私のリーダーシップ像を作り上げた本

リーダーシップに関する本は世の中に沢山出ていますし、私もその多くを読みました。その中で私のリーダーとしてのフレームワークを作る、言わば私のOSに組み込まれた印象に残る3冊をご紹介します。

サーバントリーダーシップ

私のリーダーシップの教科書です。組織と言えばピラミッド型をイメージしますが、この本では逆ピラミッドを提唱。リーダーがサーバントとして下からメンバーを支え、鼓舞する役割を担います。
サッカーのゴールキーパーをイメージしてもらうと分かりやすい。メンバーが自分の方を向くのではなく、顧客の方に向いて前へ前へと進んで行く。ピラミッドの最下層ではなく顧客に向かうフロントラインという見方。上手く行かない時でも最後の砦として組織としての失点を自分の手で防ぐ。こういうイメージを作ってくれた本です。

君主論

この本は16世紀にマキャベリによって書かれたリーダーシップ論の古典で、現代のリーダーシップ論とはある意味真逆なところに位置する本です。とはいえガバナンス(統治)を推進する上で出てくる政治を扱う人にとっては古典の読み物としてお勧めします。人間という情緒的な生き物とそれを統治する政治という生き物を理解するための一つの歴史的参考書です。私のイメージとして、右端に君主論があり、左端にサーバントリーダシップがあるような感じです。リーダーシップ論の最右翼に立つポールのような本です。その他の本は全てこの2本のポールの間に入る本なので割愛しています。

ガリア戦記

塩野七生の「ローマ人の物語」で彗星のごとく私の目の前に登場し、坂本龍馬を抜いてナンバーワンアイドルの座を獲得したカエサル(ジュリアス・シーザー)は、リアルで本物に出会えるアイドルです。本人が記した著作物に触れることが出来るのです。2000年の時を越えて読み継がれる物語にはそれだけで価値があるのですが、彼の本を読むとカエサルがいかに一流の観察者であったかが良く分かります。リーダーに必要な素養は高い観察能力にあるのです。カエサルによるルビコン川を渡る意思決定に比べれば、自分の意思決定なぞ取るに足らないものだと気づき、肩の力も抜けるものです。そして「よし、ルビコン川を渡るぞ!」と自分を鼓舞することで、恐怖を乗り越えて自分の信じる正しい道を進む勇気が出てきます。本を通じてカエサルと対話が出来る幸せ。良くも悪くもこういうアイドル(ロールモデル)は人格形成に大きく影響を及ぼします。カエサルは死にましたが、カエサルのDNAはこうして私の魂に宿っています。魂は死なず、バトンのように次世代に引き継がれるのです。そして、私がこうして武闘派CIO戦記のような駄文をしたためているのも、あなたの魂をハッキングして先人から受け取ったバトンを手渡すためなのです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?