六井 象

超短編を中心とした短い読み物を書いています。Twitterでは自由律俳句をつぶやいています。ここと同じもの→ http://tomokotomariko.hatenablog.com/ /星空文庫→ https://slib.net/a/23070/
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「アート」

美術館へ行ったら、ある額縁の前に、くしゃくしゃに丸められた紙がころんと転がっていた。現代アートなのかな、と思ったが、次の日、テレビのニュースを見てびっくりした。…

「手術」

手術台の上で開かれた体の中に、青空が広がっている。蝋人形のように固まって動けない医者の持つメスに、小鳥がとまってちちちと鳴いている。心電図はそよ風のように穏やか…

「自販機」

近所に神様の自販機が出来たが、意外と「つめた~い」の方が売れている。

「一日署長」

「一日署長」のたすきをかけた猫とすれ違った日、魚屋さんやスーパーの鮮魚コーナーで何やら聞き込みをしている警官をやたら見かけた。

「かくれんぼ」

××君とかくれんぼをすると、××君はいつもバラバラに隠れるので、手足胴頭の計六ヶ所を探さなければいけない。

「深夜」

「あはははは、あは、あはははは、ははは……」(と繰り返しながら、深夜、誰もいない証明写真の機械が、真っ赤な写真を吐き出し続けている。)