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【第2話 冒険前夜編】阿寒摩周国立公園セブンサミッツ 〜国立公園内の山全部登るまで帰れマウンテン〜

まえがき

 6/20〜6/22の3日間。タイトルにもある通り『阿寒摩周国立公園セブンサミッツ〜国立公園内の山全部登るまで帰れマウンテン〜』のタイトルの下、地元をこれでもかと遊びたおすべく、ちょっとした冒険旅にでた。まず「この旅がなんの?」という部分については上記タイトルをクリックしていただきたい。

【阿寒摩周国立公園とは】
環境省のWEBサイトにはこう記されている。
日本最大のカルデラ地形、火山・森・湖が織りなす広大な景観

 オチを最初にお伝えするのもなんだが、私個人は『阿寒摩周国立公園フォースサミッツ〜国立公園内の山全部登ってないけど帰ってきちゃったマウンテヘペロ〜』にタイトルを変更する必要がある。そう。立ちはだかる7つ全て山の頂に立つことはできなかったのだ。このことをあえて最初にお伝えしたい。なぜならきっと読者は私に近い感覚やスキルの方が多いはず。変に背伸びせず、ハードルは上げず【3日間全行程約184kmの旅】凡人が変人に挑むさまをとくとご覧いただきたいのだ

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▲旅2日目の朝。私も皆と同様笑顔だがすでに膝はイカれガクブルだ。

 旅が終わり早くも1ヶ月半。めまぐるしい速度で日々が進む中、メンバーから「記事まだですか?」のプレッシャーに半べそをかきながら・・・もとい。自ら燃え上がり筆をとることにした。旅の道中、常に遅れをとる私に「まだですか?」のプレッシャーは一度もなかった温かいメンバーたちだが、今このタイミングでこそ「まだですか?」ときっと思っているに違いない。つまり体力スキル共に凡人な私としては、何で抗おうか。そう、これを書き終えず「旅を終えた」とは言えないのである。

 今旅の記事は主に写真を中心に、今回含めおおよそ5回にわたって執筆する「フォトエッセイ」的なものとして今考えている。別に誰からも求められていないのだが初めて「連載」してみることにした。自らお尻に火を付けているようだが大丈夫なのだろうか。

とはいえ火をつけてしまったものは仕方がない。
この連載を通じて

・道東フィールドのポテンシャルの高さ、魅力再発見
・地域の温かさ
・普段走ったりしていない凡人がアスリートたちと同じ行程を進むとどうなるか
・旅を通じて得ることができるもの
・遊び、旅、ルートの可能性
・外で遊ぶことの楽しさ

などについて、新たな気づきになったり、興味をもったりしていただけることを願い、まえがきを終える。


冒険の始まりは地方スナックの片隅から

 さて、旅を語るには『旅の背景』について少しだけ触れておきたい(しつこいが事前計画やメンバーの詳細は前回記事参照)。時は遡ること4月。北海道は弟子屈町、川湯温泉街のスナックの店内。多種多様な話が飛び交う席の片隅である男の一声からすべては始まった。

 「あのう・・・国立公園の山を7つ、一気に巡ろうと思うんですけど。國分さんバンフの映画祭好きですか?」

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▲話を始める今旅発起人の嶋田氏。雰囲気は碇ゲンドウの冷酷非情さそのものだ(注1:彼は温かな人柄。注2:この写真は旅2日目の夕食時にふと横を見るとこうなっていたもの。)

 何やら話に耳を傾けるとこんな内容だった。

●環境省に勤務することになり、阿寒摩周国立公園内には楽しめるロングトレイルがたくさんあることを再認識した。
バンフマウンテンフィルムフェスティバルで上映されたショートフィルム、アレックス・オノルドシダー・ライトが敢行した「サッファーフェスト」(22日間で自転車1000キロを走り4000m級の山全てに一般ルート以外から登頂する)と、自転車で移動しながらクライミングを楽しむアントン・クルピチカのインスタグラムからインスピレーションうけている。
●コロナで大会やイベントがどんどん中止になる中、自分の地域で何かチャレンジできないか模索している。1人でも遂行する決意をしている
●というわけで一緒にどうですか?もしくはドキュメンタリーのような作品を一緒につくったりしませんか?

 ・・・。『少々頭のネジが数本飛んでいるようなクレイジーな妄想をされているお方』と嶋田氏に対する理解を深めたことを覚えている。そして嶋田氏が話すとおり『クレイジー業界からするとイージーでファンな妄想』であることは私も理解しているつもりだ。でもそれはクレイジー業界に身をおいている人種でのことだ。もう一度触れておくと私は『どM系』要するに『つらいことの先に快楽があるのさ系』ではない。すでにお察しかもしれないが『こういったテのものは次第にエスカレートするもの』である。これは極めて危険な行為だ。

