フォローしませんか?
シェア
伊佐 知美
2018年7月29日 00:21
ひとりで見る世界と、ふたりで見る世界。飛行機で飛ぶ空と、鉄道で移動する地平線。それらはすべて違って当たり前で、「もしこうじゃなかったら」と想像することはできたとしても、同じ時間、もう一度やり直すことは私たちの誰にもできない。何度も憧れた国を、私たちは自由に歩く。通り過ぎるリャマやアルパカの足音、遠くから響くアザーンの声、どこまでも透き通るカリブの海、誰にも知られない夜景のキス。数年前に通り
2018年7月20日 00:05
まっさらな白い紙に、カタカタと文字を打ち込んでゆく。知っている部屋、知らない内装、私を迎える、夏の家。久しぶりに歩く世田谷の街。思っていたよりも強い日差し、まるで昔恋い焦がれた東南アジアかのような湿度、聞き取れる言葉たち、顔を見るだけでご機嫌か不機嫌かどうか分かるような、私の知っている人々。帰ってきたのだ、という感覚を噛み締めていた。こうやって東京を歩いていたら、昨日まで違う大地を踏んでい
2018年7月8日 00:16
彼女たちを乗せたバスが走り出したとき、その背中の空は青かった。昨日も一昨日も、その前なんかたしか少し夕刻に雨が降ったような気さえしたのに、今日のその時に限って雲ひとつない快晴の美しい夏の日だった。こんな時に限ってバスは信号に引っかかったりしないのだ。何も障害なんてなくてまっすぐまっすぐ、彼女らを乗せたバスは小さくなって、点になって、やがてその角を曲がって私の知らない道をゆく。とかいって私は
2018年7月1日 18:00
こんにちは、伊佐知美です。私には人生で大きく2つ叶えたい夢がありました。それが「自分の名前で本を出版すること」「長い期間、世界を自由に旅すること」。29歳で書籍出版の話を運良くいただき、同じく29歳で初めての世界一周に出発しました。オーストラリア・ウルルの砂漠でチェックしていた、書籍の第一稿2016年4月に出発した1度目の世界一周旅30歳で一度帰国、そして出版も経て、「もうこれ