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ともみの部屋 #2

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伊佐知美の、世界一周の旅とエッセイ。2016年10月〜
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2017年9月の記事一覧

離婚して学んだことは、世の中の約束はすべて覆せるという諦観だった

離婚して学んだことは、世の中の約束はすべて覆せるという諦観だった

約束は守らねばならない、と母から学んだ。人を待たせるくらいなら、待った方がいい、とも何度も言われた。

信号は走って渡るくらいなら次を待った方が豊かだし、自分がしてほしいことがあるならまず人にしなさい、とも繰り返された。

そういった中のひとつに、ひときわ輝く「約束は守らねばならない」。一度音にして世の中に出したのならば、責任を持ってその行く末を見守れ、と小さな私は解釈する。

遠い異国の青い海と

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二周目のスタンプラリー、そこに意味は果たしてあるか否か?【ラオス・ルアンパバーン】

二周目のスタンプラリー、そこに意味は果たしてあるか否か?【ラオス・ルアンパバーン】

「君のことを覚えている」と今たしかにその人は言った、と思った。聞き間違いではなさそうだった。東南アジアはラオスという国、古都ルアンパバーンのその街角。”phone”と名乗る男の人が、立ち止まって振り返り、声をかけて笑みを寄越す。

新手でもなんでもない、掃いて捨てておまけに吐けるほどにはありふれている、話しかけるための常套文句なのだと思う。ふわり笑顔だけ残して、くるり踵返してメコン川沿いのホテルま

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