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Premier League第17節Tottenham Hotspur VS Leeds United Match Review

皆さんこんばんは。新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。新年の挨拶もここまでに今回はスパーズvsリーズのマッチレビューをしていこうと思います。普段リバプール以外のマッチレビューを書くということはないのですが、2021年はもっと色々なプレミアリーグのチームの知識を蓄えたいと思うので色々な試合のレビューを書いていこうと思います。三日坊主にならないように頑張ります。あと今回のレビューはリーズ目線でのレビューになるのでスパーズサポーターの人にはお詫び申し上げます。近日中にスパーズ寄りのレビューを書きたいと思います(覚えていたらですが)。

1.スパーズのスタメン

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2.リーズのスタメン

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3.両チームの大雑把な戦い方

マッチレビュー本文に突入する前にまずは両チームのざっくりとした戦い方をまとめてみようと思います。まずはスパーズです。スパーズは基本的に守備を重視する戦い方です。ジョゼ・モウリーニョが率いるスパーズはしばしばその戦い方を「バスを停める」と表現されます。ゴール前に「バスを停めて」、失点をしないようなサッカーをするのです。そしてカウンターで一気にゴールを奪おうというのが狙いなのです。一方のリーズはボールを奪ったら縦に早く人を送り込んでゴールを奪おうという攻撃的な戦術を採ります。そのため攻撃のスイッチが入ると、ボールを持った味方の選手をどんどん追い越していきながら数的優位を作って相手ゴールに迫っていくのです。

4.リーズの攻撃を弱体化させるためのスパーズの策とそれに対するリーズの戦術

リーズにはカルヴィン・フィリップスという素晴らしいアンカーの選手がいます。彼はビエルサの強度の高いサッカーに適応しており、その中でも精度の高い長短のパスを出すことができます。彼の縦パスからリーズの攻撃は始まることが非常に多いのです。そのためスパーズは彼を自由にさせないための策を講じてきました。スパーズはトップ下の選手(主にエンドンベレ、彼が交代した後はルーカス・モウラ)に彼のマンマークをさせたのです。

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これによりカルヴィン・フィリップスがフリーでボールに触ることを防いでいました。しかしリーズは彼がマークされると別の方で攻撃を試みました。リーズはフィリップスを囮にして、CBを攻撃の起点としたのです。

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スパーズの1トップに対してリーズのCBは2人で数的優位を作り、アプローチを簡単に剥がせるようにします。フィリップスは下がらずCBが運ぶためのスペース(青の斜線で示した場所)を提供します。そして2ボランチの脇に降りた2列目の選手にCBが縦パスを入れて攻撃を開始していました。また1トップのバンフォードは裏を狙う動きをすることでDFラインを押し下げて2列目の選手がライン間でパスを受けやすくしていました。

CBから2列目の選手へ縦パスが入った後、リーズはサイドで数的優位を形成し、サイドを攻略しようと試みます。

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具体的にはSBが2列目の選手を追い越す(状況によってインナーラップ、オーバーラップを使い分けます)ことで3vs2の数的優位を作るのです。この優位を生かしてサイドを攻略して、ペナルティエリアに侵入した味方へクロスやスルーパスを入れることでチャンスを作っていました。しかしスパーズもこれに対応してきます。

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スパーズはSHにSBのマークをつかせ、縦方向にスプリントをかけるSBについて行かせ、数的同数になるように対応していました。またCBがボールサイドにスライドすることで3vs3を形成することもありました。

5.リーズの限界

とはいえ攻撃の起点となっているカルヴィン・フィリップスがボールにあまり関われていないということはリーズにとって良くないことに変わりはありません。そのことはビルドアップのミスに現れていました。リーズはビルドアップにおいて中央へのパスミスが目立っていたのです。GKのメリエも足元の技術を評価されており、SBへのパスを何本も通していますが、中央へのパスは受け手がフィリップス1人だけのことが多く、さらにエンドンベレが彼のマークについていたためカットされることが起こっていました。

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このシーンではエンドンベレがCBへアプローチに行くと見せかけて、フィリップスへのパスコースをカットしたのでメリエはとっさの判断でパスを左にずらしたのですが、フィリップスはパスに追いつけず、スパーズのボランチにカットされてしまいます。

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このシーンでもフィリップスからはずれた位置にパスを出しますが、追いつかずスパーズの選手にカットされてしまいます。

このような形で縦パスをカットされ、カウンターによりピンチを招くシーンが散見されました。1点目のPKに繋がったのもこのような自陣での縦パスをカットされた所からです。

6.リーズのテコ入れ

PKの後、ソンフンミンにもゴールを決められて0-2とリードを広げられたリーズはビルドアップの方法を少し変えてきます。

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フィリップスがDFラインまで下がり、彼が空けたスペースに2列目の選手が降りてきます。そして素早くボールを捌くと、自身に食いついてきた相手ボランチが空けたライン間へと侵入してボールを受けます。このフィリップスが下りてくる形に加えて、パブロ・エルナンデスを投入してビルドアップの改善を図ります。

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パブロ・エルナンデスは中盤の低い位置に下りてきてビルドアップをサポートすることが多く、DFのパスコースを増やすようなポジショニングを取っていました。また彼は中盤での数的優位を考えたポジショニングを取ることも忘れていませんでした。

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このシーンではフィリップスが下りたことで空いたスペースにクリシが下りてきてパスコースを作り、エルナンデスはクリシの近くにポジションを取り中盤で3vs2の数的優位ができるようにポジショニングしていました。

後半は基本的にチャンスは作れていませんでしたが、彼の投入後はシュートに結びつくようなシーンを徐々に増やすことができていました。しかし最終的には点を奪うことは出来ず0-3で敗戦してしました。

7.終わりに

縦方向に人を送り込むダイナミックなサッカーでチャンスを作ったリーズでしたが、ペナルティエリアに選手を6、7人並べるスパーズのコンパクトな守備ブロックを前に点を奪うことは出来ませんでした。今後はチャンスを決めきる決定力が求められるかと思います。またカルヴィン・フィリップスにマークがつかれた際のCB、GKのビルドアップ能力の向上も当然求められると思います。今後の成長に期待しましょう!

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