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知識も技術もないけど愛はある、フィルム写真展を開催しました

ひと昔前の私はもっともっと、感性が豊かだった。とりあえず壮大に色々考えていた。宇宙とか人生とはとか。現実的かどうかなんてわからなくても、夢に溢れていた。

きっと、毎日新鮮で感動していたから。

けど、いつの間にか、
せかせかと歩き、季節の移り変わりの些細な香りの変化を友人と語ることなく生活に追われてしまっていた。

気づかなくなった自分にも気づかなかったとき、

フィルム写真

に出会った。高校1.2年生の頃だった。
多分最初は父のカメラを借りて撮った。それから写ルンです。現像しなくちゃわからないタイムカプセルの良さとiPhoneとは違う写りにときめいた。そして、はじめて完全マニュアルの、自分のカメラを購入。NikonFM。今も一眼のフィルムカメラはこれしか持っていない。カメラを持ってから感性動きっぱなしよ。忘れかけていたもっともっと豊かな感性が戻ってきたような気がするくらい。

空気を切りとっているようって、こんな感じ。

ドライブして窓から満天の星を眺めたとき、どんなに毎日忙しなく心がいっぱいになっちゃっても地球にはこんな美しい世界が毎日あるんだと思うと、なんだかたまらなく愛おしくなった。

フィルムをはじめて、小さい幸せが転がりまくっていることに気付いたんだ。季節はちゃんときてくれるし、1日の中であっても光の量は変わるし。フィルム写真はそんな空気さえも写せるんだよ。そりゃお金めっちゃかかるけどやめられないよ。フィルムの虜よ。

そんなこんなで、私は日常の写真を撮る。日常にどれだけ気づけるか。見逃してしまう美しさにどれだけ気づけるか。そう思って生活すると、少し心が豊かになれる。大袈裟だよって言われるかもしれないけど、生きてる時間と記憶を残せる写真は、最高の趣味。

写真をはじめて写真友達がたくさんできた。ずっと前からの友達もフィルムを始めてくれたりして。新しい出会いがいっぱい。憧れの人もいっぱい。
今回私がコラボした、小説家さんもそのうちの1人。
4年前に移住し、小樽を舞台にした小説を書いている方だった。
ふるさとではない地域をこんなに愛している人はいるのか、と、心が動かされた。

高校時代を実家から離れて過ごした私にとって、高校、大学を過ごす町は特別なもの。
けど、今の大学生はそこまでこの町に思い入れは無さそう。コロナで通えなくなったら尚更よ。なんか、もったいないなと思った。

「あ、それなら、私は趣味で写真を撮っているし、この小樽の小説を私の写真で再現したら面白そう!」

そこから、今回の写真展が始まった。

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リアル0→1。正解はない企画。コンセプトから会場から、全部決める。知識も技術も経験もない。あるのは「フィルム写真が好き」という気持ちだけ。

「何か新しいことを始めるときは誰かから嫌われるもんよ」

大好きな高校の先生がそう言ってたことを思い出す。
否定されて怒られて悔しくてめっちゃ泣いたし、コロナで会場が借りられるかもわからず無理かもって思った。駅前のバーガーキングで感極まったの思い出す。
けど、それくらい私の中では熱い想いがあったことに気づいた。青春じゃんか。

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こんな写真展でした↓

◻︎コンセプト

①小説の言葉、小説の世界を写真で再現
②私の好きな小樽を詰め込む

◻︎ターゲット
①小樽と関わっている人。主に小樽に住んでいるけど(住んでいるからこそかも)小樽の魅力に気づいていない人。
②私の写真を好きでいてくれる人。

◻︎目的
日常の延長の写真を集めた。それらを見て、誰かひとりでも「小樽って良い」と、共感してほしい。小樽への想いを巡らせてほしい。懐かしいな、とか、綺麗だなとか、なんでも。心がちょっとでも動いてほしい。

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8/26〜8/30までの5日間。
ちっこいギャラリーに、ちっこい写真。
けど、愛は詰まっている写真展。

なんと203名の方が来てくれたんです!

新聞やメディアにも取り上げていただき、
写真展をやったからこそ出会えた小樽の人とたくさんお話できた。ふらっと立ち寄ってくれた方々に感謝。3日連続きてくれた人もいたんだよ。

そして、私の友人たちが、交通費をかけてわさわざきてくれたんだ。しかも何人も!
(なんと帯広からもきてくれた。フットワーク。)
もう、本当っに、嬉しくって。みんな、ありがとう。本当にありがとう。
開催中にメッセージくれたもっと多くの友人たちも、ほんっっっっっとにありがとう。
どれだけ支えになったことか。
実は人が来るのかめっちゃ不安で、告知もコロナで中止になってしまうことを考えたらぎりぎりになってしまったのにも関わらずだよ。
この感謝をどう伝えたら良いのだってくらい。

メッセージを書いてくださった方々。

さらに、ずっと応援してくださっていたOB OGの方々。Facebookでシェアしてくださったり応援メッセージをDMしてくださったり。知らないところでもシェアされて、それを見つけていらっしゃった方も沢山いたの。素敵な小樽の先輩方だ。こんな、見ず知らずの大学生がしている趣味全開の写真展を、応援してくれて、小樽愛を感じました。

初日からこんな素敵なお花が。

そして、大学の教授や講義でお世話になった方も。まさか足を運んでくださるなんて、という方もたくさんでした。


応援して、共感してくれる友人や先輩、全く違う職種の社会人。
みんな、全然違うけれど
「小樽と関わっている」
ことは間違いない。そして、私の趣味全開なフィルム写真を見て、それぞれがそれぞれの小樽への気持ちを感じてくれたと信じている。

何より

「好きを形にすることができた」
「それを自分以外の人に共感してもらえた」

ことが、自分の中ではめちゃめちゃ財産です。
こんな経験なかなかできない。
自己満足がそれ以上になった。環境に感謝ですね。

何年か後、準備期間も含めたら、約10ヶ月の写真展の経験は、今よりもっと深い思い出になるはず。今よりもっと、やって良かったと思うはず。

こんなに企画からするのが大変だと思わなかったし、初めてのことだから尚更。世の中のイベントへの見方も変わった。

コロナの時期に、大学も通えてないのに、
私はそれでも写真を撮る。写真が趣味だったから繋がれた人がたくさんいるんだもの。写真が趣味だったから、今回の壮大な経験ができたのだもの。
好きはおっきいものを生み出す力がある。

改めて、
私の趣味全開、気持ちしかない写真展のことを知ってくださり、そしてメッセージをくれた皆様、足を運んでくださった皆様、応援してくれた皆様、本当にありがとうございます。

ちょっと、進化できたかなって思いました。

私はこれからもフィルムが無くならない限り、フィルムで日常を撮り続ける。
愛です。

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