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35歳からのウソ日記75

2020年8月11日

水面に浮いている大人は私だけだった。

今月末で94年の歴史に終止符を打つ、としまえん。

ほぼ祖母と同い年。

これはどっちがすごいのか分からなくなる。

遊園地でもあるが、都心であれほど楽しめるプールはない。

波のプールに流れるプール、ウォータースライダーも種類が豊富だ。

そこに遊園地も一緒にある。

彦摩呂さんならテーマパークの宝石箱や〜と言ってくれるようなところだ。

閉園してしまうので、テーマパークのお払い箱なのかもしれないが、私にとっては輝かしい思い出がたくさん詰まっているので、やはり宝石箱である。

友達と3人で行ってきた。

最後のとしまえん。

ラスとしまえんに。

昔からお世話になってはいるが、最近は大人な楽しみ方をするために有料のスペースを確保。

目の前は波のプールなのでまるでリゾート気分。

パラソルとプールサイド用のベッドも付いている。

でっかい浮き輪も借りて、優雅にプールを楽しむのだ。

遊び疲れたらビールをクイッと太陽の下でやるわけである。

そのあとは日焼けを楽しむ。

楽しいこと間違いない。

大人の楽しみ方をするのだが、いざプールやウォータースライダーで遊ぶときは童心忘れずに昔のようにはしゃぐ。

周りの目は気にしない。

と思っていた。

流れるプールで浮き輪の上に乗り、残りの2人に回してもらって楽しみながら周りの風景を眺めてみると、たくさんの浮き輪があり、たくさんの人が上に乗っている。

家族連れが多いのは最初から分かっていたが、浮き輪の上に乗っている大人は私だけなのである。

他は全員、もれなく全員子供なのだ。

少し恥ずかしかった。

穴があったら入りたいと思ったが、お尻は浮き輪の穴に入っている。

頭隠して尻隠さずではなく、尻隠して他丸出しなのだ。

そしてクルクル回っている。

もうカピカピになってしまっている回転寿司ってこんな気分なのかなとふと思う。

誰がもうカピカピだ。

まだまだ新鮮な年齢である、と信じている。

かすかな抵抗でプールの水を丸出し部分に満遍なくかけて潤いを与えた。

波のプールでは同じような恥ずかしさはなかった。

カップルがたくさんいて、大人も水面にたくさん浮かんでいた。

流れるプールでは浮き輪で浮いて、存在でも浮いていたので波のプールは安心して身を任せれた。

ウォーミングアップも終わったところで、メインディッシュであるウォータースライダーへ向かう。

これがまだ1番楽しい。

子供がたくさん並んでいるがちらほらと大人も混じっているので、特に恥ずかしさもなく楽しめる。

滑ってはまた上まで登り、また滑る。

それを何回も繰り返した。

楽しいのだが、自分が流しそうめんでなかなかキャッチしてもらえないそうめんみたいだなと思い少し悲しげな気持ちにもなってくる。

もし流しそうめんをする機会があったら絶対に1そうめんも逃さないと心に決めた瞬間でもあった。

ある程度遊んだので確保してある有料スペースに戻り、今度は日焼けを楽しんだ。

かなり暑い日だったのでジリジリと実際に音が聞こえてくるようだった。

この感じが夏だなと顔がとろけるように、にやける。

チーズなんか振りかけられたもんならグラタンになってしまうなと思う。

回転寿司、流しそうめん、グラタンって、プールは食の宝石箱や〜

彦摩呂さんのようにはいかない。

この恥ずかしさは少しどころではない。

顔は真っ赤になるレベルである。

しかし、日焼けのおかげで赤さをごまかせているのはプール、いや、としまえんのおかげだ。

私はまだ今月末にどんでん返しがあると期待している。

としまえん、まだとじまへん。

………………

日焼けではごまかせないみたいだ。

それでは また あした で終わる今日 ということで。










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