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旅行会社こそワーケーションを!

コロナで生じた新たなトレンドについて、コロナ終息時には「すべて元に戻る」と予見するが、「コロナ後も残すべき社会変化」として期待しているがワーケーションだ。

これは4月14日に開催された星野リゾートが開催した定例プレス発表会で、星野佳路代表が語った、コロナ後に期待する事です。

コロナ禍で活用に広がりを見せたオンライン会議やリモートワーク。
働く場所にとらわれる事のない勤務体系は、「ワーケーション」という言葉を一気に普及させる事となりました。

「ワーケーション」はまさに旅先で仕事をしながら休暇も楽しむ事です。

例えば、
オーシャンビューの部屋で仕事して、
ちょっとした休憩時には椰子の木が並んだビーチをお散歩、
仕事後にはゆっくりと温泉に浸かって、
地元の美味しい食材に舌鼓。
休日はホテルのプールや海でリフレッシュ

考えただけでも最高です!

ワーケーションに対する考え方、
今はコロナ禍という事もあり国内移動が主ですが、
コロナ後のある程度の自由な海外移動が可能になった場合はどうなるでしょうか?

個人的な考えでは海外移動のワーケーションも十分増えていくだろうと考えています。

これもまたトラベルボイスの記事で恐縮ですが、
世界の旅行トレンドの変化の一つとして、「デジタルノマドを望む人」が
増加している様です。

「ワーケーション」と「デジタルノマド」は意味合いも異なってきますし、「デジタルノマド」に関しては別でもう一記事書けてしまうので、後日触れようと思いますが、
このコロナ過での様々な変化のほとんどは、将来起こるはずだった未来の前倒しと言われています。

全世界インターネットで繋がり、何処にいてもPCやタブレット、スマホなどを通して(ほとんど)高速で快適に繋がり、打ち合わせや会議、取引先と接客を行う事ができるので、「仕事はオフィスで」という必然性が無いのです。

ただ、業種や職種にも寄る(例えば、経理に携わる方は出社せざるを得ない環境の様です)ので一概に言えませんが、
旅行会社にフォーカスして話をすると、まさしく旅行会社の価値を上げる大きなチャンスが訪れたと考えています。

旅行商品企画担当者はこれからワーケーションするべき

まだインターネットが普及する前の時代、旅行会社は旅行会社しか持ち得ない情報力を駆使し、お客様に「旅行」という価値の提供、販売、手配を行っていました。

話を海外旅行にフォーカスすると旅行会社にもよりますが、
●添乗でお客様の旅行に同行し、旅行先の情報を持ち帰り、その後の企画に反映。
●主に航空会社や政府観光局などが主催するFAMツアー(観光地の誘致促進のため、ターゲットとする国の旅行事業者やブロガー、メディアなどに現地を視察してもらうツアー)に参加し、旅行先の情報を持ち帰り、その後の企画に反映。
が海外パッケージツアー企画担当者が担当方面の国の情報を得る主な手段でした。(あとは現地支店やランドオペレーターから情報を得るなど)

海外パッケージツアー隆盛の時代は、おそらくほとんどの企画担当者は日々、パンフレット作成やパッケージ商品の造成に追われ、出張や添乗以外で夏季休暇、年末休暇やたまに取れる長期休暇以外で海外に赴く事は無かったのではないでしょうか。
私が企画業務に携わった数年間はまさしく毎日が鬼の様な忙しさで、長期休暇も満足に取れない時代でした。

しかし、インターネットの普及でお客様自身が旅行先の情報を得る事が可能となり、OTAの登場で自身で旅行手配が出来る様になり、旅行会社の価値低下の時代が到来しました。

それでも、パッケージツアー商品造成のアプローチは以前と変わらず、お客様がインターネットで知り得る同等(もしくはそれ以下)の情報量でお客様にとって魅力を感じづらいパッケージツアー商品が多くなったかと思います。(価格訴求商品を除いては・・・)

旅行会社の優位性が低下したにも関わらず、旅行会社の業務体系自体は少しデジタル化はしましたが、旧態依然の状態だったのです。

しかし、コロナ禍の時代が到来で潮目が変わり始めていると感じています。
私が働く旅行会社でもコロナ前からではありますが、DX(デジタルトランスフォーメーション)を唱えられ始め、働き方に対しても変化が起こっています。

これは私の持論ですが、
海外旅行が再開後は旅行会社こそワーケーションの制度を積極的に導入していくべきです。
(これも私の持論ですが、ワーケーション時の渡航・宿泊費用も補助する制度があれば・・・)

海外旅行に1年以上行く事ができていますが、海外旅行に行きたいお客様が最も知りたい情報はアフターコロナの旅行先がどの様な状況になっているのか、それもインターネットでは拾い切れない情報で、その情報は希少価値です。
そして、ある意味、旅行に対しての安心・安全を担保してくれる存在です。
その両方を担う存在こそ、まさしく旅行会社の人間ではないでしょうか。

例えば、
海外パッケージツアー企画担当者は、まずはその土地を歩き、人々の生活に触れ、食事や文化のトレンドを察知し、それをスピード感を持って商品化する、そして、インターネットを通じて、その国の生で新鮮な情報をお客様に届ける。

例えば、
今まで店舗カウンターで旅行商品の販売を行っていたスタッフは、
ビデオチャットでの接客が可能となった今、
ワーケーション先でお客様のお問い合わせを受け、得た情報を提供しながら、ご予約に結びつける。そして、企画担当同様にインターネットで情報を発信する。

ワーケーションに出発するスタッフは多ければ多い方がいい、多種多様な情報が会社に蓄積され、それがその会社にしか持ちえない価値となるのです。

デジタル化が進んだこの世界では十分に可能です。

そして、海外旅行が可能となる未来に備え、今から国内旅行でその準備を推し進めていくべきだと考えています。

おそらく、上記の事を制度化し、実行できる旅行会社こそ、アフターコロナの勝ち組となっていく事でしょう。

旅行会社の人間こそ、旅行会社の価値を、自分たちの価値を取り戻すべく、旅行が可能となったら、進んでワーケーションしよう!

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