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高校生の息子が考えたコロナ後の世界

今回のコロナウィルスで、世界の経済成長率はマイナス3%という予測。この数字は第2次世界大戦へと繋がった1920~30年の世界恐慌時代と同じ水準だそうです。

むむむ。これはえらいこっちゃ。一体世の中はどうなってしまうのだろう。

横では、高二の息子がフールーで「男はつらいよ」を観て腹を抱えて笑っている。休校中に全48話制覇すると言って、毎日1話ずつ観ている息子。呑気なもんだなぁ。(と言いながらつい一緒に観ちゃうんですよね。寅さん偉大!)

その息子にこのマイナス3%の数字の話をしながら「これって1929年の世界恐慌と同じ数字なんやけど、あの前後にいったい何が起こったか調べてみてよ」と言ったら、早速寅さんの合間に検索し、代ゼミのカリスマ教師、蔭山克秀さんの解説ページを探してきて音読してくれました。

なぜバブルから世界恐慌になったのか? なぜ恐慌から第二次世界大戦へと向かったのか? そもそも不況時にバラマキ政策が行われるのはなぜか? 当時と今日の時代的な共通点が指摘されるなか、戦争へとつながる経済要因を、歴史の流れから読み解こう。代ゼミの人気No.1講師が面白くわかりやすく教える、教養としての「経済史」学びなおし講義。

というだけあって、めちゃくちゃ分かりやすかった。ヴェルサイユ条約があんなにドイツいびり条約とは知らなかったし、ルーズベルトのニューディール政策が、なんであんなに後世で評価されたのか、金本位制のやばさ、ブロック経済が戦争への時限爆弾みたいなもの...などなど、初めてわかったような気がしました(世界史の授業ちゃんと起きてたんか!ってツッコミはさておき 笑)

息子、かなり漢字が読めないことがわかって、それはそれでブルーな気持ちになりましたが(苦笑)

漢字問題はさておき、じゃあ今回、このコロナ収束後、みんな一体どう生きればいいと思う?って聞いてみました。

その答えは、「政府が国中の農地・空き地を買い上げて、国民に給料を支払って、みんなが農業やるのはどうだろう」でした。

*息子は、この前知り合いの農家さんの手伝いに行って、農業ってサイコーと思ったことが記憶に新しいこと、近い将来、必ず食糧問題がやってくると真剣に恐れているらしく、これから生き延びるのには農業だ!と思っているため、こんな答えが出てきたのだと推測されます。

なるほど。そういう考えもあるな。でも、これはまさに社会主義国家の考え方では?ロシア革命後の国営、集団農場「ソフホーズ」「コルホーズ」によく似ているような。

30数年前の世界史の時間に習ったあやふやな記憶によると、確かソフホーズやコルホーズは、労働者のやる気を削ぐわ、混乱するわ、食糧危機に陥るわで散々だった気がします。

仮に、息子のいうような集団・国営農場になるとすれば、どんな形ならうまく行くのだろう。社会主義と資本主義両方のいいとこ取りで、進化した農業のスタイルが生まれるのか。

世界初の社会主義国家、ソ連が形成されたのが1922年。第一次世界大戦後のバブル時代が翳ってきて、徐々に世界恐慌へ移行し始めるのが1920年代初頭。29年の世界恐慌後は31年の満州鉄道爆破事件、33年にはヒトラー内閣誕生...。そして第二次世界大戦後は、社会主義と資本主義のぶつかる冷戦時代。(上述の蔭山先生の記事より)

行き過ぎた資本主義が、戦争へ走るような要因を引き起こし、反動で社会主義が生まれ、拮抗し、そしてまた資本主義が優勢になる...。というように、世界は振り子のように左右に振れてきたのかもしれません。

歴史は繰り返すのか、資本主義経済がいよいよ終末期なのか。

何れにしても、今回のような世界規模の感染症は、そうそう遭遇する経験ではないはず。時間を持て余している子どもたちと、未来についてブレストするにはいいかもなぁと。

ちなみに、蔭山先生のダイヤモンド・オンラインでの経済史シリーズ、ほかのも面白かったです。




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