 かくしてこのお話以降、私からは「撮影者と被写体としてのプロジェクトではなく、あくまで一緒に挑戦しながらの撮影が良いのですが、どうかヤワな私めにペース感を合わせていただけないでしょうか?」嶋田氏は「そうですね。そのほうが良い。楽しむメインで行きましょう。」と打ち合わせを重ねた。そして旅の出来事を記事や写真、動画などの何らかの形としてアウトプットし、我らが暮らす阿寒摩周国立公園のフィールドの魅力を発信し、野外遊び好きの大人達はもちろん、あわよくば地元の子供達に『遊ぶ大人』として何かの面白いヒントになれば。大変大変僭越なことだが、そんな大それたことまで妄想を膨らませたのだった。

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▲計画書の様子 


遊びが持つパワーと広がり

 この時、まさか『4人旅+参加型超強力助っ人1人』となることは、私ははもちろん発起人である嶋田氏ですら想像していなかった。そしてただの遊びであるにも関わらずあんなにも周囲の方々に応援していただけるとは、まさに夢にまで思わなかったのである。2人旅の計画から4人旅へ・・・さらに1人増え・・・そして思いがけない周囲の温かいサポート・・・。というふうに『僕らが愛する地元フィールドPR』だなんて大れた妄想は、ほんのわずかだが力を成してきたのかもしれない。

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▲川湯駅前の「森のホール」でスイーツに舌鼓。地域らしいエイドも今旅の魅力となった。ニセコより参戦の深浦氏(左)と札幌より参戦のサロモンアスリート反中氏(右)。

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▲別海町より参戦した漁師&yamatuneサポートランナー上林氏。旅初日の主役は我々ではない!この上林氏と、後に紹介する〇渕氏といっても過言ではないのだ。

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▲同じガイドチームの藤原兄貴からは「これでみんなで飯でも」と漢気のお心遣い。なんという覇気・・・。

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▲地元弟子屈町を守る中島兄貴からは行動食やテーピングなどを。愛だ。愛でしかない。

まだまだ直接的、間接的にもたくさんの応援をいただいた。以降の記事でも引き続き紹介させていただくと同時に、この場を借りてほとばしる感謝の気持ちを改めて申し上げたい。


出発前夜から旅は始まっている

 さて、ここからはいよいよ旅本体の話へと進む。言うまでもないが、フィールドで遊ぶにはざっくりとした計画は必須。2日前晩にはゴールである野中温泉(スタート地点から車で約1時間20分)へ、地元組の嶋田氏と私で車を回した。

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 そして前日。地元組と札幌組が実際に会うのは初めてということや、事前に反中氏を通じサロモンショップへ一部ギアのレンタルを依頼していたのでそのフィッティングの必要があったこと、そして出発の日は早朝ということもあり、川湯温泉お宿欣喜湯に宿をとり、そこで集合&軽く前夜祭をしよう、ということにしていた。

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 地元組、バイクのセッティングや翌日の支度を済ませ、お先にお宿欣喜湯へチェックイン。強酸性の温泉に入り「友達同士で温泉宿に泊まるなんていったいいつぶりだろう・・・」と嶋田氏。と思わず口元が緩む2人。コロナウィルスのことも考慮し札幌組みとの部屋は分けることにした。はてさて札幌組の到着は20:00ごろ?

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そのうち到着するだろうと、札幌組の到着は待てないので前夜祭開始。

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会場は『すずめ食堂』さん。アジアンな食事が美味いし、おつまみなんかも豊富。ビールが進む進む!ごちそうさまです!

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フォーをすする嶋田氏。この写真の構図がこの先シリーズ化することは、この時微塵も思っていない。そしてほろ酔い気分でフワついているところに・・・

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 欣喜湯の社長榎本さんが登場。なんとわざわざ一言挨拶にいらしていただいたのです。嬉しい!ありがとうございます。そしてこのあたりで札幌組の到着が22時をまわる連絡が。・・・この時点で札幌組の川湯ナイトは次回に持ち越し確定となるのだった。

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 すずめ食堂さんでの宴会を終える頃、到着しました札幌組。お店も閉まるので一度宿に戻り合流。「はじめまして〜!遠路はるばるお疲れ様です!」。話をきけば何たら下道(高速道路使わず)で来たそう。「こんなに時間違うんすね!」と北海道の車移動感覚ををやや甘く見ていた鹿児島出身の深浦氏。「そら遅いし疲れるわ!」と早速ツッコミをかましつつこの時期もう営業しているお店はほぼないので、セーコーマート買い出し、お部屋で翌日の打ち合わせをすることに。「次回こそディープな川湯の夜のはしご酒を!」と約束したのだった。

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お部屋に戻り、修学旅行のような雰囲気にはしゃぐ一行。

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反中氏を通じサロモンショップからレンタルしたシューズなどをフィッティング。道具のこととなると皆すぐに真面目な表情だ。この時すでに日をまたごうとしていた。打ち合わせも宴もたけなわ、床につくことにした。


次回、冒険1日目。
摩周・屈斜路エリア編。
行動時間約12時間。
総移動距離86km(Bike: 62km/Run: 24km)。
雨と寒さにこごえる一行、1日目で浮き足だつ私、忍びよる膝崩壊の足音。
つづく。


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