マガジンのカバー画像

ともみの部屋 #2

294
伊佐知美の、世界一周の旅とエッセイ。2016年10月〜
運営しているクリエイター

2020年9月の記事一覧

#旅と写真と文章と Autumnシーズンの募集をはじめました🍁2020/10.1-12.31

#旅と写真と文章と Autumnシーズンの募集をはじめました🍁2020/10.1-12.31

「すべての旅、写真、文章、いずれかが好きな人の、心と暮らしのよりどころになれますように」

自然とそう言ってしまったのだけれど、できたらそういう場所になってくれたいいなと思っています。

2017年12月に開始した、オンラインコミュニティ「#旅と写真と文章と」。毎期、3ヶ月ごとにメンバーが入れ替わる期間制を採用しています。

理由は、参加も、おやすみも、継続も、自由に選べる、風通しのいい空間であり

もっとみる
島と、花と、日々と。きっとこれからの私を、彩るもの。

島と、花と、日々と。きっとこれからの私を、彩るもの。

新しい部屋に足を一歩踏み入れたとき、「あぁ、風が通り抜ける美しい場所だな」と思った。

高台の、ビンテージマンションの最上階。二面採光どころではない、三面、ほぼ四面、みたいな明るさで、部屋にいながらにして朝陽と夕陽、さらには海と、誰もが知っているであろう歴史的建造物が見えた。

「窓を開けると、風が気持ちよく吹きます」。この部屋を知るひとは、私にそう言伝をした。着いたら、まず窓を開けよう。

そう

もっとみる
「このまま旅を続けていても、どこへもたどり着けないから」

「このまま旅を続けていても、どこへもたどり着けないから」

愛していた、愛していた「旅」と「書くこと」。今も変わらず「愛している」。けれどそれはまた別の顔をもって、いま私の横にそっと立つ。

「どこへ向かいたいの?」。旅に出てから数年経って、私がわたしに、もっとも問うていた一言。

「このまま旅を続けていても、どこへもたどり着けないから」。あの夜ぽつりとこぼした私に、あなたはそっと、「どこかへたどり着きたい、の?」とだけ聞いた。

その返された言葉の響きを

もっとみる
花を好きになった理由を振り返ってみれば #島と花と日々と

花を好きになった理由を振り返ってみれば #島と花と日々と

最初に花に興味を持ったのは、いつだったか覚えていない。たぶん、強いて言えば……思い返せば、あのときだったと思う。

「自然の色彩が、一番美しいからね」。

出版社のコスメ雑誌の編集部に所属していた時代、敏腕かつ見目麗しい先輩編集者が、部内インタビューでさらりと言い放った。

あの瞬間のときめきや輝き、花の色彩の美しさを私はたしかに今でも覚えている。忘れられない。

空や海、大地と並んで、花の色彩に

もっとみる
夏と秋のはざまの季節は、いつだって何かしらの決断を迫られて

夏と秋のはざまの季節は、いつだって何かしらの決断を迫られて

一歩いっぽ、踏み出している感覚があった。東京・清澄白河の家の自動ドアが開く。

近づいてゆく感覚を持った。普段、こんな風に、「わたしはしっかりと歩いている」という実感がなかったことに、歩きながら思わず自覚的になる。

一歩いっぽ、目的地へと近づいてゆく。都会の考え抜かれた店々の外観や食事の素材、見栄え、思いもつかなかったような、求めていたのかわからないけれどなんだか欲しくなってしまうような「バリエ

もっとみる