見出し画像

【番外編】ダイソーの「完全ワイヤレスイヤホン」全8種類の比較~再生特性の定量的評価~

割引あり

本記事は有料記事ですが最後の「結果まとめ」以外の部分は無料で読めます。
もし参考になったり面白かったと感じたら購入(サポート)していただけると大変助かります。


はじめに

2021年春にスリーコインズとダイソーから完全ワイヤレスイヤホン(TWS)が発売されてから約3年、今では「1000円クラスのものも、音楽を聴くのに結構使える」と一般の方にも普及した感があります。ダイソーからはその後も新製品の発売が続き、2024年7月時点で合計8種類となりました。
この記事では、TWSで一番重要な「音質」を定量的に測定・比較してみました。

評価環境

TWSの再生特性を評価するために、新規で回路設計しました。TWSのイヤーピースにマイクを差し込み、各周波数の正弦波を再生し増幅した出力振幅をオシロスコープで測定しグラフにプロットしました。(当然ながら、再生側のイコライザ設定はOFF(フラット)です)

使用した評価環境

回路構成

使用した回路はオペアンプを使用したシンプルな非反転増幅回路です。
オペアンプは汎用のLM358Dを使用し出力ダイナミックレンジは2Vppとなるように定数を選んでいます。
左右用に同一定数の2回路構成となっており、バイノーラル録音にも使用したかったのでΦ3.5mmのステレオジャックにも出力できるようになっています。

回路図

マイクはTWSのイヤーピースに嵌め込んで測定することを考えて小型で特性が比較的フラットなコンデンサマイク(XCM6035-2022-354PR)を採用しました。データシートに記載の周波数特性は以下です。

XCM6035の周波数特性 (データシートより抜粋)

測定回路の周波数特性

以下はマイクを除いた電子回路の周波数特性の実測結果です。低周波数領域の出力が下がっていますので、以降の各TWSの実測結果はこの実測結果をもとに補正をかけています。

測定回路の周波数特性

各TWSの特性測定結果

以下、実測結果です。発売順に8種類、ダイソーの商品名だけでは区別しにくいので、名称はBluetoothで検出されるデバイス名となっています。

初代: TWS001

TWS001
測定結果: TWS001

二代目: BTTWSL1

BTTWSL1
測定結果: BTTWSL1

三代目: BTTWSL2

BTTWSL2
測定結果: BTTWSL2

四代目: G273-1

G273_1
測定結果: G273_1

五代目: TWS002

TWS002
測定結果: TWS002

六代目: DG036-01

DG036-01
測定結果: DG036-01

七代目: DG036-02

DG036-02
  • ブランド:ダイソー

  • 技適取得:Cross Brain Co,. Ltd. (技適番号表示: 204-B00918)

  • SoC: AD6983D (ZH-JieLi)

  • 分解レポート: -- (未作成)

測定結果: DG036-02

八代目: TWS004

TWS004
  • ブランド:ダイソー

  • 技適取得:Radius Co., Ltd.(技適番号表示 L: 214-230342/R: 214-230418)

  • SoC: AD6983D (ZH-JieLi)

  • 分解レポート:  -- (未作成)

測定結果: TWS004

結果まとめ

周波数特性の測定の結果、予想以上にそれぞれの差が明確になりました。以下は各グラフを並べてみたものです。

ここから先は

452字 / 1画像

よろしければサポートお願いします。分解のためのガジェット購入に使わせていただきます!