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「ゴッドファーザー パート3」

コッポラ監督の完結編「ゴッドファーザー PART III」(90年、The Godfather Part III)も観たぜ。

パート2から16年も経ってから製作されるなんて、もう俳優の人生そのものが映画化されたようなものだな。ファミリーのドン、マイケル・コルレオーネ(アル・パチーノ)もちゃんと老けてる(笑)。

ファミリーのドンとして絶大な権力を手にして頂点を極めたマイケルだが、全体的に、これまでやってきたことに対する懺悔や苦悩など、彼の弱さが前面に出ており、暗くて静かな展開なのだけど、それだけに時折入る圧倒的な暴力が際立っていてスリリングでクールだ。

マイケルは、合法なビジネスを志向し、ファミリーの財団を通したバチカンへの多額の寄付で叙勲を受けるが、大司教の横領など金融スキャンダルとヨハネ・パウロ1世の暗殺をめぐる権力争いなどが絡んできて、やっぱり裏の世界から逃れることはできない。

最後に、敵対するマフィアが撃った拳銃の弾が、愛する娘・メアリーの命を奪ってしまい、マイケルが天を見上げて絶叫するところなんて、俺も感情移入して可哀想で泣いてしまった。

その後、老いたマイケルは、独り、故郷の家の庭で椅子に座り犬と戯れていたが、やがて静かに椅子から崩れ落ちる。それを遠くから見ているアングル。なんとも言えない悲しさだねぇ。マイケル・コルレオーネの死。

バチカンの諸々のスキャンダルは70〜80年代に実際に起こったことで、映画でそのまま取り上げることで、バチカン教皇庁とイタリア政財界、マフィアの癒着、腐敗体質を批判しているらしい。モデルとなった実在の人物も多数。コッポラ監督は大丈夫だったのか?

神に仕えるという聖職者の世界で金と権力にまみれた争い事が起きるって、つくづく人間ってのは欲深いのだなぁとシミジミ思うね。その根底にあるのは、名誉とプライドだろうか。表か裏かだけでバチカンもマフィアも変わらんね。

「這い上がりの人生だった。上にはキレイな世界があると。だが、上に登れば登るほど汚れてた。どこまで続くのか…」byマイケル

前2作と比べると落ちると思うが、コッポラ監督らしい名作だった。

死んだメアリーはコッポラ監督の娘ソフィア・コッポラなんだね。カワユイ。

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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。