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もう一息!Amazon MUSIC HD

先日、CDをやめてハイレゾ・ストリーミングのAmazon MUSIC HDに乗り換えました。その後の使用感です。

何故?ハイレゾとCDフォーマットのアルバム内共存

Amazon MUSIC HDで再生していると時たま、24bit 192kHz(ULTRA HD:ハイレゾ 以降ULTRAと呼びます)と16bit 44.1kHz(HD:CDと同等 以降HDと呼びます)の曲が同じアルバムで共存していることがあります。最初、これはハイレゾのダウンロード販売を伸ばすためかと思いました。ユーザー無視のしょぼい戦略だなと。でも違うのかも。

例えばThe Doobie Brothers 1974年リリースのアルバム「Stampede」。アルバム検索をかけると最初に画面のアルバムが表示されます。混在しています。11曲中8曲がULTRA、3曲がHDです。

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ところがもう一枚、同じタイトル、ジャケットのものが存在します。なんと!こちらは全曲ULTRAです。

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もう少し詳しく見ていきましょう。2つのアルバムは発売日の表記が違います。混在は1974年12月11日、全曲ULTRAは1975年4月25日。オフィシャルサイトで確認すると1974年12月11日、Wikipediaでは1975年4月25日でした。この2つは同じULTARAの曲でもタイム表記も違っています。オフィシャルのタイム表記と同じなのは混在の方。3曲めと6曲目以外は同じです(全てが同じではない)。全曲ULTRA HDの方は10曲目以外は全て(!)違います。しかも、7曲めと8曲めは3分違います。というのも、ここは2曲がクロスフェードしてつながっているのですが、ここではなぜか7曲めが途中で切られ、8曲目の頭が繰り上がった状態になってしまっているのです。

もうめちゃくちゃです。今度はアルバム1曲目の「Sweet Maxine」を曲名検索してみます。6種類出て来ました。HDが1曲、ULTRAが5曲。細かく言うと2006年リマスターのSingle VirsionがHD、4分23秒、4分26秒、4分27秒のURTLA HDが4種類。4分26秒のVersionは3つあって全て2016年リマスターになっているのでこれは同じものなのでしょう。

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深みにずぶずぶ。。。。

2016年リマスターなんですが、ベストアルバム「The Very Best of The Doobie Brothers」に収録されています。そのアルバムを見ると発売が2007年。中身は2016年リマスター・・・かと思いきや2曲だけ2006年リマスターが含まれていてそれはHDなんです。過去と未来を行ったり来たり・・・分けわからないですね。e-onkyoでチェックすると2016年に全曲ハイレゾにリマスタリングされているようです。それなのに何故、2曲だけ2006年リマスターがHDで入っているのでしょう。全曲最新リマスターのULTRAで配信すべきだと思うし、実際e-onkyoではその形で売っています。理由は何なのだろう?

そして、先に上げたSingle Virsionを収録したアルバム「The Very Best of」は別のアルバム「The Very Best of The Doobie Brothers」とジャケットが全く同じなんです。曲目も全く一緒ですが前者はULTRAとHDが乱れていて、「SWEET MAXINE」はSinle Virsionでタイムが短いです。2007年に発売されたCD「The Very Best of The Doobie Brothers」に収録されていたのはこちらなので、後者に収録されるのもこちらのバージョンが正しいと思うのですが、変わってしまっています。「The Very Best of The Doobie Brothers」には”2016年リマスター”の表記をつけるべきです。アルバム検索で見ただけではわからない今の状況はかなり不親切です。

ところで、この2タイトルはCDに収録されていた28~32曲めがカットされているのですが、AmazonとAppleMusicやYouTubeMUSICなどでは表記が違っていてAmazonは28-32が全く存在しません。他は曲名表記がされているんだけれど再生はできない仕様です。どっちが親切かって言ったら後者でしょう。いきなり番号が飛んでいたら、事故かと思ってしまいますから。ちなみにSpotifyでは30,32の2曲だけが再生不可になっています。色々事情があるんですね。

もっとユーザーフレンドリーであって欲しい

というふうにAmazon MUSIC HDはカタログの内容がきちんと整理がされていないので、少し問題があるように感じています。リスナーに誠実な態度には見えないですね(アーティストに対しても不誠実に思えるのですが、当事者ですよね。この状況をどう見ているのでしょう?)。別のアーティストも見てみます。この感じだとコンピレーション物が多いベテランには同じような事がありそうだなと、ビートルズ、ディラン、ニール・ヤングあたりを見てみましたが、それらは大丈夫そうでした。The Whoやカサンドラ・ウイルソンのアルバムには同じような混在が見つかりました。

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こちらはカサンドラ・ウイルソンの「New Moon Daughter」。HDでアップされている1曲めの「奇妙な果実」など数曲はHDしか見当たりませんでした。e-onkyoでは全てハイレゾ(24bit192kHz)でダウンロード販売されていますので、ハイレゾ音源は全曲存在していると思われます。

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それとこれにはUS仕様とインターナショナル仕様の2種類がアップされていて収録曲数が違います。それも明記されていない。ここはわかりやすくタイトルに明記すべきではないでしょうか。曲のタイム表記も違う曲があるし、発売日も間違っています。

でも、やっぱりハイレゾはいい。今後に期待しています。

うーーん、混乱ですね。AllMusic.comでReleaseを調べると旧譜の再リリース状況がわかります。今回のThe Doobie Brothersの「Stampede」は結構な回数再リリースされていて日本だけの再発も多いようです。収録曲がベスト盤に収録される回数も少なくないでしょう。整理するのは大変なのかもしれません。それでも、この状況はきちんと整理して欲しい。でないと不親切すぎると思うし、作品への愛情やリスペクトを感じないことは使っていてヒジョーに不快です。
さらに、このアプリはデバイス間での連携もあまりスマートではなく、排他モードを設定するのにアプリを立ち上げるたびに設定しなければならないなど、使い勝手にも問題を抱えています。このような問題はこれからのアップデートで改善されていくのでしょうが、カタログの混乱に関してはかなり雑多になっているので心配です。せっかく膨大なタイトルのハイレゾ、CDと同様のデータを可逆圧縮でストリーミングで聴けるというのに、残念な部分がまだまだ多いと思います。それでも、音楽が可能な限り良い音(制作者の意図に近い音)で聴けるサービスなので、これが常識化していくと理想的だなと思っています。でも下記は早急に改善をお願いしたいです。

同じアルバムでのULTRA HDとHDの混在をなくすこと

■ 同タイトルでオリジナルとリマスターをアップするならそのことをタイトルに表示すること

さらなる音質のアップ、プレイヤーソフトの安定。

最初の2点は早急に改善して欲しい。ちょっと、信用できなくなってくるんですよね。正直嫌悪感も覚えるくらいで、いっそやめちゃえば良いのですが、先程もクルマの中でSpotify(Premium)と聴き比べたら、雲泥の差で。値段は倍ですがその価値のある音をしていました。そんな素晴らしいサービスなので、もう少し丁寧にやってもらえればとてもありがたくうれしいと思います。あと、同じレートだとDownloadやCDに音質で負けています。ストリーミングだと難しいこともあるのでしょうが、そこもしっかりやっていっていただくと、ヒジョーに嬉しく思います。

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