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坂道で

坂道で、
君へ話そうとしたけど、
話せないでいた。

今日のことや昨日のこと
未来のことを
話そうと思ったけど。

そんなとき、
街路樹は
不吉そうに
黒く
笑うように揺れていた。

なぜだか
ずっと震えてしまって
一人でいると
嫌な予感がしていた。

坂道で、
歩いていて
あとまだもう少し、
終わるまでには
時間があるから。

きっと、
坂道が終わるまでには
君に何か話せるだろう。

人生は夢みたいに過ぎていくし、
忘れては覚え、
覚えては忘れていくけど。

きっと
このまま
君は笑っていてくれたりするし。

だから
もっともっと、
今度は
楽しませることもできるだろうし、
話すこともできるだろう。

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