなかの重荷でした。
今でも重たいことには変わらないですが。

そんな「ブランド」という言葉からは、100馬身ぐらい離されている自分がどういう思いでこの本部を立ち上げて、何を目指しているのかをお伝えできたらと思います。

ピープル&ブランド本部でやってること

ピープル&ブランド本部は、主に人事部とBX(ブランドエクスペリエンス)部の2つの部門とCHRO室で構成されています。

CHRO室は、特命事項を担う組織です。といってもメンバー1人です。
これはこれで、重要な組織で、面白いところではあるのですが、ここはまたご紹介できたらと思っています。

人事部は、「新卒採用」「中途採用」「人事制度や働き方などの立案企画をする組織開発」「各事業部と連携して、人事支援を行うHRBP」の役割を担っています。
BX部は、会社のミッションやビジョン、カルチャーをデザインに落として可視化する「デザイン機能」とともに、それらを社内外に伝える「広報機能」を持っています。

「Chatwork」がどういう会社として見てもらいたいか。
いわゆるブランディング戦略を担っている組織になります。

ブランディングの重要性

冒頭に書いたとおり「ブランド」という言葉に全く関心がなく、むしろ逃げてました。

しかし、ブランディングというものが重要だと体感した状況がありました。
2020年からのコロナ禍です。

Chatwork社では、2020年の1回目の非常事態宣言から、原則在宅勤務となりました。
一方で、戦略を中小企業に集中したことと、コロナの中での在宅勤務のニーズが一気に増えて、当社でも人員の増強は必須となり、一気に年間100人程度の採用を行いました。

「決算説明資料_2022年12月期 第1四半期」一部抜粋

しかし入社はしてもらったけど、新入社員がオフィスに来ることもなく、はじめからフルリモートで勤務をしていました。

主に同じチームの上司や同僚との接点のみ。

「Chatworkらしさ」を体感してもらう機会が激減し、全社員がもつ「共通言語」のようなものが薄れてしまい、既存の社員と新入社員との会社に対する理解度の差や、それに起因するマネジメントコストの増加やパフォーマンスの低下を招いてしまう懸念がありました。

そこで、半年に1回に行っている全社合宿を、しっかりと会社のカルチャーを体感してもらい、同じ方向に向いてもらえるような機会にしたいと、人事を中心にイベントを作り込みました。

現在では「Cha会」と呼ばれているこのイベントですが、会社が目指す世界観を解像度高く知ってもらいたい、そして、会社としての「一体感」を感じてもらおうと、人事だけではなく、会社のブランディングを行っているデザイナーや、配信機材に詳しい社員などと協同して、企画・運営をしました。

これが、特に新しく入社していただいた社員を中心に、高い評価をいただき、「Chatworkっていう会社に入ってよかった」という感想を多くいただくことができました。

2021年12月のCha会の様子


こういう体験を社内にも社外にもしてもらうことが重要で、Chatworkの一番の武器になり得るものになるという手応えを掴みました。

こういった体験を社内・社外問わずしてもらうことが「ブランディング」になるのかと自分の中で、イメージが繋がった瞬間でした。

ピープル&ブランド本部誕生

「Chatwork」というブランドを内外に伝えることが重要であることは、腹落ちして理解しつつも、その戦略が当時まだありませんでした。

一方で、すでに高品質のクリエイティブを制作する能力がある部門が社長直下にあり、こちらは作ったものをどのように広げるかというところに課題を持っていました。

またブランディングと人の採用や育成も大きく関連していることも、コロナ禍での様々な施策の中で実感するところでした。

そこで、人事部、広報部とを同じ本部に置くことで、ブランド戦略、インナーコミュニケーション、人材育成、外部へのブランド伝達を同じ本部で一気通貫して戦略的に行えないかと考え、ピープル&ブランド本部を立ち上げることになりました。

ブランディングの部署であるBX部の立ち上げ経緯については、マネージャのハヅキさん(@hazuki8mona)が詳しくnoteに書いてくれてるので、こちらも参照ください。
新設「BX部(ブランドエクスペリエンス部)」始動してました

ピープル&ブランド本部ができてよかったこと

こうしてできたピープル&ブランド本部、ここまで1年半ほど運営してきました。
なかなか他社で、人事やブランディングの部署を1つの本部にして運営しているところがなく、自分自身も人事もブランディングもほぼ未経験に近い領域で手探りで進めてきたところはあります。

ただ、それぞれに知見があるメンバーも多く加入してくれて、ここまでは、多くの効能を得ることができていると思っています。

①人事が会社のブランディングの立案から携わる機会が得られること

人事部は会社のブランディングを「理解する」ことで、そのガイドに沿ってどういった人物を採用するのか、どのような制度があったらいいのかなどを考えるのが一般的なのかなと理解しています。

当社では、人事部とBX部が近くにあることで、ブランド戦略がどのようにして作られているのか、会社のブランドはどうあるべきなのかを、リアルタイムで知ることができます。

また、ブランド戦略の立案についても、携わってもらうこともできます。

ブランド戦略を理解するだけではなく、一緒に作ることで、採用であれば、候補者の能力やカルチャーマッチの要件設計、組織開発であれば制度設計を上流から解像度高く持つことができ、質の高い業務遂行が可能になります。

②ブランド戦略にそった高品質のクリエイティブが量産できる体制になったこと

会社自体には、クリエイティブを作成する能力はもともと高く持っていたのですが、部門としてブランド戦略を策定することで、ガイドラインを作り、それに沿ったクリエイティブを作成することができるようになりました。

また、かなり特定のデザイナーに属人化していたクリエイティブが、部門にすること、そしてガイドラインにすることで、チームのナレッジにもなり、クオリティの高いクリエイティブを量産することが可能になりました。

③人事とブランディングのシナジーにより、バリュー浸透など、会社の中長期に重要な施策が一気通貫でできるようになった。

社内イベントやバリュー浸透施策としてのクレドやカルチャーブックの作成など、人事とブランディングの部署が協同して行うことはたくさんあります。

会社の中長期に重要な施策を一気通貫して持てることで、施策のスピードを上げることができ、結果として、マネジメントコストの低下など、事業戦略達成のスピードアップする土台を速く作ることが可能になっています。

これからどうしていきたい?

この部門の責任者として、目指したい姿が、「人材輩出企業」です。

新卒や中途の社員が、Chatworkという会社を経験することで、市場価値を向上させ、社内での活躍はもちろんですが、Chatworkという会社を卒業しても、他のフィールドで活躍できる人材になってもらいたいと考えています。

Chatworkのミッション・ビジョン・バリューに触れ、成果を出して、外でも成果を出すと
「Chatwork出身者は優秀な人が多い」という主に、採用市場でのブランディングになり、優秀な候補者がChatwork社に入社を希望して、更にその人達が市場価値を向上させて・・・といった、ポジティブなループになり、会社としてもミッション達成へ速く力強く近づくことができると考えています。

人とブランディングは、会社の永続的な成長に対して、切っても切り離せない関係性だと考えています。

「ピープル&ブランド本部」という名前は、その意志を強く込めたものでもあります。

ということで、まずは、その責任者である自分自身が、社内や社外から「うちの会社はダサい」って思われないように、頑張りすぎない程度に頑張ります。


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