親の相続ミニ知識 番外編 おひとり様の相続 その3(何も準備せずその日を迎えたらどうなるの?)
こんにちは。ゆうき行政書士事務所です。
一家で胃腸炎になってしまい更新が滞ってしまいました。皆様もどうかご自愛くださいませ。
さて、前回までは財産があるケースで遺言執行者や死後事務委任契約で準備をしていた場合をご照会しました。今回は、遺言などの準備をせずお一人でお亡くなりになった場合にどうなるかを見ていきたいと思います。
お一人でお亡くなりになった場合の流れ
まずは警察にお世話になります。
何らかの形で発見された後、発見者が警察に通報します。(死体を見つけたら通報しますよね)警察の方が検死と身元の確認をします。
旅行中に死亡した人としての対応になるかも
身元が判明し引き取り手がいるかによりフローが変わります。
①身元が判明しなかった場合
「行旅病人及行旅死亡人取扱法(こうりょびょうにんおよびこうりょしぼういんとりあつかいほう)」に従い、死亡地の市区町村が埋葬、火葬を行います。
②身元が判明しても親族などの引き取り手がいない場合
「墓地、埋葬等に関する法律」に従い死亡地の市区町村が埋葬、火葬を行います。
③身元が判明して親族などの引き取り手がいた場合
親族などに引き渡されます(基本は火葬前のようです)
財産はどうなるの?
①②の場合は、対応した市区町村が埋火葬のために残った財産を使います。
さらに残った財産がある場合、もしくは埋火葬の費用が足りなかった場合、相続人を探します。
相続人が見つかった場合は財産の引渡しまたは請求をしますが、
相続人が見つからなかった場合は、
A)金額が大きい、相続人が1人もいないなどの場合
相続財産清算人(民法951条〜959条)を選任して清算・管理することができ、更に残った財産があれば国庫に帰属します。
B)金額が小さいとき、相続人が見つかったものの受領について揉めている、一部相続人と連絡がとれないなどの場合
財産は供託所に供託できます。(民法494条)なお、供託所に預けた財産の払渡請求権の時効が過ぎた場合は国庫に帰属します。
なお、A,Bどちらの対応をするかは自治体の基準によるようです。
ご参考までに、、、
厚生労働省と法務省が作成した手引きで、お一人でお亡くなりになった場合のフローチャートがありますので掲載します。
参考になることがたくさんあるので、更にご参考までにPDFのリンクも掲載します。
「身寄りのない方が亡くなられた場合の 遺留金等の取扱いの手引 (改訂版)令和3年3月 (令和5年7月改訂) 厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生課 厚 生 労 働 省 社 会 ・ 援 護 局 保 護 課 法 務 省 民 事 局 民 事 第 一 課 法 務 省 民 事 局 商 事 課 法 務 省 民 事 局 参 事 官 室」
https://www.mhlw.go.jp/content/001150841.pdf
雑感
お一人でお亡くなりになると、埋葬や財産もですが、死亡届は誰が出すのか、財産とは言えない遺留品はいつ処分するかなど、多岐にわたって大変であると改めて思いました。
必ずくる「その時」について、備えておけたらいいですね。
次回はテーマを変えて、定款認証手数料が今年中に安くなることを中心に会社設立についてご紹介したいと思います。
読んでいただきありがとうございました。