あなたは大丈夫?隠れテイカーに要注意!
ギバーと隠れテイカーって?
「ギバー(与える人)」とは、見返りを求めずに他者に貢献できる人のことです。
彼らは相手の幸せや成功を願って自然に手を差し伸べます。
幸せや成功を願ってというと話が壮大というか、スピリチュアルなイメージ持つ人もいるかもしれません。
ギブの例
例えば、あなたが転職して、新しい職場で社内のルールや仕事のやり方に戸惑っているとします。
その時、周りの先輩社員さんが特に頼まれていないのに「何かわからないことがあったら聞いてね」と声をかけてくれて、時間を割いて丁寧にアドバイスをくれたり、自分のマニュアルや資料を共有してくれたりします。
この先輩は、自分の経験を共有することであなたのような新入社員が成長し、職場全体がスムーズに回ることを願って手助けをしています。
この行動は、見返りを求めていない純粋な「ギブ」と言えるでしょう。
また、近所の高齢者が一人で重い荷物を持っているのを見かけた時、自然に「手伝いましょうか?」と声をかける行動も日常的なギブの一例です。
特に親しい間柄ではなくても、相手の負担を少しでも軽くしたいという気持ちから行動に移しています。
このような行動は、何かを見返りに求めるものではなく、単純にその場で「誰かを助けたい」という思いから来ています。
しかし、注意しなければならないのは、「ギバーのように見える隠れテイカー」です。
この隠れテイカーは、表面上はギバーのように振る舞いながら、その実、見返りを強く意識して行動している人たちです。
隠れテイカーの行動
例えば、ある職場で同僚が頻繁に手助けを申し出てきたとします。
一見、親切で思いやりがあるように見えますが、その同僚が次第に「自分がこれだけしているんだから、あなたも何かしてくれるよね」と無言の圧力をかけてくるようになるケースもあります。
残業になる仕事を頼まれたり、休みのスケジュールを自分と替わって欲しいと言われたり。
最初は感謝の気持ちで受け取っていた助けが、いつの間にか相手の期待に応えなければならないプレッシャーに変わり、関係がぎくしゃくしてしまうこともあるのです。
挙げ句の果てには「いろいろやってあげたのに、あの人は何もしてくれない。恩を仇で返された」なんて陰口を広められた、なんて経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。
また、SNSでの例も考えてみましょう。
ある人が、頻繁に「いいね」やコメントをくれたり、他人を応援しているように見える投稿をしているとします。
しかし、その裏には「自分も同じように応援されたい」「見返りがほしい」という欲求が隠れていることがあります。
期待通りの反応が得られないと、その人は急に無視したり、批判的になったりすることもあります。
こういった行動は、相手を操作して自分の利益を得ようとする「テイク」の要素が強く、真のギバーとは程遠いものです。
隠れテイカーが集まると、コミュニティやチームが徐々に不健全な空気に染まってしまいます。
表向きは「お互いに助け合っている」ように見えるかもしれませんが、実際は互いに利益や認知を奪い合う、計算づくの関係になりがちです。
仲良く交流しているように見えて、マウントの取り合いや揚げ足取り、DMでの批判や悪口の言い合いなどが起きているコミュニティもあるのではないでしょうか。
このような環境では、本来の意味での信頼や協力が育まれず、結果として全体のパフォーマンスも下がってしまう可能性があります。
隠れテイカー対策
こうした隠れテイカーに巻き込まれないためには、まずは「無条件で与えることができるギバー」と、「見返りを求めるギバー」を見極めることが大切です。
たとえ親切な行動に見えても、その動機や背後にある意図を感じ取る力を養いましょう。
また、自分自身も「与える行動」を振り返り、無意識に見返りを期待していないかを確認することが重要です。
ギバーであり続けるには、自分自身に余裕があり、他の人への手助け、共有、貢献そのものに喜びを感じることが必要です。
余裕がない時に、無理してギブしようとする必要はありません。
あなたにギブしてくれる人へ、心からの感謝を伝えましょう。
本当のギバーなら、それだけで満足してくれるはずです。
結局、与えることの本当の価値は、そこに見返りが介在しないからこそ生まれます。
相手に何を期待するかではなく、自分がどんな人間でありたいかを考えたとき、自然と純粋なギブの精神が生まれるのです。
「情けは人のためならず」
この文脈で思い出したいのが、「情けは人のためならず」という日本のことわざです。
この言葉は、一見「情けをかけると相手のためにならない」という誤解を招きがちですが、本来の意味は「他人に親切にすることは、巡り巡って自分にも良い結果をもたらす」ということです。
つまり、真心からの行動が、回り回って自分に戻ってくるという教えです。
隠れテイカーは、すぐに見返りを期待し、その期待が満たされないと不満や苛立ちを覚えますが、真のギバーは「情けは人のためならず」の精神を体現しています。
見返りを求めずに行動することで、その結果が自然と良い形で返ってくるのです。
これは、長い目で見たときに、信頼関係やコミュニティの健全な発展にもつながります。
ネットの世界では「ブーメラン」という表現がよく使われていますが、他の人に対する行動は、巡り巡って自分に返ってくるものだと思います。
だからこそ、人も自分も大切にしたいですよね。
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